赤ちゃんの旅行はいつから行けるのかな?と気になりますよね。
旅行デビューは生後3ヶ月以降がベストです。
赤ちゃんの首がしっかりとすわり、昼夜の区別がつき始める時期というのと、ママの産褥期が終わり、生活リズムも整ってくる時期だからです。
今回は、赤ちゃんの旅行について、どのように準備すれば楽しめるのかを旅育のプロが解説していきます。
移動だけなら新生児でも可能!
旅行、というと新幹線や飛行機を乗って移動することを思い浮かべる人も多いはず。
これらの交通手段はいつから乗ることができると思いますか?
飛行機は生後8日から
新幹線は制限なし
つまり、飛行機も新幹線も新生児で乗ることが可能なのです!
自家用車も新生児から使えるチャイルドシートがあればOK。
新生児で旅行に行くべきではない5つの理由
しかし、新生児を連れての旅行はいくべきではありません。
その理由は5つあります。
①赤ちゃんの抵抗力は低い
赤ちゃんは未発達のまま産まれてきます。
子宮内は無菌状態ですが、産まれてくると外の菌にさらされます。
抵抗力の低い赤ちゃんは無理ができません。
②赤ちゃんの皮膚は繊細
皮膚も大人より薄く繊細なため、日光の刺激が負担になります。
③首がすわっていない
新生児は首がすわっていません。
車の情報誌グーネットでも赤ちゃんが車で長距離移動できるのは首がすわるのがひとつの目安、としています。
参考:「赤ちゃんと車での長距離旅行|気を付けたいことと必要な準備(グーネットマガジン)
④出産のダメージが大きい
新生児期はママも長距離の旅行は控えたい時期です。
何故なら出産のダメージが大きいから。
新生児期は産褥期。
産褥期はママの身体を休める時期です。
子宮の大きさもまだ大きいままですし、悪露という産後のおりものも出ている状態。
新生児のうちに遠出をすることは赤ちゃんだけでなく、産後のママの身体にも負担が大きいのです。
⑤生活リズムが安定していない
子育てが始まったばかり。
慣れない育児に産後の身体で生活リズムも安定しません。
授乳のペースも安定しておらず、睡眠も細切れです。
新生児期は赤ちゃんを育てること・ママの回復を最優先にしましょう。
生後3ヶ月からなら旅行に行きやすい5つの理由
ではいつから旅行に行けるのかというと、生後3ヶ月~が目安です。
生後3ヶ月の旅行は早いかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし生後3~5ヶ月ごろの赤ちゃんは意外と旅行に行きやすい時期なのです。
その理由はこの5つ。
①首がすわっている
②授乳が安定してくる
③昼夜の区別ができるようになる
④ママの身体が回復している
⑤離乳食開始前
①首がすわっている
先述の通り、長距離移動は首がすわっているがひとつの目安。
生後3ヶ月の頃には首がすわり始めるので行きやすくなります。
②授乳が安定してくる
ママの母乳の出が安定してきます。
赤ちゃんの飲む回数も【新生児期:10回前後】→生後3ヶ月:6回前後】落ち着いてくる時期です。
③昼夜の区別ができるようになる
生後3ヶ月ごろから昼夜の区別が出来てくるので、日中に移動・観光、夜にはホテル滞在スタイルの旅行計画が立てやすくなります。
②ママの身体が回復している
産褥期は出産後6~8週間のことを指します。
生後3ヶ月になる頃には妊娠前の状態に戻っているため、旅行にいけるくらい体調が整っています。
ただし、出産の影響は産後1年続くとも言われています。
個人差が大きいので、くれぐれも無理のないようにしてください。
③離乳食開始前
離乳食が始まると、旅先での離乳食をどうするか、という問題に直面します。
離乳食が始まる前であれば授乳だけ。
母乳育児であれば、離乳食はもちろん哺乳瓶などの持ち物も不要なので、生後3~5ヶ月ぐらいの時期は旅行に行きやすいのです。
生後3ヶ月の赤ちゃん連れで旅行を楽しむ9つの準備
筆者撮影:赤ちゃん連れ登山@筑波山
赤ちゃんと旅行に行くときにしておくべき9つの準備ポイントを解説します。
①ホテル選び
②移動手段
③授乳場所
④夫婦での会話
⑤移動中のぐずり対策
⑥抱っこ紐・ベビーカー
⑦旅先での小児科
⑧予防接種のスケジュール
⑨余裕のある旅行計画
準備①ホテル選びは「赤ちゃんファースト」で選ぶ
筆者撮影:ウェルカムベビーの宿に認定されている千葉県のHotel&Resorts MINAMIBOSO
ホテル選びは「赤ちゃん連れ」にやさしい宿を選びましょう。
ミキハウスの子育て総研の「ウェルカムベビーの宿」では赤ちゃん連れに最適な全国の宿を紹介されていますよ。
ぜひ参考にしてみてください。
認定されている以外にも「ベビー連れ歓迎の宿」とうたっているホテルや宿泊施設もあります。
・おむつ用のゴミ箱
・ベビーベットの貸し出し
・赤ちゃん用のバスグッズ
・哺乳瓶消毒セット
・バウンサー
など、レンタルができるかチェックしておきましょう。
筆者は0歳連れでウェルカムベビーの宿に認定されているホテルに何度か宿泊したことがありますが、どこも快適でしたよ。
