5月5日は子供の日で祝日ですね。しかし5月5日は「端午の節句」と言って、男の子の成長を祝う日でもあります。そこで今回は、端午の節句の由来や、五月人形はいつから飾るの?と言った風習と共に、五月人形の種類や購入予算など、1500人以上のママにリサーチした結果をご紹介します!ぜひ参考にして下さいね。


この記事の目次

端午の節句の由来


そもそも「端午の節句」とは、3月3日の「桃の節句」と同じく、中国の邪気払い行事が起源です。


5月に旬を迎える「菖蒲」を用いて邪気払いすることから、菖蒲の節句とも呼ばれています。


今はされている方は少ないかもしれませんが、菖蒲をお風呂に入れた菖蒲湯や、菖蒲を軒先に吊るす軒菖蒲など、菖蒲の香りで邪気払いをし、健康祈願をしていたのです。


「菖蒲」→「勝負」で男の子の出世祈願の行事へ

この菖蒲を使用した邪気払いは、奈良時代に日本にわたってきたと言われています。


そしていつからか貴族社会から武家社会になるにつれ、「菖蒲」が「尚武」や「勝負」と言った同音異義語のゲン担ぎから、端午の節句は男の子の成長や出世祈願をする行事へと代わっていったのです。


端午の節句に五月人形を飾るのは江戸時代になってから

そして江戸時代に入ると、端午の節句が「五節句」のひとつとして祝日に定められ、「勝負」の象徴である兜や鎧をまとった五月人形や、神様のご加護を受けるべく鯉のぼりを飾るようになりました。


昭和に入ってからは男女関係なく子供の幸せを願う日に

今は「こどもの日」という祝日になっている端午の節句。実はこれ昭和に入ってからのこと。


男の子の成長をお祝いする行事から男女関係なく、子どもの幸せを願う日、となっていったのです。


そのため、「こどもの日」は子供の行きたいところへ行く日、といったイメージを持つ方も多いかもしれませんね。

 

五月人形はいつから飾る?


雛人形を飾るときは、節分が過ぎたころから飾り始め、3月3日が過ぎればできるだけ早くに片づけるのが習わし、と言われていますが、五月人形はいつからいつまで飾るものなのでしょうか。


五月人形を飾るのは春分の日から5月中旬ごろまで

節句行事ですので、一般的には春分の日(3月20日もしくは21日)以降から飾り始め、5月中旬ごろに片づけます。


雛人形と違い、いつまでに早く片づけなければならない、と言った慣習はないようです。


3月末は年度末、4月の初めは新年度ということもあり、慌ただしいことが多いため、実際は、4月中旬の天気の良い日に飾り始める方が多いみたいですよ。


天候の悪い日に出し入れすると、五月人形が痛みやすくなるため、天気のいい日を選んで飾ったり片づけたりするようにしてくださいね。


五月人形は誰が買う?人気は「兜飾り」で飾りやすいサイズのもの!

端午の節句のお祝いに欠かせない五月人形。雛人形と同じくさまざまな種類がありますね。


誰がどんな五月人形を購入するのか、そして購入はどこでするのかをみていきたいと思います。


購入者は「ママの両親」が雛人形と同じくトップ!


購入者は雛人形と同じく「ママの両親」が6割以上でトップという結果に。続いて「パパの両親」というのも雛人形と同じ順位ですね。


どうやら節句行事の人形は祖父母が買う、という方が多い様子。


しかし、注目すべきは第3位です。五月人形ではパパですが、雛人形ではママでした。この差は、親になっても「男の子の行事」「女の子の行事」という意識の表れなのかもしれない、と感じました。


「兜飾り」の五月人形がダントツ!


