お寿司は人気の料理。特別な日はもちろん、普段から家族で回転寿司で楽しむ家族も多いですよね。
お刺身もお寿司も「生魚」。
小さなお子さんがいると「子どもに生魚を食べさせるのは不安」「何歳から食べさせても大丈夫?」と悩んでしまいますよね。
実際に生魚がOKになるのは「2歳から」が目安となります。
しかし、アンケートでは「3歳~4歳」から刺身や生魚をあたえたママが37.9%と4割近くいらっしゃいました。
何故目安よりも遅い時期からスタートするママが多いのか…それはママの子どもの健康を思う気持ちがあるから。
本日は、生魚が2歳からOKな理由を専門的な観点でご紹介。
そのうえでアンケート調査でわかった現役ママたちの声を分析してみました。
さらに食中毒の注意点についてなど生魚を与える時のチェックすべきポイントを管理栄養士で2児のママである筆者が詳しく解説いたします。
この記事の目次
- 刺身など生魚はいつから?2歳から可能だが注意が必要
- 生魚を子どもに食べさせることに不安を感じるママは7割以上
- 【ママの声】初めてのお寿司やお刺身!年齢は3~4歳が最多!
- 初めて食べたお寿司のネタは「イクラ」が多い
- 生もので一番怖いのは「食中毒」
- 多くのママが生魚をスタートしても避けている魚は「サバ」
- はじめてのお刺身!ママ達が注意した3つのポイント
- 「生魚はこれから・・」というママに伝えたい先輩ママからのメッセージ
- 子どもにお寿司や刺身などの生魚を食べさせる時は十分に気を配ろう
- 全員プレゼント!お食事用「バーバパパのエプロン」
刺身など生魚はいつから?2歳から可能だが注意が必要
お寿司・刺身などの生魚を子どもに与えられるのは2歳ごろからです。
まず離乳食が完了していることが大前提。
そして「2歳から」というのは、胃腸の消化機能が整う時期だからです。
歯のことを考えると3歳
歯がはえそろうまでは、生の魚介類は噛み切りにくい食べ物。
奥歯がしっかり生えるのは「3歳ごろ」ですので、胃腸の準備はできていても咀嚼面から3歳から与える判断も必要です。
種類やサイズに要注意
またアレルギーが出やすい種類の魚や、噛み切りにくいイカやタコなどは3歳以降も注意しながら与えます。
大人と同じ抵抗力は12歳過ぎ
大人と同じ抵抗力がつくのは「12歳過ぎから」と言われています。
参考:「12~18カ月頃Q&A:Q刺身などの生ものはいつから食べられますか?」(pal*systemの子育て123)
生ものは食中毒のリスクがあり、小さな子どもは重症化しやすくなります。
これらを踏まえると、生魚など生ものは子どもの発達状況を観察しながら
・子どもの体調がよいとき
・新鮮なもの
・少量、小さなサイズ
で食べさせてあげたいですね。
生魚を子どもに食べさせることに不安を感じるママは7割以上
乳幼児の子どもを持つママは「何歳から食べていいの?」と迷っています。
ママびよりの行った調査では「生魚を子どもに食べさせることが不安・不安だった」と回答したママが73.6%と7割以上でした。
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
離乳食の時期は、とにかく食材を加熱することを徹底していたので、不安に感じるのも無理はありません。
【ママの声】初めてのお寿司やお刺身!年齢は3~4歳が最多!
実際にママたちが子どもにお寿司やお刺身を食べさせたのは、何歳からなのでしょうか?
初めてのお寿司やお刺身!子どもの年齢は3~4歳が最多!
◆最初に生魚にトライしたのは、いつくらいでしたか?