認定宿泊施設以外でおすすめなのは星野リゾートです。
ホテルによりますが、ベビーグッズの貸出があります。
親もゆっくり過ごせるのでリフレッシュにおすすめ。
おすすめの星野リゾート↓
準備②移動手段・時間を調べる
移動手段は赤ちゃんへの負担が少ないものを選びましょう。
例えば飛行機を利用するなら、空港まではタクシーを使うなど人混みとの接触を避けることで負担が減ります。
そのうえで時間のかからない方法を選びます。
移動時間が長引けば長引くほど、負担は大きくなるからです。
自家用車での移動は比較的融通が利きやすいので、小さなお子さんがいるうちは車で移動できる目的地がおすすめです。
準備③授乳場所をチェックしておく
筆者撮影:のぞみの多目的室
赤ちゃん連れの旅行で欠かせないのが「授乳」。
授乳間隔に合わせて、授乳場所にたどり着けるようチェックしておくことで、赤ちゃんがお腹を空かせてしまっても冷静に対処できるのでトラブルが減ります。
飛行機であれば空港内のどのあたりにあるのか調べておく、車であれば、高速のサービスエリアをあらかじめ調べておきましょう。
なお、新幹線(のぞみ)は11号車付近がおすすめです。
全てではありませんが多くののぞみ車両には11号車付近に「多目的室」と誰でもトイレがあるからです。
準備④夫婦で旅行の会話で盛り上がる
旅行に限らず、家庭を営むのに欠かせないのは夫婦間のコミュニケーション。
産後2~3年は急激に夫婦仲が悪くなりやすい「産後クライシス」の時期です。
産後クライシスの原因のひとつとして「夫婦の会話不足・意思疎通ができていない」というのがあります。
旅行という夫婦が楽しめる話題で会話をすることで、夫婦ともに旅行という共通の目的を楽しみに過ごすことができます。
そしてコミュニケーション不全に陥ることを阻止し、産後クライシス防止にもつながるでしょう。
準備⑤移動中のぐずり対策をしておく
生後3ヶ月の赤ちゃんはまだまだ泣きぐずることも多い時期。
公共交通機関でのぐずりはいつも以上に気を遣ってしまいますよね。
あらかじめぐずり対策をしておくことで、スムーズに移動することができます。
・黄昏泣きの時間には移動しない(人込みを避ける)
・あやすおもちゃを常備しておく
・こまめにオムツは取り換える
・普段の授乳間隔を把握し、ぐずる前に授乳するようにする
準備⑥抱っこ紐・ベビーカーを購入する
旅行に行くなら、抱っこ紐やベビーカーは必須です。
赤ちゃんを手で抱っこした状態の移動は、ママの両手がふさがってしまい不便。
また、抱っこする腕も疲れてしまいます。
ベビーカーは旅行先によってはかさばる荷物のため、不便になることもあります。
旅先に応じて臨機応変に選びましょう。
準備⑦事前に旅先の小児科を調べておく
子連れ旅行で欠かせないのが「旅先の小児科」を事前に調べておくことです。
もしもの時、すぐにかかることのできる病院を知っているのと知らないのでは安心感が違います。
不安な状態では楽しむのは難しいので、出来るだけ不安を払しょくしておくことが楽しむ秘訣です。
準備⑧予防接種のスケジュールを確認する
生後2ヶ月から赤ちゃんの予防接種が始まります。
予防接種による副反応や影響がなど経過を観察するためにも、予防接種直後からのお出かけは控えましょう。
準備⑨余裕のあるスケジュールをたてる
0歳を連れて旅行に行きたいママの多くは、出産前から旅行好きな女性。
しかし妊娠前と同じようなスケジュールで詰め込んでしまうのはNG。
子連れでの移動は思った以上に時間がかかるからです。
筆者が生後3ヶ月の子どもを飛行機に乗せる時、空港には出発の2時間半前に到着していました。 何故なら、授乳やオムツ替え、そして離陸時に合わせて授乳(哺乳瓶)させるためです。
※離着陸時は気圧の変化で耳がつまりやすいので、授乳をすることで耳抜きをさせるため。
子供がいない頃は、国内線であれば、荷物を預ける時は空港に1時間前で余裕でした。
赤ちゃん連れでは大人の都合に合わせたスケジューリングは赤ちゃんの負担となりぐずるもとになります。
赤ちゃんの授乳や昼寝のスケジュールに合わせることで心にゆとりを持つことができるので、赤ちゃん連れ旅行も楽しむことができます。
筆者の子どもたちは0歳の頃から何度も飛行機や新幹線に乗っていますが、飛行機内や新幹線内で泣いたことはありませんよ。
慌ててしまうと、楽しめるものも楽しむ余裕がなくなりますね。
赤ちゃん連れ旅行は余裕のあるスケジュールを組みましょう。
旅育ママの赤ちゃん連れ旅行の話Q&A
筆者撮影:生後3ヶ月のわが子。パパと飛行機に乗れてご満悦
筆者は新幹線の距離に実家、飛行機の距離に義実家があります。
そのため、帰省が旅行の移動距離。
わが子は小さなうちから公共交通機関に乗りなれています。
◆ひとり目
生後1ヶ月で新幹線。
生後3ヶ月で飛行機。
生後10ヵ月で海外旅行。
◆ふたり目
生後3ヶ月で新幹線。
生後6ヶ月で飛行機。
生後9ヶ月で海外旅行。
と0歳の頃には新幹線も飛行機も海外も経験しています。
Q1.大きなトラブルやハプニングはなかったの?
