産後、全身の映る鏡で自分の後ろ姿…お尻を見たときに「ギョッ!?」としませんか?妊娠前に履いていたパンツスーツが入らなくなっていたので薄々気づいていましたが、出産後のどっしりとしたお尻。これってなんとかならないの?


この記事の目次


産後のお尻太り、かたちが変化する理由


出産をして一気に小さくなるお腹。妊娠前に戻らなくとも、臨月から出産直前のおなかに比べるとやはりすっきりしますよね。


腹囲は妊婦健診で測定されていたこともあり、お腹の大きさには意識がいくものの意外と「お尻」には意識が行っておらず、産後妊娠前のズボンをはいた時に「え、キツイ…」と実感される方も多いのではないでしょうか。


出産で骨盤が開くのが原因

妊娠出産を経て、妊娠前より体重が大幅に太ったという方なら、ズボンがキツイ、というのは納得できますが、体重が妊娠前と大して変わらない、もしくは妊娠前よりやせたという場合でもズボンがきついと感じることがあるのです


それは、妊娠によって骨盤が開いたから。しかし、骨盤自体は産褥期が終わるころにはほぼ妊娠前と同じ位置に戻ると言われています。


産後の筋肉の衰えがお尻のかたちの変化に

ほぼ妊娠前と同じ、ということは多少は異なるため、その部分でどうしてお尻が大きくなりがちになるかもしれません。しかし、骨盤が開くといっても、微々たるもの。


お尻のかたちが変わってしまうおおきな理由は筋肉の衰えです。


例えば、お腹が大きくなってくると、歩幅がいつもより狭まったり、歩くスピードがゆっくりになったりしませんでしたか?ハイヒールを履かなくなったことで、普段使っていた筋肉を使わなくなったというママもいらっしゃるでしょう。


妊娠中に安静指示が出た方などは、衰えがより一層感じやすいかもしれません。


妊娠中についた「脂肪」もお尻のかたちの変化の原因

また、妊娠中はお腹の赤ちゃんを守るため、お腹や骨盤まわり・お尻に脂肪がつきやすくなります。


この脂肪は皮膚と筋肉の間につく皮下脂肪。皮下脂肪はつきにくく、落としにくい傾向にあるため、産後もお尻に脂肪が残るため、お尻のかたちが変わり、お尻太りが気になる方も多いでしょう。


基礎代謝量の変化

妊娠中は胎児に栄養を送るべく、基礎代謝量も増えます。また妊娠中は妊婦健診で体重計測があるためいつも以上に食事の管理をしているママもいらっしゃるでしょう。しかし産後、妊娠中やそれ以上に食べてしまうことが産後太りにつながります。


妊娠後期は通常のエネルギー量にプラス450キロカロリー必要であると考えられています。産後、授乳期はプラス350キロカロリーと考えられているため、妊娠中よりも授乳期の方がエネルギー量は少なくなります。


人によっては母乳がなかなか出ない方や、ミルクで育児をする方も。この場合は妊娠後期と同じ食生活、もしくはそれ以上ですとプラスするエネルギー量が多いため、どんどん太ってしまうのです。


また筋肉が落ちたことによる代謝量の変化もあるため、より太りやすい体質に変化しているとも言えるでしょう。


つまり産後のお尻は


・筋肉の衰えによるたるみ

・妊娠による脂肪が増加の名残でかたちが変化

・産後のカロリーオーバーな食事


この3つによって引き起こされています。


お尻が重だるい・痛みはけがの元!


自分の身体の状態を知ることが大切産後太りや体型が変わったことも気になるものの、それよりもお尻のおもだるさやお尻がこっているような痛みを感じるときにお尻やせの運動!と張り切ったり、急な動きをするとぎっくり腰やケガの元になりかねません。


お尻太り改善の前に自分の状態を知るべし!

筆者の経験談ですが、産後太りや筋肉の衰えが気になり、産後半年ほどしてから、お風呂上りにスクワットをはじめました。最初は問題なくやっていたのですが、数日経ってお尻や腰回りに痛みを感じるように。


お辞儀をすると腰からお尻にかけてが痛くなりました。そして遠方から友人が訪ねてきてくれたため、夫に育児を託し、さんごはじめてのひとりの外出!その結果、はしゃぎすぎてぎっくり腰になりました…。


産後の筋肉は衰えだけでなく固まっている!

そこで知ったのは、筋肉を使わないでいるとどんどん固まっていくということ。そして固まると血行不良になり、悪循環になっていくことです。お尻を触ってみて他の部分比べて冷たくはないでしょうか?血行不良気味かもしれません。


そのため、お尻太りの改善の前に自分の身体が運動できる状態なのか、まずはコリをほぐして血行を良くする段階なのかを見極める必要があると言えるでしょう。


なお、痛みがある場合は、炎症が起きている可能性もあります。子育て中はむずかしいかもしれませんが、まずは整形外科や整骨院などでみてもらうようにしてください。


お尻の状態を知るファーストステップ「ストレッチ」


産後のお尻まわりの状態を知るにはまずはストレッチです!