3歳~4歳:38.9%
1歳7ヶ月~2歳:27.0%
1歳~1歳6ヶ月:29.7%
5歳以上:5.4%
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
調査したアンケートによると、「3~4歳頃にお刺身を食べさせた」ママが一番多かったですが、1歳~2歳頃という回答が半数を超えました。
詳しくみていくと1歳~2歳は「一部のネタだけ食べています!」と回答する人が半数。
その一部は「いくら」「蒸しエビ」など子どもが食べられそう、量が調整しやすそうなネタを厳選しているママの工夫が感じ取ることができました。
また
「上の子の時は、周りのママに聞いたら食べさせてる人が多かったので、ママ友情報がきっかけ。 下の子は、上の子が食べてるのを見て食べたがったので!」
(食べさせた時期:上のお子さん:3歳ごろ・下のお子さん:1歳7ヶ月)
と子どもによって与える年齢が違うという声もありました。
私の場合も、上の子がお刺身やお寿司を食べ始めたのは3歳を過ぎてから。
でも、下の子の時は、上の子や周りの大人が食べているのを見て欲しがっていたこともあり、2歳を過ぎた頃には与えていました。
食べさせた後に特に問題はありませんでしたが、やはり生魚なので食べさせてしばらくは「大丈夫かな…」と体調が気になりましたね。
お寿司やお刺身を食べたきっかけは「子どもの興味関心」「イベント」
お刺身やお寿司を食べたきっかけは
・本人の意思
・お祝い事などイベント
・上の子や親戚の子が食べているのを見て興味がわいた
というのが多くみられました。
回転寿司で炙ったサーモンを食べていると、子どもが「食べてみたい!」と言ってきたので、多少加熱しているし、大丈夫かなと思って食べさせました。
(食べさせた時期:3歳)
おばあちゃんの誕生日会のとき、お寿司の盛り合わせの中にイクラの軍艦巻きがありました。それを見た子どもが、イクラを一粒つまみ食い!それ以降、イクラが大好きになりました。
(食べさせた時期:2歳6ヵ月)
お正月の親戚の集まりのとき、お刺身の盛り合わせが出たのですが、いとこのお兄ちゃんが食べているのを見て興味を持ったようです。
(食べさせた時期:3歳10ヵ月)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
「今日食べさせよう!」と突然思い立って与えるよりは、何かしらの行事があったり子どもが食べたがったりしていると、食べさせやすいのかもしれませんね。
初めて食べたお寿司のネタは「イクラ」が多い
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
初めて食べた寿司ネタを聞いたところ、なんと4割以上が「イクラ」という結果に。
イクラは歯がはえそろっていない時期でも噛み切りにくいという心配がありません。
量の調整もしやすいので、親側も最初に与えやすい寿司ネタのひとつです。
お祝いなどではイクラの軍艦巻きが並ぶことも多く、軍艦巻きはのりが巻いてあるので子どもが手づかみしやすいのも親しみやすいポイントです。
そして2位は王道のマグロ!
3位の蒸しエビは生ものではありませんが、加熱してあることを考えると「最初」に食べるネタとしては、納得ですね。
生もので一番怖いのは「食中毒」
お寿司のネタや刺身など生魚を食べるときに怖いのは、「食中毒」です。
子どもはまだ、成長途中なので大人よりも抵抗力がなく、大人なら軽症で済むものも重病化してしまうため、食中毒は大人より子どもの方が起こりやすいのです。
それでは生魚を食べることで、食中毒になる菌や寄生虫・主な症状をみてみましょう。
気を付けたい食中毒:「腸炎ビブリオ」
主な症状
• 食後4~96時間で、激しい下痢、腹痛などをおこします。下痢に血が混じることがあります。
• 夏に発生が多いです。
• 高齢者は、症状が重くなることがあるので、注意が必要です。
引用元:農林水産省
原因になりやすい食品
• 魚介類の刺身や寿司などが原因になりやすいです。
• 生の魚介類に使った包丁で切った漬物、生野菜、調理済みの食品なども原因になります。
引用元:農林水産省
気を付けたい食中毒:「アニサキス」
アニサキスは、加熱か冷凍をしないと死にません。
鮮度が高い刺身にも寄生していることがあります。
生魚や刺身で気を付ける点は、目検で親ができるだけチェックすることです。
アニサキスは白い糸のような寄生虫。
動いている糸のような生き物がいればアニサキスの可能性が高いです。
アニサキスはよく噛めば、口の中で殺せると言います。
しかし刺身は柔らかく、しかも噛むと美味しくなくなります。
また子どもの咀嚼はまだまだ上手ではなかったり、おいしいものほど飲み込んでしまうお子さんもいます。
そのため、食べる前の目検で確認してください。
主な症状
• 食後、数時間~10数時間で、みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐をおこします。
• 食後、10数時間~数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状をおこすこともあります。
引用元:農林水産省
原因になりやすい食品
サバ、サンマ、アジ、イワシ、ヒラメ、サケ、カツオ、イカ等の海産魚介類の刺身、冷凍処理をしていないシメサバ等これらの魚介類に、アニサキスの幼虫が寄生していることがあります。
引用元:農林水産省
これらの菌や寄生虫は、何歳からかかりやすい、ということではありません。
子どもはもちろん、大人も注意が必要です!
