
「え!こんなの昔はなかった!」
第二子の育児に奮闘中の凪ぱるこさんは、育児用品を見るたびに目を丸くします。11年前、第一子を育てていた時とは、あまりにも違う育児環境に驚きの連続だとか。
手術室看護師として8年のキャリアを持ち、現在は保育園看護師として活躍しながら、SNSで人気の漫画家としても注目を集める彼女。医療従事者としての確かな知識と、ユーモアあふれる視点で描く漫画は、多くのファンを魅了しています。
今回は、11年の時を経て大きく変化した育児環境と、新しい働き方について、たっぷりとお話を伺いました。
5ヶ月の赤ちゃんの育児絵日記で広がるママ友の輪

現在5ヶ月になる第二子の育児を楽しむ凪さん。毎日の成長を「育児絵日記」として描き始めたところ、思わぬ反響があったといいます。
「5分くらいで描ける簡単なイラストなんですけど、同じくらいの月齢のお子さんを持つママさんから、たくさん共感の声をいただけて。育児日記をきっかけに、ママ友の輪が広がっている気がします」
産後のリハビリを兼ねて開始した育児絵日記、育児の合間を縫って描いているというイラストですが、フォロワー数は500人以上も増加したそうです。すごいですね!
そんな日々の育児の中で、凪さんは育児環境の大きな変化を実感しているといいます。
11年前とここがちがう!進化した育児風景
スマホ1台で変化!育児記録と家族のコミュニケーション
「1人目の時はガラケーでした(笑)写真を撮っては現像して、実家に郵送するのが定番でしたね」と凪さんは当時を振り返ります。
デジカメで撮影した写真を現像に出し、郵送で祖父母に送る。今では考えられないような手間と時間、そして郵送費用もかかっていました。しかし現在は、スマートフォンと写真共有アプリの登場で、状況は一変しています。
「今は毎日、ほぼリアルタイムで写真や動画を共有できるんです。データ容量も気にする必要がなくて。スマホの容量を圧迫しないように、すぐにクラウドにアップして...という使い方をしています」
祖父母との心の距離も、テクノロジーの進化で確実に縮まっているそう。
「毎日の成長を一緒に見守ってもらえるのが本当に嬉しいですね。『今日はこんな表情を見せてくれたよ』って、その日のうちに共有できる。祖父母も毎日楽しみにしてくれていて。実は2人目の方が、写真の枚数は断然多いんです(笑)」
便利すぎる!育児記録アプリの進化
写真共有だけではありません。育児記録もデジタル化され、格段に便利になったと凪さんは言います。
「ミルクの時間を記録するアプリがすごく便利です。夜中の授乳でもスマホでサッと記録できる。睡眠不足の頭でも、何時に飲ませたっけ?って迷わなくて済むんです」
そして、これから始まる離乳食でも、アプリの力を借りる予定だとか。
「離乳食アプリも楽しみにしているんです。1人目の時は、本を見ながら手探りでした。今はアプリで進め方を確認できたり、アレルギー情報なども管理できたり。便利になったなーと」
スキンケアの考え方も変化
育児用品だけでなく、赤ちゃんのケアに対する考え方も、この11年で大きく変わったと凪さんは指摘します。
「1人目の時は、赤ちゃんの顔は石鹸を使わずガーゼで優しく拭くように言われていました。でも今は、ベビー用の洗顔料を使っても大丈夫って。スキンケアクリームも、以前より積極的に使うように言われますね」
医療従事者の視点から見ても、科学的根拠に基づいた育児の方法が広まってきていると感じるそう。
「アレルギー対策も変わりました。妊娠中の食事制限は、以前ほど厳しくなくなっていて。科学的な研究が進んで、必要以上の制限はかえってよくないという考え方に変わってきているのを感じます」
オペ看だけどポンコツ?等身大のほのぼのさに共感多数!

8年間、手術室看護師として第一線で活躍していた凪さん。そんな彼女の人生を大きく変えたのは、4年前のある決断でした。
「元々絵を描くのが好きで、iPadを買ったのがきっかけで漫画を描き始めたんです。最初は本当に趣味でした」自身の日常をユーモアたっぷりに描いた漫画をSNSに投稿したところ、予想以上の反響があったといいます。
「私、結構ポンコツなんです(笑)仕事はできるんですけど、日常生活ではうっかりしちゃうことが多くて。そんな自分のドジな部分を描いた漫画を投稿したら、意外と共感してもらえて。あとみんなが笑顔になってくれるのがうれしいんです」と凪さん。
オペ看といえば、ハイスぺでクールで強めの印象がありますが、凪さんは始終ニコニコしていて、とにかく明るい朗らかな印象でした。(あくまで個人の感想です。)
医療知識が強みに!経験を活かした新しい働き方

趣味で始めた漫画でしたが、医療現場での経験を活かした専門性の高い内容は、実は多くの需要がありました。
「医療系の企業や雑誌から、お仕事の依頼をいただくようになりました。手術専門の雑誌の挿絵を描かせていただいたり、医療系漫画作品を手がけたり。医療系の雑誌は医療分野に関して正確に書かないといけないこともあり、看護師としての知識が、漫画家としての強みになっています。」
現在では保育園看護師や訪問看護の連載も手がけ、医療系コンテンツのクリエイターとして確固たる地位を築いています。依頼者側も安心感がありますよね。
看護師で漫画家って、なかなかレアなスペックですよね!
新しい夢に向かって
「将来は自分の書籍を出すことが夢です」と凪さん。現在は育児日記や日常エッセイ漫画を中心に、温かみのある作品作りを目指しています。
日々の育児と仕事の両立は決して楽ではありませんが、育児も漫画も、自分らしい方法で楽しんでいきたいと凪さんは語ります。
「育児も仕事も、毎日が発見の連続です。大変なこともありますが、子どもの成長を見守れる喜びは何物にも代えがたいですね」
テクノロジーの進化は、育児環境だけでなく、働き方にも大きな変化をもたらしています。医療職の経験を活かしながら、クリエイターとしても活躍する凪さんの姿は、新しい時代のワーキングママーの形を示しているのかもしれません。
--- Profile---
凪ぱるこ(@nagi_paruko)
手術室看護師として8年間勤務後、保育園看護師に転職。現在は週3日の勤務をしながら、医療系漫画や育児日記などを執筆。Xのフォロワー数は1.3万人を超える。第二子(5ヶ月)の育児中。