A1.ありました。
ひとり目が生後10ヶ月の時、バリ旅行に行った時のことです。
現地の空港到着まではスムーズだったのですが、入国審査が予想以上の混雑で1時間半ほどかかってしまいました。
その後、ホテルのお迎えドライバーさんに合流し、専用車でホテルに直行。
通常なら10分~20分ほどでつくのですが、帰宅ラッシュの時間に遭遇し、道は大渋滞。
1時間ほどたってもまだホテルにつかず、専用車の中で娘が泣き出しました。
それもそのはず。最後の授乳は飛行機が下降するタイミング。
お腹のすいた娘は車内で泣き出してしまったのです。
あらかじめ、しっかり時間を予測していたのですが、入国審査と帰宅ラッシュの時間のトラブルは想定できずでした。
後にも先にも移動中に子どもを泣かせてしまったのはこの1回ですね。
Q2.生後3ヶ月での移動に赤ちゃんへの影響はないの?
A2.我が子と周り調べでは特にないです。
0歳から長距離移動をしているわが子は特に問題なく成長しています。
国際結婚をした友人たち数人も帰省や帰国のためではありますが、生後3ヶ月のわが子を連れて10数時間のフライトをしていましたよ。
Q3.生後3ヶ月頃のおすすめの旅行を教えて
A3.お食い初めプランがある宿泊施設がおすすめ
生後3ヶ月頃と言えば、100日祝い、お食い初めもある時期です。
おうちでお祝いするのもいいですが、準備が大変ですよね。
我が家はふたりともホテルのお食い初めプランでお祝いしました。
ホテルがお食い初め全を用意してくれますし、親も美味しいものが食べることができます。
産後3ヶ月までよく乗り切ったね、のご褒美旅行としても最適ですよ。
目的もお食い初めなので、近場であれば移動の負担も少なく、余裕のあるスケジュールを組むことができるのもポイントです。
赤ちゃん連れの旅行は生後3ヶ月から!無理のない範囲で楽しもう
筆者撮影:西表島のホテルのプールにて。
首がすわる生後3ヶ月ごろは旅行デビューにベストな時期。
産褥期の気分が揺らぎやすいタイミングに目標として旅行計画を立てるのも日々育児や家事のモチベーションUPに繋がりますよ。
とはいえ、体調が悪いときに旅行へ行っても楽しむことができません。
まずはママの身体の回復・健康が大事です。
現代の育児は「孤育て」と言われるほど、家庭の中で母子が孤立しがちです。
新型コロナウィルスの流行によってその傾向も加速しました。
家の中でこもっていると気分も滅入りがちになります。
コロナ禍に調査した結果では86.3%のママたちが旅行に行きたいと考えていました。
それくらい、ステイホームは気分が滅入りやすいともいえるのです。
産後の体調が整ったら、ママのこころの健康のためにもぜひ旅行で気分転換してみてください。
頑張り屋さんでまじめなママほど、積極的休養をとることに後ろめたさを感じる人もいます。
積極的休養の選択肢として旅行を取り入れると、ママのリフレッシュになり、ママの笑顔につながります。
ママの笑顔は、子どもの「嬉しい・楽しい」にも繋がっていきます。
小さなうちからぜひ旅行を楽しんでください!
子どもが大きくなってきたら、「こんなことしたい」「○○にいきたい」など前向きな子どもに育ち、一緒に旅行計画が楽しめますよ。
著者:イワモトマイコ(旅育プランナー)
教育学部卒のキャンプ大好きママ。
20代の頃にバイクで日本一周・バックパッカーで欧州周遊に出かけるほどの旅行好き。
「旅は最高の学び場」をモットーとし、子育てに「旅育」を取り入れ実践している。
著者の子連れ旅行歴【一部抜粋】
★第1子
生後8ヶ月/筑波山登山
生後10ヶ月/バリ旅行
生後1歳3ヶ月/高尾山登山
生後1歳5ヶ月/北海道旅行(母子3人)
生後1歳11ヶ月・妊娠中/新潟旅行
★第2子
生後3ヶ月/千葉旅行(お食い初め)
生後6ヶ月/大分旅行
生後8ヶ月/沖縄(石垣島・西表島)旅行
生後9ヶ月/台湾旅行
1歳1ヶ月/福岡旅行(母子3人)
1歳4ヶ月/蔵王旅行(樹氷)
1歳8ヶ月/東京~愛知~京都ドライブ旅行(母子3人)