特に夏場は、生魚だけでなく他の食品でも食中毒が起こりやすい時期。
いつも以上に気をつけましょう。
ヒスタミン食中毒にご注意!
魚でアレルギー反応は出なかったはずなのに、生の赤身魚を食べたらじんましんが出た…なんてことがあります。
それは、アレルギーではなく、ヒスタミン食中毒かもしれません。
ヒスタミン食中毒になると、食後1時間以内に口の周りが赤くなったり、じんましんが出たり、頭痛や下痢・嘔吐などの症状が出るのです。
赤身魚にはヒスチジンというアミノ酸が含まれているのですが、菌が生産する酵素によってヒスタミンに変換されます。
このヒスタミンは冷凍の温度帯では増加しませんが、冷蔵では増加することも。
生の赤身魚を常温で放置するのはもちろん、長期間冷蔵保存することでヒスタミンが増加することもあるので、早めに食べるか、冷凍保存しましょう。
赤身魚の一例
- ・マグロ
- ・カジキ
- ・ブリ
- ・サバ
- ・アジ
など
多くのママが生魚をスタートしても避けている魚は「サバ」
刺身などで生魚デビューを果たした子どもにでも、「サバはあえて避けている」というのママの声がありました。
サバなどの青魚はなんとなく怖いので、避けています。
(30代前半のママ/お子さまの年齢 3~4歳)
生のサバは足が速く、大人でも躊躇することがあるので、子どもにはあげません。
(30代前半のママ/お子さまの年齢 生後7~9ヶ月、3歳〜4歳、4歳以上)
生のサバはもちろん、シメサバもアニサキスが怖いのであげたことがありません。
(30代前半のママ/お子さまの年齢 3~4歳)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
皆さん、食中毒を懸念されている様子。
初めて生魚を食べる時には、サバは避けた方が無難です。
貝類も食中毒や食感に要注意!
貝類も、生ものの場合は要注意!
特に「牡蠣」は、大人でもお腹を壊したり下痢になってしまったという話をよく聞きますよね。
牡蠣は、食中毒はもちろん、なかなか噛み切れない場合が多いので、年齢の低い子どもはNGです。
私が生牡蠣で当たったことがあるので、子どもには怖くて食べさせられません。
(20代後半のママ/お子さまの年齢 3~4歳)
我が家は2歳を過ぎた際に、牡蠣鍋でデビュ―しました!
しっかり中まで火が通っているので、食中毒の心配もなく食べさせられましたよ。
(30代後半のママ/お子さまの年齢 3~4歳、4歳以上)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
牡蠣は鉄分や栄養分も豊富な食材。
食べさせるのであれば、火をしっかり通したものからチャレンジするのがおすすめです。
はじめてのお刺身!ママ達が注意した3つのポイント
お寿司やお刺身といった生魚は食中毒があるから…というだけでなく、何歳からであっても初めての食材を子どもに食べさせるのは不安なもの。
そこで、生魚を食べるときのポイントをまとめてみました。
ポイント1.少しずつ食べさせる
まずは、一気にたくさんではなく、少しずつ与えるというご意見です。
一切れだけ食べさせてみて、様子をみました。
(30代後半のママ/お子様の年齢 4歳以上)
初めてのお刺身は一口だけ。何かあったら心配なので…
(20代後半のママ/お子様の年齢 3~4歳)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
アレルギーなどを考えると、少しずつ食べさせた方が安心です。
また胃腸の準備が整っているとはいえ、一気に大量のお刺身を摂取すると消化不良でお腹をこわすことにつながる可能性が。
子どもの様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。
ポイント2.鮮度が大事!
