夏の暑さが一段落し、気候が穏やかになるので「運動の秋」と呼ばれる9月~10月。運動会が行われるシーズンでもありますね。でも、地球温暖化やヒートアイランド現象などで日本の気候は以前に比べ暑くなっています。


特に9月はまだまだ紫外線が多い時期。気温も30度近くまであがることもあるのであなどれません。運動会の熱中症対策、一体どんなことをすればいいのでしょうか?


この記事の目次

運動会シーズン。まだまだ日陰にいても熱中症に!


真夏日になると、ニュースでその言葉を聞かない日はないくらい知られている「熱中症」ですが、熱中症にどうしてかかってしまうか、正しく理解していますか?


熱中症で病院に運ばれる人がぐっと増えるのは7月。暑さの盛りは8月なのに?と不思議かもしれませんが、熱中症は暑い日差しの下に長時間いることが原因だけではないからです。


実は、熱中症で病院に運ばれた人の4分の1以上は、家の中で熱中症にかかり倒れたという統計があります。また、熱中症はそれほど高くない気温(25~30℃)でも、湿度などの条件が重なるとおこってしまうのです。

 

ちょうど9月は、25~30℃の基本の日が多いため、太陽の光を浴びている、浴びていない関係なく、熱中症対策は大切。


日陰にいる予定だから大丈夫、などと思わず、運動会をはじめとする行事に参加する時は、熱中症対策をしっかり行いましょう。 


運動会の秋。この時期の熱中症対策は?


夏季の熱中症対策と基本は同じです。しかし、秋だからこそ気を付けたいのは気温の寒暖差です。


秋は季節の変わり目なので朝、昼、夜と1日の気温の差が激しくなります。そのため、体温調節機能がうまく働かず、熱中症となってしまう危険度が高まるのです。


運動会は、朝から張り切って出かけていくことが多いですので、昼に気温がぐっと上昇するかもしれないことを考えて衣服を選ぶことが秋の熱中症対策となります。


熱中症対策として運動会に持っていくべきものは何?


お弁当に敷物、ビデオカメラなど、運動会には持っていきたいものがたくさんありますが、熱中症対策となる以下のアイテムは忘れずに荷物に入れましょう!


1.水、スポーツドリンク

こまめな水分補給は熱中症対策の基本です。


熱中症対策に水分は欠かせないことを分かっていても、運動会では自分が参加する種目や、子供が出る種目などの順番に気を取られて意外と水分補給が出来ていない場合があります。


また、トイレが近くなるのが嫌だから水分を控える…という気持ちは危険です!意識してこまめに水やスポーツドリンクで水分補給をしましょう。


2.フルーツ、お菓子

観戦の合間にぱっと口に入れることができるフルーツやお菓子は熱中症対策となります。


運動会ではお弁当箱を開かなくても食べられたり、観戦中にビデオを持ちながら片手でも食べられるバナナやドライフルーツ、小さなクッキーなどで塩分や糖分を補給しましょう。


また、熱中症対策に効果的な塩分とクエン酸を一度に補ってくれる梅干しもちょっと口にするにはもってこいです。つまめるように小さい容器に入れて持参してもいいですね。


運動会の競技の間に戻ってきた子供の口にもポイッと小さなお菓子やフルーツを入れてあげましょう。


3.クーラーボックスとアイスノン

アイスノンは首の後ろやわきの下に当てて体を冷やすことが出来るので、熱中症対策の必需品です。 


また、熱中症対策だけでなく、気温が上がった場合、食中毒を防ぐ効果もあるので、運動会のお弁当は、凍らせたアイスノンを入れたクーラーボックスで持参するのがおすすめです。


4.帽子

熱中症対策だけでなく、運動会には帽子は必須です。直接、日光が頭に当たることで体力が奪われてしまいますし、思いがけない日焼けを防いでくれます。


学校によっては運動会のために日陰の観覧席を用意するところもありますが、自分でできる熱中症対策はきちんと行いましょう。


熱中症対策、水ではだめ?