続いて、五月人形の種類についてみていきたいと思います。


人気なのは「兜飾り」で、実に7割以上の方が選択されているようです。


ちなみに、自分や家族の五月人形などを引き継ぐ場合も「兜飾り」が54.9%と、新規購入より数値が下がるもののトップでした。

 

「ケース入り」「コンパクトサイズ」など飾りやすいものが選ばれている


さらに五月人形のタイプをみていきましょう。こちらはガラスやアクリルなどのケース入りのものがトップ


続いて、「卓上・コンパクトサイズ」、「収納飾り」と続き、従来の平飾りや段飾りのものはわずか5.6%しかいらっしゃいませんでした。


雛人形と同じく、現代の住宅事情に合った五月人形が選ばれているのだと考えられます。


引き継ぐ場合は「平飾りや段飾り」の五月人形が多い

五月人形を新規購入する場合、飾りやすいものが選ばれる傾向にありますが、引き継がれる五月人形だと少し事情が異なります。


引き継いだ五月人形ランキング

1位.ケース入り(40.8%)
2位.平飾りや段飾り(27.6%)
3位.収納飾り(16.7%)


1位は新規購入と同じく、ケース入りですが平飾りや段飾りが2位となり、3割近くにのぼります。やはり引き継ぐものは従来の五月人形が多いのですね。


人気武将モデルは「伊達政宗」


五月人形は兜や鎧を飾ることから、戦国武将の兜や鎧をモチーフにした五月人形があります。


武将モデルで人気だったのが「伊達政宗」です!


伊達政宗と言えば戦国時代から江戸時代に生きた仙台藩の初代藩主。最近では隻眼で片目にアイマスクをしている武将、としてイラスト化されているのをよく見かけますよね。


兜は漆黒に三日月の前立てがついている特徴的なもの。


確かに「兜飾り」が人気であれば、特徴的な兜の武将に人気が集まるのも頷けます。


上杉謙信モデルも人気

そんな伊達政宗と接戦だったのが「上杉謙信」。


「敵に塩を送る」ということわざは、上杉謙信が敵である武田信玄に塩を送ったというエピソードから生まれたのは有名な話ですよね。


上杉謙信の兜も、伊達政宗と同じく三日月の前立てがついており、さらに日輪という太陽をイメージした前立てが重なってついているデザインです。


兜の人気は、武将の人柄や戦歴はもちろんのことですが、意外と三日月のデザインに惹かれるのかもしれません。


それにしても戦乱を生きた名武将たちは、まさか自分の甲冑のデザインが、後世に伝わって五月人形として飾られる、なんて思ってもみなかったことでしょうね。


五月人形の購入先は専門店!予算は5万円未満が半数!

五月人形の人気の種類やタイプがわかりました。続いては、購入先と予算についてみていきましょう。


五月人形の購入先は「人形専門店」が半数以上!


雛人形と同じく、やはり「人形専門店」で購入される方が多いようです。そこで人形専門店で人気のお店を調べてみました。


1位「久月」

(画像は公式サイトのスクリーンショット)


皆さんの購入先で多かったのが「久月」。江戸時代から続くお店で、180年以上の歴史があります。


雛人形でも1位だったため、「節句のお祝い人形は久月」というイメージが強いのかもしれませんね。


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2位「吉徳」

(画像は公式サイトのスクリーンショット)


2位は「吉徳」の五月人形でした。こちらも江戸時代から続くお店で、創業300年を超える老舗。東京の浅草に本店があります。


雛人形でも同じく2位という結果に。人形専門店はどうやら「久月」と「吉徳」が2大巨頭のようですね!


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番外編「リヤドロ」

(画像は公式サイトのスクリーンショット)


こちらはなんと磁器の五月人形!ポーセリンアートと言って、磁器を用いて芸術作品を作られるスペイン生まれのお店です。


そのため、取り扱う商品はヨーロピアンテイストのものが多数!


人とは違う五月人形を我が子に、とお考えの方はこういうのもいいかもしれませんね。


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予算は5万円未満がほぼ半数!


予算をみていくと、およそ半数の方の予算が「5万円未満」でした。


「10万円未満」が4分の3以上と、多数を占めているのでおおよその予算は5万円前後というご家庭が多いのかもしれません。

 

端午の節句に食べるものは「柏餅」がトップ!「ちまき」は少数派


男の子の成長を願う端午の節句行事。お祝い事ですので食べ物にもこだわりたいですよね。


桃の節句では「ひなあられ」や「ちらし寿司」といった食べ物がラインナップに上がっていましたが、端午の節句ではどのようなものが食べられているのでしょうか?


