妊娠・出産きっかけで知る方も多い「医療費控除」。私も妊娠した時に初めてこの制度を知りました。


きちんと手続きをすすめると、病院を受診したときの領収書を破棄せず残しておけば、節税につなげられます。


今回はこの医療費控除の手続き方法を説明していきます。


この記事の目次

●「医療費控除申請」とは?

●医療費控除の対象ってどこまで?

●実際にどのくらい控除される?医療費控除額の計算方法

●要チェック!医療費控除の手続き方法

●医療費控除申請を実際にやってみた!ママの体験談 

●申請のために、領収書は毎月コツコツ整理しよう


「医療費控除申請」とは?


医療費控除申請とは、医療費の一部を税金から控除することができる節税対策の一つ。


対象期間は1月1日〜12月31日の1年間で、ご自身だけではなく家族が支払った医療費の合計金額が10万円以上の場合に手続きをすることができ、上限は200万円まで。


大きな病気を患った時はもちろん、出産費用も高額となるため当てはまる場合が多いです。

 

ただし、手続きには領収書が必要になるため、破棄せず保管しておくようにしましょう。手続きの方法については、のちほどご説明します。


【2019年最新】セルフメディケーション制度とは?


2019年より医療費控除制度において、セルフメディケーション制度という特例ができました。


これを使うと、実際に病気にかかったときの医療費だけではなく、予防として行ったものも控除対象にすることができます


きちんと内容を理解して、手続きを忘れないようにしていきましょう。


※出典:セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について

・控除対象期間

 平成29年1月1日〜平成33年12月31日


・控除される金額の範囲

12,000円〜88,000円


・控除対象となるものの例

医療用から転用された医薬品が該当。

例えば風邪薬や胃腸薬、肩こりや腰痛などの貼付薬(しっぷ)などです。


病気にかかってしまった費用だけでなく、予防医療に対しても控除対象となるとは、ありがたいですね!大きな病気にかかる前に、ぜひ活用しておきたい制度の一つです。


詳しくは厚労省のサイトをご覧くださいね!


医療費控除の対象ってどこまで?


医療費控除の対象となるものの例をいくつかピックアップしてみました。

 

・病院代


・薬代


・入院にかかる費用


・妊娠中の定期検診


・出産費用


・病院までの交通費

※詳細は国税庁のページをご確認下さい。


なんと病院受診にかかったときの交通費も手続きの対象となるのです!


陣痛でタクシーを利用した妊婦さんも対象!

『陣痛で歩けないためタクシーを利用した』なんていう方は必見。


電車などの公共交通機関の領収書だけではなく、タクシーの領収書もしっかり保管しましょう。


場合によっては病院受診のための交通費において、領収書が不要の場合もありますので、事前に確認しておきましょうね。


医療費控除の対象とならないもの


医療費控除申請にあたり、申請対象とならないものもあります。

以下の項目は医療費控除の対象外です。


・診断書作成費用


・予防接種費用


・病院までのマイカーのガソリン代


・美容整形


・入院の病室やベッドのグレードアップ など 

参考情報:https://allabout.co.jp/gm/gc/22245/2/ 


せっかく手続きしたのに、対象外のものを含んでしまって控除金額が少なくなります。


そうならないためにも、申請対象かどうか事前のチェックをぬかりなく行いましょう。


実際にどのくらい控除される?医療費控除額の計算方法


ここでは、医療費控除額の計算方法をご紹介します。どのくらい控除金額があるのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


【計算方法】


(1)控除対象となる領収書の合計金額を算出する。

 

(2)(1)から助成金や保険金などで支払われた補填金額を差し引く。

 

<補填金の例>

・高額療養費

・出産育児一時金

・損害賠償金

・生命保険や傷害保険の保険金 など

 

(3)10万円、または総所得が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額を差し引いた金額が医療費控除額となる。


ここで注意すべきは、(2)の「補填金額を差し引く」という点。


医療費控除対象となるのは、補助金や保険金で賄った金額を除いたものです。


確定申告時には自動的にこの金額が引かれて控除額が決定しますが、事前に控除額を知りたい方は計算ミスのないようにしましょう!