熱中症対策として水やスポーツドリンクを運動会に持っていきましょうと言いましたが、最近では、水よりもスポーツドリンクの方が熱中症対策に向いていると言われています。


本当でしょうか?…答えは、どちらでもOKです。


確かに、熱中症対策として優れた飲み物は塩分を含んだ飲料なので、スポーツドリンクの方が体への水分吸収率は高いです。


ただ、大事なことはこまめに水分補給することです。そのため、水だけを飲んでいても、こまめに補給してあげていれば十分な熱中症対策になります。


反対に、熱中症の症状が出ているようであれば水だけでは不十分です。スポーツドリンクや経口補水液を与えてあげましょう。


水以外を持って行くなら何が良い?

熱中症対策はこまめに飲んでいれば水でもOKですが、せっかくの運動会だし、水ばっかりっていうのも口さみしい場合は、熱中症対策にもなる飲み物を持っていきましょう。


具体的には、100mlあたりにナトリウムが40~80mg含まれたものが熱中症対策に良いとして推奨されていますが、すばり!水以外で運動会に持っていきたい熱中症対策飲料は以下の2つです!


1)アミノ酸とクエン酸が両方配合されているポカリスエット

2)体温を下げる効果がある麦茶にミネラルが配合されたミネラル麦茶


ただし、ポカリスエットは金属製の水筒に入れることは避けましょう。酸性なので、金属部にキズなどがあると金属イオンが溶けだして、風味が変わる心配があります。


参考までに、運動会にはちょっと向かない飲み物ですがトマトジュースや牛乳も熱中症対策としておすすめされています。


スポーツドリンクは甘いので飲みたくない、また、子供に飲ませたくないと思っている保護者の方もいらっしゃるかも知れません。


でも、すみやかな水分補給のためには糖分がふくまれている飲料がおすすめ。クーラーボックスに一本入れておくといいかも知れません。


熱中症対策は普段の生活から


熱中症対策は当日だけでなく、普段からの心がけがとても大切です。


日本一暑いと言われている埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市では、熱中症にかかる人の人数が他県・他市よりも断然少ないと言われます。これは、市民の普段からの、体調管理や、熱中症対策を念入りにおこなっている姿勢の賜物です。


熱中症対策となるのは、健康な体づくりです。早寝早起き、きちんと栄養バランスの取れた食事をとり、適度な運動を行うことを心がけましょう。


それに、運動会が近づくと子供たちはどうしてもソワソワしがち。毎日の食事や生活習慣で、体調をしっかりと管理してあげましょう。


特に運動会前日は十分な睡眠がとれるように配慮してあげることが熱中症対策となります。


具合が悪ければ勇気をもって運動会はお休み


朝起きてすぐ、子供が「運動会なのに具合悪い~」…と、運動会当日に子供が体調不良を訴えたら、昼までに快復しそうな症状でも体は熱中症になりやすい状態になっています。


少し具合が悪いけど行く、という時には、必ず運動会が始まる前に担任の先生に自分の体調を伝えるように子供と約束しましょう。


運動会では出られる種目だけに出させてもらうという方法もあります。熱中症対策はもちろんしっかりと!


どうしても具合が悪そうであれば、せっかくお弁当作ったのに!と感じるかもしれませんが、無理をさせないことが大切。


楽しみにしていた運動会だけど、お休みという選択をすることも時には必要です。


備えあれば憂いなし。楽しい運動会を!


最近では5月~6月に行われることも多い運動会ですが、気象現象を調べている日本生気象学会の調べによれば、全国の公立小学校のうち約半分が9月~10月の秋期に運動会を開催しているのだそうです。


春や初夏の運動会と比べて、秋の運動会は涼しい風が吹き始めていることもあり、熱中症対策はそんなに気を回さなくても大丈夫かな、と思いがちです。


また、まだまだ暑いと分かっていても、じりじりと焼けつくような太陽ではないので、運動会の方にむちゅうになってしまい熱中症対策はおろそかになっているかもしれません。


熱中症は夏以外でも起こり得ます。まだまだ暑さの残るこの秋は、熱中症対策をしっかり行って楽しい運動会を迎えたいですね。


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