「性教育」をはじめるのはいつから?学校でいつか教えてくれるから家庭ではしなくてもいい?そんな風に思うママも多いかもしれません。ですが性教育は3歳頃からはじめておきたいものなんです。え?そんなに早くから?と思う方もそうでない方も、我が子を守るおうち性教育をはじめましょう!


この記事の目次


性教育って何?


そもそも性教育とは何のことなのでしょうか。性教育とは性器・生殖・性交など、人間の性行動全般についての教育のこと。


「SEXの話なんて幼児にはまだ早いんじゃないかしら?」と思うパパやママは、2人目や3人目を妊娠した時、子供から「赤ちゃんはどこからママのお腹にやってきたの?」と聞かれたら、どう答えますか?


コウノトリが運んできたのよ、とメルヘンチックに返すでしょうか。
パパとママが愛し合ったからやってきてくれたのよ、とぼかして返すのでしょうか。


どちらにせよ、性について隠しながら話すということは、いつか「ばらす」ときが来るということ。


それとも、ばらさずに「学校で教えてくれるよね…」を待つのでしょうか。


学校では教えてくれない性教育


学校でも性教育はあります。


パパやママも小学校高学年や中学生の頃、男女に分けられて、保健体育の先生や養護教諭、助産師など専門の先生などの授業を受けたことがあるのではないでしょうか。


筆者は女子でしたので男子の授業はわかりませんが、小学校5年生の時に授業ではじめて生理のしくみを学び、生理用品に触れました。


学校では教えてくれない性教育

しかし、学校では教えてくれない部分もたくさんあります。例えば女子なら生理のことは教わりますが、セックスのことを具体的には教えてくれません。


生理のことについても、生理痛やPMSやPMSD、無月経や多血月経、子宮内膜症や不妊についてはおそわることがないでしょう。


男子ならおそらく射精のしくみを教わるのみなのかと思います。


学校の授業を待っていては遅い

また最近の子供たちは、生理がはじまる(初経)も少しずつ低年齢化しています。


そのため学校で授業を受ける前に生理がはじまる女の子もいるでしょう。


学校の授業だけでは不十分であったり、人によっては遅い場合もあったりするのです。

 

幼児から性教育が必要な理由


学校で教えるのだけでは、不十分とわかったけれどどうして幼児からなの?セックスのことは思春期ぐらいとかもう少し遅くなってからでもいいんじゃない?と思う方もいらっしゃるでしょう。


知識がないことで自分の身体に嫌悪感がわいてしまう

性への知識が乏しいため、生理や射精を「汚いもの」と感じ、自分の身体を嫌いになってしまう子供もいます。


一度拒絶してしまうと、再び受け入れるのには時間がかかります。すんなりと受け入れられるようにあらかじめ自分の性について知っておくことが大切なのです。


性犯罪にあってしまう

性への知識が不十分ということは、性犯罪から身を守る術がないということ。


もちろん、大人の力にかなわない、ということもありますが、「触られる」という行為が、犯罪なのか愛情表現なのかを子供自身が判断できない状態はよくないですよね。


もしパパやママがお尻をなでなですることで愛情表現をしていたとしたら、お尻を触ってくる人は自分に愛情がある、と間違った認識をしてしまうかもしれません。


その結果、幼い我が子が性犯罪に巻き込まれたら…と思うとぞっとします。


また、性の知識が不十分なまま成長し、歪んだ知識を得てしまうことで、相手を傷つけてしまったり、我が子が性犯罪の加害者になってしまったり、なんてことにもなりうるのです。


思春期に親子で性について語る機会を持つ困難さ

幼児のうちはまだ早い…と避け、小学校、中学校になりそろそろ我が子も思春期。そろそろ、セックスについての話をしよう、としたとき、果たしてそれができるのでしょうか。


思春期の子供が、親にいきなりそんな話をされたらどう思うでしょうか。反抗期の子供がより一層、反抗的になるかもしれません。


なによりいままで話していなかったことを、打ち明けるのはとても大変です。大切な時に大切なことが伝えられるように、幼児期のうちからの性教育が大切なのです。


おうちで性教育を始める前に親がしておきたい3つのこと


幼児に向けておうちで性教育を始めよう…だけど、自分も自分の親から教わったことがないからどうすればいいのかわからない、というパパとママも多いはず。家庭での性教育を始める前にしておきたいことをまとめました。


