
「早く早く!」と言いながら、無表情で支度を急かしている自分に気づいたことはありませんか?
5歳と1歳の男の子を育てる転勤族ママ・りんママさん(rinmama_wamama)も、そんな朝を経験している1人です。Instagramで約1年半にわたって育児ハックや便利グッズを発信し、多くのママたちから「これ知らなかった!」「生活が楽になった!」という声を集める人気アカウントを運営する彼女でも、朝の準備は今も苦手なのだそう。
転勤族×コロナ禍で味わった育児の孤独

りんママさんの育児は、決して順風満帆ではありませんでした。
2020年、長男出産と同時に転勤が決まり、慣れ親しんだ土地を離れることに。さらにコロナ禍という状況も重なって、「育児が始まると同時に、住む場所も一気に変わってしまった」状況に置かれました。
「周りに助けてくれる人がいない環境だったので、物に頼ったり、裏技に頼るというような形で乗り切るしかなかったんです」
転勤族の妻として、環境が変わるたびにママが孤立しやすい現実を身をもって体験。長男育児は本当にしんどい時期だったと振り返ります。
一番足りなかったのは「ママの笑顔」
そんな長男育児を振り返った時、りんママさんは気づきました。
「私の一番最初の長男の育児のとき、一番足りていなかったものはなんだろう?と考えてみるとやっぱり笑顔だなと思っていて」
この気づきが、現在大切にしている「ママの余裕で子どもの笑顔を増やす」という理念の原点となったのです。今でも朝の準備で「早く早く」と急かしてしまい、後ろの座席から長男に「ママ怒ってる」と言われることがあるからこそ、この理念の重要性を実感しています。
「ママの笑顔が子どもの一番の栄養だと思うんです。ママがニコニコして送り出している日は、子どもも自信を持ってすぐに園に行けるんです」
「三種の神器」で家事育児のバランスを取る
孤立しがちな環境で育児をする中で、りんママさんが最初に感動したのは家電の力でした。
「私は『大容量冷蔵庫』『食洗機』『ドラム式乾燥機』を三種の神器と呼んでいるんです。この三つを揃えたことで、本当に家事と育児のバランスを取りやすくなる土台ができました」
転勤族で一人で全ての家事をこなさなければならない状況。文明の利器を最大限活用することが解決策でした。
夫婦のディスカッションが生む「目利き力」
りんママさんの育児グッズ選びの特徴は、夫婦でとことん話し合うこと。
「夫がすごく厳しい目を持っていて、『これはここがこういうふうに壊れそうだからやめよう』と的確に指摘してくれるんです。2人でディスカッションして物を買うのがルールになっています」
Instagramで見つけた商品のリンクをLINEで夫に送って「これどう思う?」と相談することも。「それよりももっといいものないかな」という観点で検索を重ね、究極のいいものを見つけようとする姿勢が、フォロワーからの厚い信頼に繋がっています。
パパの育休で得た「究極の協力体制」
りんママさん家の育児で特筆すべきは、夫の育休取得です。次男出産時に3ヶ月の育休を取得した夫との分担体制は、まさに理想的でした。
実は、現在5歳の長男出産時と、現在1歳の次男出産時では、育休に対する社会の雰囲気が大きく変わったのだそう。
「長男のときは育休を取る人はレアケースでしたが、今は本当に誰でも取っていいよっていう空気になっています」
育休の過ごし方について、「昼間は私が赤ちゃんを担当して、夫は長男の世話と家事全般。夜は1時ごろに交代して、朝まで夫に担当してもらいました。寝れたことが、楽しく2人目育児に入れた1番の理由です」と教えてくださりました。
批判も受け入れる、真摯な発信スタンス

人気が出れば出るほど、様々な意見が寄せられるのがSNSの世界。りんママさんも、ノース・フェイスのスリングバッグを紹介した投稿で大きくバズった際、賛否両論のコメントを受けました。
「『腰が痛くなった』『値段が高い』という意見もいただきました。でも、いろんな人がいて、いろんな生活スタイルの人がいるので、万人受けするものってないと思うんです」
批判的なコメントに対しても「確かにそういう意見もあるよね」と真摯に受け入れる姿勢が印象的です。
「自分がいいと思ったもの以外は発信したくない。心から推せないものは推さないって決めています」
本当に困っている人に届けたい
現在、Webデザイナーとして働きながらInstagramでの発信も続けるりんママさん。
「一番は、本当に困っている人に届けたいんです。『これやったらめちゃくちゃ生活楽になるよね』『ちょっとストレス減るよね』って思ってもらえればいいなと思っています」
あなたはあなたの育児スタイルを見つけよう

転勤族として孤立しがちな環境で育児をスタートしたりんママさん。長男育児の振り返りから「ママの笑顔」の大切さに気づき、便利グッズの活用や夫婦での協力体制を築いてきました。
そんな彼女が伝えたいのは、「完璧な育児なんてない」ということ。今も朝の準備で苦労する彼女だからこそ、同じ悩みを抱えるママたちに寄り添えるのです。
困ったら先輩に助けてもらうでもいいし、グッズに助けてもらうでもいい。自分なりの工夫とちょっとした余裕があれば、きっと子育てはもっと楽しくなるはず。
あなたも、自分らしい育児スタイルを見つけてみませんか?
●教えてくれたママ りんママさん(rinmama_wamama)
Webデザイナー・育児インフルエンサー。2020年生まれの長男、2023年生まれの次男のママ。転勤族の妻として様々な土地で子育てを経験。2023年9月より「ママの余裕で子どもの笑顔を増やす」をコンセプトにInstagramで育児ハックや便利グッズを発信し、多くのママたちから支持を集める。将来的にはグッズ販売への参画や、ママたちが働きやすい環境づくりへの貢献を目標に活動を広げている。