「うちの子、まだ寝返りしないんです」「離乳食を投げちゃって...これって普通ですか?」

0歳の赤ちゃんを育てるママなら、一度は感じたことがある不安かもしれません。そんな時、「大丈夫、みんな通る道ですよ」と優しく寄り添ってくれる存在がいたら、どれほど心強いでしょうか。

今回は、現役保育士として働きながら「赤ちゃん専門保育士」として発信活動を続ける、めぐみ先生(megumi.sensei0123)にお話を伺いました。


小学6年生の時の「お世話好き」が原点

めぐみ先生が保育士を目指したきっかけは、小学6年生の時の「兄弟学級」でした。6年生が1年生のお世話をするこの取り組みで、ペアになった男の子が運命を変えました。

「その子は同級生の弟だったんですが、お兄ちゃんには全然近づかないのに、私にはすごく懐いてくれて。『抱っこ抱っこ』って甘えてきて、もう本当にかわいくて」

その温かな記憶が、中学・高校での職場体験、大学での4年間の保育士課程へと繋がっていきました。


理想の保育を求めて

新卒で入った保育園は理想とは程遠い環境でした。怒る・叱る指導がメインで、新人への当たりも強く、苦しい1年を過ごしました。一度は保育の世界を離れたものの、「やっぱり自分の好きな保育を諦めたくない」という想いが勝り、現在の保育園に転職しました。

子どもも一人の人だよね、という考え方を大事にしているんです。抱っこする時も『抱っこしていい?』って聞くし、子どもを一人の人として扱うことを大切にしている。それが私には合っているなって思っています」


スーパーでの出会いが、発信のきっかけに

発信活動を始めるきっかけとなったのは、ある日の退勤後の出来事でした。

スーパーで買い物中に聞こえてきたものすごい泣き声。外に出ると、自転車の前後に子どもを乗せ、さらにもう1人自分で自転車を乗れる程度の大きさのお子さんを連れて、たくさんの買い物袋を持ったママが、真ん中の子の癇癪に困り果てていました。

「大丈夫ですか?何かお手伝いできることありますか?」

自然に声をかけ、一緒に子どもが落ち着くまで寄り添っためぐみ先生。その時のママの涙ながらの「ありがとう」が、今でも心に残っているそうです。

保育園の外にも、助けを求めている親子がたくさんいるんだなって実感したんです。それが発信活動のきっかけになりました」


正解を押し付けない、寄り添う姿勢

SNSには「○○はNG」という情報があふれていますが、めぐみ先生のスタンスは違います。

ママが愛情を持ってやることに、正解も不正解もないんです。私は正解を押し付けるのではなく、『こういうやり方もあるよ』という選択肢の一つとして伝えるようにしています」

例えば、熱性痙攣に関する投稿で「そんなことで救急車を呼ぶな」というコメントもありましたが、めぐみ先生は信念を曲げません。

「我が子が震えて白目になっている状態を落ち着いて見られるママの方が少ないと思うんです。パニックになるよりは早めに救急車を呼ぶのも一つの選択肢だよって伝えています」


「練習」ではなく「経験」を大切にする発達サポート

めぐみ先生が大切にしているのは、子どもの発達に「練習は必要ない」という考え方です。

「よく『お座りの練習』という言葉を聞きますが、私は練習よりも経験ができるようにしたいと思っています。練習だとお座りができることがゴールになってしまう。でも子どもは、いろんな体の使い方を試していく。だから上から引っ張るのではなく、子どもが座ろうとしている姿を下からサポートするイメージなんです」

この考え方は、ベビーマッサージにも活かされています。赤ちゃんは触れてもらうことで皮膚感覚から自分の体を認識していくため、ベビーマッサージは重要な発達サポートなのです。


子どもはその子らしく、ママもあなたらしく

最後に、0歳の赤ちゃんを育てるママたちへ温かいメッセージをいただきました。

悩んでいる時点で、あなたは素晴らしいママです。それだけで子どものことを考えているし、自分の役割をちゃんと認識して頑張っている証拠。子どもはその子らしく、ママもあなたらしくいられるように、私は精一杯お手伝いしていきたいと思っています」



「子どもが棚に登ってしまう時も、なんで登るんだろうねって考えるんです。大人だって、推しのチケットがあったら誰にも禁止されていなければ登りますよね」と笑顔で語るめぐみ先生。子どもの行動の理由を理解しようとする温かい視点からも、その人柄が伝わってきます。

もし今、赤ちゃんの発達や子育てに不安を感じているなら、「大丈夫、ちゃんと育っていますよ」と優しく背中を押してくれるめぐみ先生の発信を、ぜひチェックしてみてください。


●教えてくれた専門家 めぐみ先生megumi.sensei0123

保育園で勤務している現役保育士。過去の支援センターで勤めた経験から保育園入園前の0歳児ママたちの悩みの多さを実感し、赤ちゃん専門保育士として発信活動を開始。ベビーマッサージ講師の資格も取得。「正解を押し付けない」をモットーに、Instagramでは赤ちゃんの発達に関する実践的な情報を発信し、0歳児を育てるママたちに寄り添うサポートを続けている。