ネタが古くなっているのは避けましょう。
初めての刺身は新鮮なものを少量だけ食べさせました。
(30代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月、4歳以上)
大人は普通に食べますが、小さい子どもに食べさせるのであれば、スーパーのおつとめ品のお刺身はやめておきます。
また、できるだけ鮮魚店の新鮮なお魚をさばいてもらったり、色々気を付けています。
(20代後半のママ/お子さまの年齢 3~4歳)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
新鮮でないネタを食べると、大人でもお腹をこわす可能性があります。
また、先ほども説明したように、赤身魚はヒスタミン食中毒を起こす可能性もあるので、必ず新鮮なものを食べさせましょう。
生魚に限らず、子どもにはできるだけ新鮮なものを食べさせてあげたいですね。
ポイント3.食材を限定する
最後は、一度に色々な食材を食べさせないこと。
離乳食のアレルギーチェックのときもでしたが、色々な食材を試すと、何が原因か分かりづらくなってしまいます。
初めて食べるときは複数の食材にしませんでした。
(30代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月、3~4歳)
色々なお刺身を食べたがりましたが、初めてだったので1種類だけしか与えませんでした。
(30代前半のママ/お子様の年齢 4歳以上)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
万が一のときを考えて、アレルギーの原因を特定しやすくするためにも、初めて食べさせる食材は一度にひとつにしておくといいでしょう。
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(サンプルに、生魚は含まれるとは限らない旨ご了承ください。)
「生魚はこれから・・」というママに伝えたい先輩ママからのメッセージ
「まだお寿司や刺身などの生魚を子どもに与えていない」、「何歳から与えるかまだ決めていない」というママも少なくありません。
そんなママのために、先輩ママたちの体験談をピックアップしてみました。
姪が魚卵でアナフィラキシー発作。
日曜だったので病院が決まるまで一時間以上待たされてしまいました。
初めての食材はやっぱり平日に試すべきだなと感じたエピソードです。
(30代前半のママ/お子様の年齢 4歳以上)
お友だちの子どもがいくらを食べてアレルギーを起こしたみたいなので、魚卵アレルギーにも気をつけたほうがいいと思いました。
(30代前半のママ/お子様の年齢 3~4歳)
体調によって大丈夫なとき、そうじゃないときがあります。
まだ免疫力は強くないと聞いたので、体調が悪いときは食卓にお刺身を出しません。
(30代後半のママ/お子様の年齢 妊娠中、4歳以上)
参照:「お刺身はいつから?アンケート(実施期間:2017年9月26日~10月2日 有効回答数114名」(カラダノート)
あらかじめ検査をしていればどの食材にアレルギーがあるかわかりますが、食べてみて初めてアレルギーだとわかったという経験談もよく聞かれます。
アレルギーは何歳から出る、何歳から出ないということではありません。
初めて食べる食材の場合は、何歳からでも気をつけましょう。
特に魚介類の中には、エビやカニ、イクラなど、とてもおいしいけれど、子どもによってはアレルギー反応を起こしやすい食材もあります。
初めての食材を食べさせるときは、
・「必ずかかりつけの病院が開いている時間帯を選ぶ」
・「子どもの体調を観察する」
・「子どもの体調が悪いときは避ける」
といった点に注意してください。
子どもにお寿司や刺身などの生魚を食べさせる時は十分に気を配ろう
初めてお寿司や刺身などの生もの・生魚を与えるのは2歳ごろから可能です。
しかし、歯の生えそろいや、食中毒のリスクを考えると3~4歳から与え始める親が多いのも当然。
それは子どもの健康を考える親の気持ち、愛情なのです。
1~2歳の子どもはまだ自分の症状を言葉で伝えるのが難しい時期。
3~4歳であれば、自分の症状をある程度しっかりと言葉で伝えてくれるようになります。
こういった面も2歳ではなく3歳以上からの選択肢を選ぶきっかけになっていると考えられますね。
ただ同時に2歳で食べさせたい、と考えて工夫して与えるのも親の愛情です。
どの時期に始めるにせよ、はじめてのお刺身は
・子どもの体調がよいとき
・新鮮なもの
・少量、小さなサイズ
をできればかかりつけの小児科の診療時間内で食べさせてあげてみてください。
なお、ここでご紹介した年齢や注意点の一部は、あくまでもママたちの経験談です。
乳幼児期は個人差が大きい時期です。
上の子、下の子でも全く違います。
お寿司や刺身などの生魚を食べさせることに関して疑問がある場合は、かかりつけの小児科医や役所の子育て課、地域の保健センターなどで相談することをおすすめします。
美味しいお魚を一緒に食べられるように、お伝えした点に気を付けながら子どもとの食事を楽しんでくださいね。
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