
「毎日がカオスだけど、ちょっとの工夫で楽しくなる」
そう笑顔で話すのは、北海道在住のゆいさん(w_twins_yui)。2020年に男女の双子、2023年に女女の双子を出産し、現在4人の子育てに奮闘中です。
「正直、毎日がとんでもないカオスなんです」と言いながらも、どこか余裕を感じさせるゆいさん。一体どうやって、この大変な双子育児を乗り越えているのでしょうか。
双子育児の最大の敵は「波のズレ」だった

「双子育児で一番大変なのは、波がバラバラに来ることなんです」
ゆいさんが語る「波」とは、子どもたちの機嫌や生活リズムのこと。
「1人が泣き止んで寝たと思ったら、もう1人が泣き出して。1人がお腹いっぱいになった頃に、もう1人がお腹を空かせる。これが続くと、本当に1秒も休む暇がなくなってしまうんです」
この問題を解決するために、ゆいさんが編み出したのが「同時育児」という方法でした。
「同時におっぱいをあげれば、大体機嫌が良くなるのも同時。次に機嫌が悪くなる理由も同じになるから、それも同時に解決してあげればいい。そうすると、ちゃんと隙間時間ができるんです」
同時授乳、同時離乳食、同時お風呂。一見大変そうに思えますが、実はこれが双子育児を楽にする最大のコツだったのです。
元幼稚園教諭の技が光る「おうち幼稚園」運営術

ゆいさんには、双子育児を支える強力な武器がありました。それは、20歳から積み重ねてきた幼稚園教諭としての経験です。
「発達がバラバラな子どもたちを、みんな楽しく同じ方向を向かせる。これって、まさに家での育児と同じなんです」
ゆいさんの家では、外出前に必ず「大事な話」タイムがあります。
「みんなを座らせて、『はい、大事な話を聞いてください』って言うんです。約束事を伝えて、みんなが分かったか確認する。守れるなら出かけられるし、守れないんだったらママは1人だから手が回らないので連れて行けない、って伝えています」
まるで小さな幼稚園のような光景ですが、これが4人の子どもを1人で動かす秘訣だったのです。
完璧を諦めたら見えてきた「自分らしい育児」

双子育児を続ける中で、ゆいさんが気づいた大切なことがあります。
「私は自分が幸せありきの子育てだと思っているんです。自分が幸せじゃなきゃ子供を幸せにできない、それがベースにあります」
この考えから生まれたのが、ゆいさん流の「手抜き育児術」でした。
例えば、4人の昼寝タイム。一般的には「子どもは昼寝をするもの」と思われがちですが、ゆいさんは思い切って昼寝を廃止しました。
「昼寝を4人させるのがめちゃくちゃ大変で。みんな寝つく時間がバラバラで寝かしつけに時間がかかって、起きる時間もバラバラで誰かが絶対機嫌悪くて...もう本当にカオスだったんです」
そこで上の子は昼寝をさせず、下の子も車での移動中に少し寝る程度に。その結果、みんな18時半には就寝し、ゆいさんの自由時間が大幅に増えました。
「疲れたら家事を後回しにしてめっちゃ寝る。自分がSOSのサインを体から出していると思ったら、めっちゃ甘やかすようにしています」
愛情は「みんな一番だよ」で伝える

4人の子どもを育てる中で、ゆいさんが最も大切にしていることがあります。
「基本は比べないこと。『お兄ちゃんなんだから』『お姉ちゃんだから』みたいなのは絶対言わないようにしています」
上の娘さんからは時々「1番可愛いのは誰?」と聞かれることもあるそうです。
「やっぱり1番が欲しいんだなと思うけど、1番に名前は呼んであげるけど、補足で『みんなも大事なんだよ』って伝えています」
完璧でなくても大丈夫!

最後に、双子妊娠中や育児中のママたちへ、ゆいさんからのメッセージです。
「育児は無理しなきゃできないし、人のためじゃなきゃできない。でも、その中でもどうバランスを取って自分を大事にするかがすっごく大事だと思います」
「自分が今SOSのサインを体から出してるって思ったら、めっちゃ甘やかしてください。自分が笑顔でいられないと家族を守れないって思っているので、みんなも自分も大事にしてほしいです」
ゆいさんの双子育児術は、特別な道具や高額なサービスを使うものではありません。ちょっとした工夫と、「完璧でなくても大丈夫」という心の持ち方が、毎日を劇的に変えてくれるのです。
現在、ゆいさんはInstagramやYouTubeで育児の工夫やリアルな日常を発信中。「ママが楽になる、嬉しい気持ちになるような情報を届けていきたい」と話しています。
双子育児に悩むママたちにとって、ゆいさんの経験は「私にもできるかも」と思わせてくれる希望の光になることでしょう。
●教えてくれたママ ゆいさん(w_twins_yui)
2020年に男女の双子、2023年に女女の双子を出産し、現在4人の双子を育てるママ。元幼稚園教諭の経験を活かし、「同時育児」や「おうち幼稚園」運営術で双子育児を乗り切っている。InstagramやYouTubeで「【カオスな毎日】ちょっとの工夫で楽しくなる!」をコンセプトに、双子育児のリアルな日常と工夫を発信中。「ママが楽になる、嬉しい気持ちになる情報を届けたい」という思いで活動している。