「子どもが突然高熱を出して震え始めたとき、これはただの震えなのか、それとも危険なけいれんなのか、一般のママはどう判断すればいいの?」

看護師として病院で働いていたユウハルさんも、自分の子どもが同じ状態になった時、一瞬パニックになったといいます。医療の知識があっても、我が子となると冷静な判断が難しいことがあるのです。そんな経験から生まれた「医療情報をわかりやすく伝えたい」という思いが、今、多くの親たちの支えになっています。

医療のプロなのに…子どもの発熱で感じた不安

7歳と1歳の2児の母であるユウハルさん。母親も看護師だったことから、「看護師になるものだと思って育った」と話すほど、幼い頃から医療の世界に親しんできました。これまで耳鼻科、呼吸器内科、消化器内科など様々な診療科で経験を積んできましたが、子どもの医療に関わる機会は少なかったといいます。

「子どもの病気って、大人とは違う部分があるんです。プロの看護師である私でさえ、自分の子どもが7、8ヶ月の時に高熱を出してシバリング(震え)を起こした時、これがただの発熱に伴う震えなのか、けいれんなのか、判断に迷ってしまいました」

こんな経験から、一般の親たちはもっと不安を感じているだろうと気づいたユウハルさん。2人目の育休中、インスタグラムでの医療情報発信を始めることにしました。


看護師だからこそ伝えられる「受診のタイミング」

ユウハルさんが特に伝えたいのは、子どもの受診のタイミングについてです。

「子どもは自分から症状を正確に伝えられません。親が判断せざるを得ないため、責任を感じますよね。でも、『こんなことで病院に来て良かったのかな』と不安に思う必要はないんです」

看護師の立場から、ユウハルさんは明確にアドバイスします。

「子どものことに関しては、心配なら受診するべきです。子どもの些細な変化に気づけるのは毎日そばで見守るママだからできることです。迷っている時間を長く取るよりも、小児科の先生に診てもらうことで、ママ自身も安心できると思います。私の発信を通して『子どもが大事に至らない受診の判断』ができるママが増えたら嬉しいです。」

とても心強い、勇気をもらえる言葉ですね。


「嘔吐恐怖症です」多くの親が悩む、意外な問題

ユウハルさんの発信の中で、特に多くの反響があったのが「嘔吐物の処理方法」についての投稿でした。

「特に布団など洗えないものに吐いてしまった時の処理方法について関心が高かったです。また、母親自身が『嘔吐恐怖症なんです』というDMもたくさんいただきました」

嘔吐恐怖症とは、自分が吐くことや人が吐いているところを見ることを極度に恐れる症状です。子どもが吐いた時に対応できるか不安を抱える親が多く、事前に準備や対処法を知りたいという声が寄せられています。

「保健所や保育園からも処理方法のプリントはもらえますが、動きがないとイメージしにくいですよね。どこをポイントにして処理すればいいのか、実際の家庭環境でどう応用するのか、そういう情報を求めている方が多いんです」


「完璧」を求めすぎない育児の大切さ

ユウハルさんは、1人目と2人目の育児の違いについても率直に語ります。

「1人目の時は『あるべき姿』にとらわれがちでした。でも2人目になると、気持ちに余裕が生まれます。特に食事については柔軟になりました」

離乳食については、ベビーフードも積極的に活用していたといいます。

「自宅で作る離乳食だと使う食材が限られがちですが、ベビーフードにはスーパーであまり買わない食材も入っていて、多様な食材を食べるのに役立ちました。レバーや珍しい魚など、普段の食卓には登場しない食材も取り入れられるのがいいですね」

医療と育児をつなぐ架け橋として

現在は育休中ですが、5月からは臨床現場に復帰しながら情報発信も続ける予定だというユウハルさん。

「『ユウハルさんの投稿を見たから落ち着いて対応できました』『熱の時に慌てずに考えて対応できました』というDMをいただくと、続ける原動力になります」

看護師の知り合いがいない一般の方々にとって、気軽に相談できる相手の存在は貴重です。ユウハルさんは臨床での経験を大切にしながら、医療の専門知識を持つ立場から、親たちの不安に寄り添い続けています。

「元気に、大きな事故なく育ってくれたらいい」。2人目の育児を通して得たこの思いは、多くの親の共感を呼びそうですね。



ユウハル夫婦さん(@yuu.haru_kurashi)

子どもの病気への対応方法や、日常の育児の中で役立つ医療情報が発信されています。特に「嘔吐物の処理方法」や「シバリングとけいれんの見分け方」など、実用的な内容が好評です。