子育てについて、子供の成長について、世の中には様々な説や意見があります。たくさんの情報や選択肢から何かを選ぶには、自分なりの子育て観を持つことが必要なのかもしれません。先輩ママ達はどんな考え方をしているのでしょうか?アンケートの結果をふまえ、ご紹介します。

この記事の目次


子供との時間・ママの時間 に対してどう考える?


子供が小さいうちは、なかなかママは自分の時間は持てませんね。先輩ママたちはどう考えていらっしゃるのでしょうか?WEBの匿名アンケートだからこそ、ママの子育て観の本音に迫ります。


子供のために、自分が我慢するのは仕方がないと思う【約4割】

母親になったら、子供を主体に考えることの方が増えるのではないでしょうか。


自分が最優先でなくなるのは仕方ない、という意見だけでなく、それが自然なことだ、そういう生活の変化も含めて幸せなことだと考えているママもたくさんいらっしゃいました。


【ママの声】

・子供は、あっという間に大きくなるものだと思っているので、今を大切にしようと思うから。自分は二の次です。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後7~9ヶ月)


・子どもといる時間は楽しいので、特に我慢していることもありません。(20代後半のママ/お子様の年齢 生後10~12ヶ月, 4歳以上)

・誰かに『この子を産みなさい!』って言われて産んだわけじゃないので親が見るのは当たり前の事。『仕方ない』なんて思いません!周りのママ友とかはお婆ちゃんに預けて夜友達と遊びに行くとかしてますけど私には理解できない(20代前半のママ/お子様の年齢 生後10~12ヶ月, 4歳以上)


・出産するまでは、好きなことをしてきたので今は子ども中心に時間を使いたい。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月)

仕方ない、というネガティヴな思いというよりも、子育ての幸せと満足感に満ち足りた回答がずらり。


どのコメントも頼もしく、あたたかく、なんだか子供側の気持ちでじーんとしてしまいました。


30代前半の私の場合、子供は男2人。


もし孫が出来ても姑ですから、1歳8ヶ月の次男が、赤ちゃんと触れ合う最後の子育てになるかもしれないと思っています。


ママ、ママと懐いてくれる今の時間が本当に貴重に感じられ、私自身の至福の時間です。


一方で、おそらく子供が大事なのは大前提として、こう考えるママ達もいらっしゃいます。


子育てばかりではなく、自分の時間・生き方も大切だと思う【約5割】

子供を軽んじてはいけないけれども、自分の時間も欲しいな、というのもママ達の正直な気持ちなのかもしれません。


子育てのストレスによるママと子供双方への悪影響を指摘する声も多く見られました。


【ママの声】

・自然と子ども中心の生活になっているので、あまりに注力しすぎると理想を持ち過ぎて子どもに負担を掛けてしまいそうだから。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)

  • 子どもが1番ではあるが、そこでストレスを溜めて万が一子どもに悪影響を与えてしまっては意味がない為、たまには息抜きも必要だと感じる。(20代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)
  • ・しんどくなった時に大好きな子どものせいにしたくないから(20代前半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)
  • ・子どもを育てるにあたって自分が様々な経験をしている方が役立つとおもう(20代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月)

子供のために自分の時間を犠牲にしている、とママが考えてしまうと、子供もそれを感じ取てプレッシャーになってしまうかもしれません。


一方では「自分の時間・生き方も大切だと思う」を選んだママの中にも、こんな意見がありました。


・捉え方次第だが、子育てに全力で取り組んでいる今の時間も私の大切な時間。赤ちゃんがいて出来ないことは後々出来るけど、赤ちゃんの時間は今だけだから今を一緒に楽しみたい。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月)

この方は子供優先の日々のなかにも、自分の楽しみや自分の生き方を見つけているようです。確かに「自分の時間」は捉え方次第。


子供と一緒でも楽しめる趣味やリフレッシュ方法を見つけて、ママも息抜きができるといいですね。私は好きな音楽をかけたり、最近ヨガマットを買ってみました(使う時間がないまま早2か月…)。


「なんともいえないなあ…」という回答も1割

ママが欲しい「自分の時間」の長さも人それぞれですし、あまりに親が自分を優先して子供を軽んじるのも問題です。


突き詰めていくと、程度問題なのかもしれませんね。


子供と一緒にいる時間についてどう考える?