「柏餅」が半数以上!お祝い事に欠かせない赤飯は第2位!


端午の節句では「柏餅」が56.1%と半数以上の票を集めてトップに。


続いてはお祝い事の定番「赤飯」で、3位は「普段の食事と変わりなし」という結果に。


『世間はGWだし、子どもの日だから…。』という風に、意外と「お祝い」感のある食べ物を食べることは、初節句以外は少ないのかもしれません。


ちまきは奈良時代に中国から伝わり、柏餅は江戸時代から

私が子供の頃はちまきを食べていた記憶があるのですが、ちまきの回答数が思ったより低かったのが印象的でした。


調べてみると、ちまきは端午の節句の文化と共に奈良時代に中国から伝わったもので、柏餅は江戸時代に端午の節句に食べるようになったと言われているようです。


柏餅は「子孫繁栄」の縁起もの

江戸時代から端午の節句でも食べられるようになった、と言われている柏餅。


柏の葉は新しい葉が出るまで、古い葉が落ちないことから、「家系が絶えない(子孫繁栄)」という縁起担ぎに、端午の節句の日に食べられるようになりました。


昔はお家が続くことが大切でしたので、男の子の生まれた家では男の子の健やかな成長と共に、子孫繁栄もお祈りしていた、ということかもしれませんね。


みんなの「端午の節句」エピソード

ここからはメルマガ読者の皆さんから寄せられた、端午の節句エピソードを紹介します。

 

五月人形のガラスケースは危険?!


「五月人形の硝子ケースに乗ろうとしてヒヤヒヤ…!」

(神奈川県 ひろさまさん お子さん:1歳7ヶ月〜2歳・妊娠中)


これはとってもヒヤヒヤですね…!1歳ぐらいのお子さんだと、何でも登ってみたくなる年頃?!


五月人形を飾っている間は、いつもより子供の行動に目配りが必要かもしれませんね。

 

「おばあちゃん」と「孫」で日本の文化を楽しむ


「ばぁばに作ってもらった新聞紙の兜を被って、嬉しそうだった。」

(福岡県 かんなさん お子さん:1歳7ヶ月〜2歳・妊娠中)


新聞紙の兜なら、子どもでも気軽にかぶれますね。


日本独自行事で、孫との触れ合いができるのは大変いいことだな、と感じました。


兜が重すぎて…!


「兜を被らせてみたのはいいのですが…。あまりの重たさに後ろにひっくり返りました。 」

(大阪府 はるままさん お子さん:3歳〜4歳・妊娠中)


一方こちらは紙ではなく普通の兜!確かに兜が飾ってあるとかぶりたくなるもの。


しかし子供には少し重いかもしれませんね。ケガはなかったのでしょうか。


自身の子供のころを振り返って



「小学生の頃、クラス全員(男女とも)で、新聞紙で兜を作り遊びました。」

(東京都 よっちゃんさん お子さん:生後10~12ヶ月、4歳以上)


こちらはママさんご自身の幼少期のエピソード!男女関係なくこどもの日として楽しめるのもいいことですよね!


私も子供の頃は紙兜を作ってかぶっていましたが、最近の子どもたちもするのでしょうか。気になるところです。


端午の節句も日本の素敵な文化!お祝いしてあげよう!

子供の日になったとはいえ、兜や鎧の五月人形を飾る、というのはやはり男の子のお祝いならでは、という気がしますね。


日本の文化を体験させてあげることは、子供にとって大変良い刺激となります。


家庭での情操教育のひとつとして、男の子がいらっしゃるパパママは、ぜひ五月人形を飾ってお祝いしてあげて下さいね♪

 

【参考文献】

「子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本 (永岡書店)」

「大切にしたい、にっぽんの暮らし。(サンクチュアリ出版)」

「これ1冊でカンペキ!図解 日本のしきたりがよくわかる本―日常の作法から年中行事・祝い事まで(PHP研究所)」


【調査概要】

期間: 2018年1月22日~2月5日

方法: カラダノ―トママ部調査

対象: 妊娠・育児中のママ部ユーザー(N=1547)


(Photo by:写真AC

(Illust by:イワモトマイコ)