お尻ほぐしのストレッチ1

①足を揃えて伸ばした状態で床に座ります。お尻の少し後ろあたりに手をつき、膝を曲げます。

②息を吸いながらお腹に力を入れます。

③立てている膝を息を吐きながら右方向に倒し、お尻の右横部分を床につくようにします。

④床についた部分を中心に円を描くようにしてグリグリ回します。(10回)

 腹圧を抜くと腰に負担がかかりやすくなるので、力を抜かないように意識しましょう。

⑤逆回転を回します(10回)

⑥今度は左側に倒し同じように10回ずつ回転させます。


お尻ほぐしストレッチ2

①足を揃えて伸ばした状態で床に座ります。右足首を左足の膝の上辺りにのせます。

 この時右足首の角度は90度になるようにしましょう。

②身体側面から後ろに手をつき、息を吸って腹圧を入れながら左膝を立てます。

 かたい人は無理せず出来る範囲で立てるようにしてください。

③左膝を立てた状態で呼吸を整え、再び息を吸って背骨を伸ばしましょう。

④息を吐くようにしながら右膝を前に倒すようにします。この状態で5回呼吸をします。

⑤ゆっくりと左膝を伸ばしていき、右足を外します。

⑥反対方向も同じように行います。


股関節がかたい筆者が実践!お尻ほぐしのビフォーアフター


お尻が重だるく、起き上がるのも億劫な筆者。実際にこのストレッチをオンラインレッスンでやってみたのですが、驚くほどお尻と股関節に効果的でした!!


ぐりぐりがマッサージのようなストレッチでとても気持ちよかったです。実際にあとからオンラインレッスンの様子を見比べてみると、足の角度に変化が!!心なしか、姿勢もよくなりシュッとした感じもします(気のせい???)


ちなみに先生からは


巻き肩っぽいのもとれて、肩回りも少し緩んだかな。腹圧いれてるからか背骨がまっすぐになって顔も上がってると思います。


という言葉をいただきました。お尻ほぐしすごい!!


痛いのはそれだけ筋肉がかたくなっている証拠!

しっかりほぐすことで、筋肉にやわらかさを取り戻せますので、お尻太りのアプローチ前にストレッチは必須です。


ただし、無理やり伸ばそうとするのはNG。筋肉は伸びる時に断裂を防ぐために緊張するのですが、コリ固まっている状態もすでに緊張状態のため、緊張に緊張を重ねると激痛…ぎっくり腰のような事態になるかもしれません。


そのため、自分が「気持ちいい」と思う範囲でストレッチをすることが大切です。


お尻のコリをほぐすアイテムを取り入れる

ストレッチの姿勢をとるのもだいぶしんどい…という筋肉がカッチカチの方は、急な負担で痛みが出る可能性もあります。とはいえ、なかなか幼い子供を連れて治療に通うのは難しいですよね。そうならないためにも、おうちでできるコリをほぐすアイテムを使ってセルフメンテナンスをしてみましょう。


トリガーポイント(TRIGGERPOINT) グリッド フォームローラー 

(出典:Amazon


「筋膜リリース」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

筋膜とは筋肉を包んでいる膜のことで、この筋膜が萎縮し癒着していることが原因で筋肉がうまく動かせなくなります。


そんな時はこの筋膜ローラーを使って筋膜の状態を改善することができるそうです。おうちでゴロゴロするだけなので、使い勝手もよく産後にはぴったりですね。

 

ペルビス 骨盤職人

(出典:Amazon


筆者が愛用しているのはこの「骨盤職人」です!気持ちのいい位置にピンを合わせて寝転ぶだけ。


骨盤以外にも太ももやふくらはぎをのせて寝転んでも痛気持ちいいです。寝転ぶだけなので、ズボラママの筆者はとても重宝しています。

 

筋肉をほぐしてから運動!おすすめはおうちヨガやウオーキング


ストレッチやアイテム、状況によっては整体なども利用してまずは筋肉の柔軟性を取り戻すことが、お尻レスキューの第一歩。


ある程度動かせるようになってきてから、運動を取り入れて筋肉をつけていきましょう。


呼吸に合わせてさまざまなポーズをとるヨガは、インナーマッスルが鍛えられます。そのため、骨盤まわりのインナーマッスルを鍛えるポーズを取り入れることで、お尻太りやたるみに効果がありそうです。


ヨガはおうちでできる!オンラインレッスンも

ヨガはおうちで気軽に取り組めるのも、産後で小さな子供がいるママには嬉しいポイント。


ヨガをやったことがない、という方はオンラインレッスンを受けてみて。一回の受講でも驚くほど新しい発見にあふれていますよ!

 

ウオーキングは手軽にできるけど育児のサポートが必須

ウオーキングも手軽に行える運動です。外を散歩するのは気分転換にもなりますので、育児疲れがたまっていたり、ノイローゼ気味だったりするときにも効果的。


ただし、お尻にアプローチしたい場合は、太ももをあげたり、ウオーキングの合間にスクワットなどのトレーニングを取り入れるとお尻への筋肉へのアプローチができます。


トレーニング要素を取り入れたウオーキングは、子供を預かってもらう必要があります。夫やその他、育児のサポートが望めない場合、お尻太り解消に向けてのウオーキングはむずかしいかもしれませんね。

 

お尻ケアで大切なのは焦らず地道に筋肉を取り戻すこと!


妊娠前の写真を見るたびに、まだ数年しかたっていないのに、こんなにも体型が変わるなんて…と思うママも多いはず。体型の変化は妊娠出産の証とはいえ、戻れるならやっぱり産前のスタイルに戻りたい。筋肉は使わなければ衰えます。使えば鍛えられます。筋肉を取り戻すのは地道なことですので、焦らず、自分のできるタイミングや心の余裕ができてから取り組めるといいですね!


教えてくれた先生

Sugi

カラダノートのアプリ部門の責任者。ヨガ歴5年目。

自分の身近な人に安全にヨガを教えたいと思い、働きながら土日に養成講座に通う。
2020年3月にRYT200(全米ヨガアライアンス)を修了。インストラクター資格を取得。