我が家も上記の方法で、万単位の還付金がありましたよ!計算方法は簡単ですので、気になる方にはおすすめです。

 

要チェック!医療費控除の手続き方法

続いて、医療費控除の手続き方法をご紹介します。

間違った申請をしないためにも、以下の内容はきちんと理解しておきましょう!


申請期間


その年によって異なりますが、基本的には翌年の2月中旬〜3月中旬の確定申告の期間に申請します。


年末調整の段階では申請しないため注意が必要です。

 

必要な書類(会社勤務の場合)


・医療費の領収書


・交通費の領収書(なくても手続き可能)


・源泉徴収票


・確定申告A様式


・医療費の明細書


・マイナンバー 本人確認書類(写)添付台紙 


・マイナンバーのコピー

 

申請方法

 

「医療費の明細書」という申請書類に領収書の金額を記載し、医療費控除額をご自身で計算します。

 

<書類の受け取り方法>

・税務署にご自身で取りに行くか取り寄せ

・国税庁のサイトからダウンロード(推奨)

 

<医療費の明細書上で必要な情報>

・医療を受けた人

・続柄

・病院名

・病院の住所

・医療費の内訳

・補填金額(ある場合)

 

基本的に医療費の明細書に全ての明細を記載できないケースがほとんど。


そのためExcelに領収書の情報を打ち込んで印刷し、その用紙を医療費の明細書にホッチキスでとめて提出します。

 

医療集計フォーム ダウンロードはこちらから!


出典元:https://allabout.co.jp/gm/gc/462536/ 

 

2.確定申告A様式を作成

源泉徴収票と医療費の明細書を元に、必要な情報を確定申告A様式に記入していきます。


医療費控除の記入場所は「所得から差し引かれる金額」の項目内にあります。

 

確定申告A様式 ダウンロードはこちらから

 

3.マイナンバー 本人確認書類(写)添付台紙 

平成28年よりマイナンバーの書類の申請が必要となりました。


ご自身のマイナンバーをコピーをして台紙に貼り付ければ完成なのでとっても簡単です。

 

本人確認書類(写)添付台紙 ダウンロードはこちらから

 

4.封筒にまとめてポストに投函

最近はインターネット上でも申請することができます。しかし少し複雑なので、郵送での申請が安心ですよ。

 

医療費控除申請を実際にやってみた!ママの体験談 


ここでは、実際に医療費控除の手続きにトライしたママの声を紹介します。


年度代わりに申請書を作成して税務署に行ってと面倒な手続きと感じるかもしれませんがもらえるものをもらわないほど勿体ない事はありません。


妊娠・出産になると補助金の制度は誰もが知っていて病院からも知らせてくれる事がほとんどですが、医療費控除については自分で行わないと誰も教えてくれません。


まして土日祝の休日に入院・退院するだけでプラス料金がかかる病院が多いですし、帝王切開になると入院日も長くなりますし補助金制度があったとしても意外と費用がかさむもの


申請なんて面倒くさい、どうせ戻ってくるお金なんてスズメの涙ほど、などと馬鹿にしてはいけません。


積極的に自分のためになるものですから国の制度をもれなく利用してみてはいかがでしょうか。


出産にかかる費用は、出産育児一時金だけで賄うことは基本的にはできません。


高額の医療費をかけたからこそ、この医療費控除の手続きを行って、かかる税金を抑えて、結果的に自分たちの負担額を減らしていきたいですね。

 

申請のために、領収書は毎月コツコツ整理しよう


一度にまとめて医療費を計算するのは意外と大変。毎月保管しながら計算しておくと、確定申告の際の確認がスムーズです。


医療費控除は妊娠がきっかけで知る人も多いですが、それ以外にも大きな病気をした時にも活用できます。


この医療費控除をきちんと理解して、払うべく税金だけきちんと納税し、自分たちの負担額を最小限にできるように、手続きを進めていきましょう。


(Photo by Photo AC)