夫婦で話し合う

子供が男の子でも女の子でも、男性・女性双方の大人が性教育にか欠かせません。そのためまずは性教育について夫婦で話し合いましょう。


性教育だけでなく、小学校は私立にするのか公立にするのか、習い事は何をさせるのか、誕生日プレゼントはどうするのか、といった子供の成長や教育についての会話はできるだけ親同士で相談しておくことが望ましいです。


話題の主導権がパパもしくはママに偏りがちになるかもしれません。しかし、きちんと方針は共有するのがベスト。


仮に双方の意見が衝突したとすれば、それは「家族」としての試練かもしれません。夫婦で向き合うことが、親としての成長につながるはずです。


自分自身の性教育のおさらい

自分自身が親から性教育を受けていない、もしくは避けてきた、というタイプや、知っているけどこれが正しい情報化がわからないというタイプ、性教育は大丈夫!というタイプも今一度おさらいをしてみましょう。


あっ!そうなんだ!性と生 幼児・小学生そしておとなへ

(出典:Amazon


おさらいするならこの絵本がおすすめ。性への知識が子供から大人にまでわかりやすく描かれています。


性への知識だけでなく、子供への伝え方の参考にもなります。


5歳ぐらいの子供であれば、一緒に読んでみるのもいいかもしれませんね。


あっ!そうなんだ!性と生 幼児・小学生そしておとなへ

エイデル研究所 価格:2,200円 


基本は同性の親から!教える準備

男の子のおしっこ(立ちション)をママが教えるには、教える側も教わる側もかなり難しそうですよね。


基本のスタンスとして、男の子はパパ(男性)、女の子はママ(女性)から性教育をしていきましょう。


とはいっても、異性であっても全くノータッチというわけにはいきません。


立ちションを教えるのはパパですが、おちんちんをところかまわずさわるという場合はもちろんママだって親ですから、そのことでまわりがどう感じるか、ということを伝える(教える)ことが大切です。


また単身赴任の家庭や別居婚、離婚、死別などで片親メインの育児だと同性から教わるのが難しいケースもあります。


単身赴任や別居婚などでは、一緒に過ごすときに性教育の時間が取れるように意識していくことが重要です。夫婦で話し合っておきましょう。


片親の場合は、親戚など自分と異なる異性に協力してもらえるよう、あらかじめ相談しておきましょう。

 

家庭での性教育のヒントになる書籍をご紹介

(出典:Amazon


3歳ぐらいの子供や小学校低学年くらいの子供にどうやって性について教えればいいの?そもそも親自身が性についてよくわかっていないこともありますし、どこまで言っていいものかの判断も難しいもの。


とはいっても、なかなか人に効ける話題でもない…と悩む方も多いでしょう。


そんな時におすすめしたいのがこちらの書籍です。


おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方

マンガで読み進めやすく、専門家の先生によって幼児期から思春期の性教育の進め方がとても分かりやすく描かれている一冊。


公共の場で「おしり!うんこー!」とふざけて叫ぶ、「ママは何で立っておしっこしないの?」と聞かれた、家でも外でもおちんちんを服の上から触っている…といったさまざまな幼児期ならではの性の悩みの対処法、声のかけ方がわかるようになります。


性教育は身近な悩みで、幼児のうちから学ぶことが大切だと気付かせてくれる一冊です。


おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方

KADOKAWA 価格:1,430円

 

子供を守るためにおうち性教育をはじめよう


コウノトリ、で済ますのは簡単です。ですが、それを信じたまま小学生~中学生になって子作りの話を友達としたときに笑われるのは子供。その子供は「何でママは私にうそをついたの!」とショックを受けることも十分にあり得ます。親子の信頼関係も崩れるかもしれません。


今子育て世代のパパやママたちの多くは、家庭で性教育を受けたことが無い方が多いでしょう。筆者もそうです。だからこそ、私たち親がきちんと学習して、子供に伝えていくことが大切です。

 

恥ずかしがらず、子供を守るためにおうちでの性教育を少しずつはじめていきましょう!


参考文献:KADOKAWA「おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方」フクチ マミ・村瀬 幸浩

 (Photo by:写真AC