子供は皆ママが大好き。仕事復帰を考えているママは、子供にとってそれが本当に幸せか、悩んでしまうかもしれません。世のママ達がどう考えているのか、アンケート結果を見てみましょう。


母親は幼稚園ぐらいまではいつも一緒にいた方がいいと思う【約2割】

一昔前は三歳神話、なる説が囁かれたことがありました(※1)。


発達心理学の研究では関連を否定する結果が多く、約20年以上前には厚生労働省も否定、日本赤ちゃん学会も否定的な立場を表明しています。


  • ※1 発達心理学の専門家の大日向氏によると、”3歳まで、すなわち幼少期は、生みの親である母親が育児に専念するべきであり、それが子供によって最善である。母親の就労などを理由に他者に預けることは、将来子供の発達に悪影響がある”という考え方。

参考:[日本赤ちゃん学会 シンポジウム] http://www.crn.or.jp/LABO/BABY/SCIENCE/OHINATA/


現在33歳の私が幼少時にはそんな議論も耳にしましたが、2017年現在は社会環境も変わり、「常に母親がみるべき」と考えるママは少ないようです。


とはいえ、子供にとって幼少期が非常に大事であることはゆるがなく、自分の手で育てたい、たくさん目をかけて愛情いっぱいに育てたい、とママが考えるのは、自然なことなのかもしれません。


【ママの声】

・すごく心配性なので誰かに預けたり、保育園に通わせたり出来ません。(20代前半のママ/お子様の年齢生後7~9ヶ月)

・小さい頃はお母さんの愛情をたくさんたくさんあげて育てたいから(20代後半のママ/お子様の年齢生後7~9ヶ月)

・三つ子の魂百まで(20代前半のママ/お子様の年齢 生後7~9ヶ月)

・保育士をしていて実際に子どもたちを見ていると親と長く接している子ほど落ち着いていた(20代後半のママ/お子様の年齢生後7~9ヶ月 )

・今しか1日中ずっと一緒に居られないから(20代後半のママ/お子様の年齢生後7~9ヶ月 )

子供のためにそうするべき、ではなく、「ママがそうしたい」と考えていらっしゃるコメントも多かったのが印象的でした。


子どもと一緒にいる時間が短くても、愛情を持って接していれば時間は関係ないと思う【約6割】

科学的な視点で言えば、多くの研究結果が、この考え方を支持しています。


ママ自身の育児観、人生観はデータの統計が決めるものではありませんが、働くママにとっては心強いですね。保育士さんの意見は、こちら側にもありました。


【ママの声】

・二人の時間や家族といる時間ももちろん大切だけど、同じ世代の子との交流はその子にとっても刺激になり成長に繋がるから(30代前半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)

・赤ちゃんへのママの気持ちは接している時間に関係なくちゃんと赤ちゃんに伝わっていると思います。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月, 4歳以上)

・自分の母がバリバリ働いて頑張って育ててくれたことを尊敬しているから、自分もそうなりたい(30代前半のママ/お子様の年齢 1歳〜1歳6ヶ月)


・保育士経験を通して感じたことが、長い時間保育園に預けられている子どもも他の子どもとなんら変わりなく素直で優しい子に育っているから(20代前半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)

また、こんな意見も


・特に父親からの愛情は、こうだと思う。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月)

私も思い当たるところがあります。


私の父は仕事が忙しく、3歳頃までは毎日夜遅い帰宅だったようですが、父は遊び上手で、土日にはいつも全力で遊んでくれました。


そんな父のことが私は大好きでした。深い愛情は、しっかり子供に伝わるのではないでしょうか。

なんとも言えない【約2割】

どちらとも言い切れない、というママも。子育ては単純なものではないので、必ずしもこう、という正解はないのかもしれません。

【ママの声】

・時間より質とは思うけど、子どもにとっての親との時間はかけがえのないものだとおもうし、人それぞれかなともおもう。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後7~9ヶ月)

・仕事復帰しなきゃいけないけど、ずっと一緒に居てあげたいしその方がいいんじゃないかって葛藤中...(20代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月)

・どちらもメリット・デメリットがあるから、比べてどっちが良いとか一般的なことは言えないと思うから(30代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月, 3歳〜4歳, 4歳以上)

・家族以外と接する機会は大切。でも、過ごす時間があまり短いのも子どもがかわいそう。できれば、程よく。仕事をしていると難しいのが悩み。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月, 4歳以上)

ママが家にいて一緒に過ごす時間が長くても、ずっとつきっきりで遊んであげるのは難しいもの。


ママがどのぐらい遊び相手になり、お散歩や公園などに連れて行ってあげるかも各家庭によりけりです。


子供と関わるのが得意なママ、長時間は苦手なママもいますし、母親はこうあるべき、と一様に断言するのはもう時代錯誤なのかもしれません。


いずれにしても、ママ以外の人にも愛情いっぱいに見守られて子育てできたら、ママもお子さんも心強いですね。


子供の将来についてどう関わっていく?


子供の将来や進むべき方向については、本人の考えを尊重した方が良いと考えるママが大多数でした。それぞれの子育て観を見てみましょう。


ある程度、親が判断した方がいい【約1割】

子供が幼く本人の判断材料が少ない時期は、親がアドバイスをした方がいいのでは、と考えるママ達のご意見です。


【ママの声】

・判断はしたほうがいいとは思う。決めつけるのではなくて、助言というか…。まあ最終的には本人が決めて行くべきとは思うけれど。(20代前半のママ/お子様の年齢 妊娠中, 1歳〜1歳6ヶ月)

・自分にやりたい仕事があるなら、極力尊重してあげたいけど、自分がそうだったから、親の意見もしっかり聞いてよく考えてもらいたい。私は、もっと親の意見を聞いていればと思っているので。(30代前半のママ/お子様の年齢生後2~3ヶ月)

えば習い事。何かに興味を示すのは良いことだけど、手を付けすぎたらひとつも満足に出来ないから、本当にやりたいこと、本人に合っているもの、可能なら将来の夢に繋がるものをすすめたい。(40代前半のママ/お子様の年齢 新生児(生後1ヶ月未満))

・知らないことや経験が少ないので、子どもの気持ちを尊重しつつ、自分のわかることは知らせたり、導くことが大切だと思う。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後4~6ヶ月, 4歳以上)

いずれも、子供の気持ちは尊重した上で、助言はしたいというコメントが多かったです。子供といっても年齢は幅広いですから、介入の度合いは悩むところかもしれませんね。


子どもの考えを尊重した方がいい【約8割】

8割と、かなり大きい割合を占めたのが、子供の意志を親はサポートするという考え方。詳しい理由を見ていきましょう。


【ママの声】

・コントロールなどしなくとも、親がきちんとしていればそれを見て子どもは育つと思う。いいこと悪いこと、進むべき道も自分で判断すると思う。(20代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月, 3歳〜4歳)


・決めた事はやらせて、その後の軌道修正や、失敗した時のフォロー、他の提案などを親がしたらいいと思う。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月)

・親の方向性ばかり押し付けては、いつか反発があるのではないかと思う。(30代後半のママ/お子様の年齢 生後2~3ヶ月, 4歳以上)


・子どもがどうしたいのか考えて目的に向かった生き方ができるようになってほしいから。(30代前半のママ/お子様の年齢 生後7~9ヶ月)

・やりたいことをある程度意思が持てるものがあるなら応援したい。その方が伸びるとおもうので(30代前半のママ/お子様の年齢 妊娠中, 3歳〜4歳, 4歳以上)

小さい頃は夢も可能性も無限大ですから、自分の意志で何かに打ち込めば、大きく成長できそうです。目標を自分で見つけて努力する、というプロセスも、社会で自立していくためにはとても大切なことですよね。


「理想の母親像」を伺った回答でも、いつも子供の気持ちに寄り添ってあげたい、子供の話をよく聞いて考えを尊重してあげたい、一番の味方でありたい、という意見が多かったです。ママ達の思いは一貫しているようです。


子育て観は違っても変わってもいい。時には柔軟に。

子育て中はたくさんの選択の連続。してあげたいことはたくさんあっても、選んだり、優先順位をつけなければいけない時には、ママの子育て観が指針になります。疲れた時に、昔「こんなママになりたいな」と思った気持ちを思い返すと、背中がしゃきっとすることも。


子供のことを思う気持ちは同じでも、子育て観は人それぞれ。ママとパパとで考え方が違う場合も当然あり、環境が変わればママ自身の考えも変わるかもしれません。多様な考え方に触れて考え直すこと自体が、自分の子育て観を育んでくれるのだと思います。


必ずしもこうだ、こうしなければならない、と考えるよりも、今のママにとって、今のお子さんにとって、これが最善かな、と思える選択をしていけるといいですね。時々パパや周りの人と話し合い、ママの気持ちを定期的に整理してみてはいかがでしょうか。


【調査概要】
期間: 2017年9月14日~9月19日
方法: カラダノ―トママ部調査
対象: 妊娠中・育児中のママ部ユーザー(N=256)


【画像】
photo AC