「え、これを毎日続けるのはさすがにしんどい…」


管理栄養士のなほこさん(nahoko_amuamu)が、生後6ヶ月の娘さんの離乳食作りで感じた正直な気持ちでした。


病院勤務で休みが少なく、祝日や年末年始も関係なく働く毎日。育休は半年で終わり、ちょうど離乳食が始まる時期と職場復帰が重なってしまいました。従来の方法で進めていた離乳食は、すべて潰してすりつぶしてストックを作って、仕事に行って、土日の休みがある時にまた全部ストックを作って…の繰り返しでした。


「何かいい方法があるはずだ」


そんな思いから出会ったのが、BLW(Baby-Led Weaning) という方法でした。


すりつぶさなくていい?初めて知ったBLWの世界

BLWとは、赤ちゃんが自分で食べ物を手に取り、自分のペースで食事を進める離乳食の方法です。


なほこさんが最初にBLWを試した時の感想は驚きに満ちていました。


意外に子どもって自分で口に持っていくんだ


娘さんが自分で食べ物を口に運ぶ姿を見て、「これはもうどんどん進めたらいいかも」と確信したそうです。


食卓が変わった!家族みんなで温かいご飯を

BLWに切り替えてから、なほこさんの食事時間は大きく変わりました。


「夜な夜な自分でストックを作って、食べるか食べないか分からないもののために毎日やるよりも、食卓に一緒に並んで、自分は自分の温かいご飯を食べながら、子どもが自分で頑張って食べてる姿を見る方が断然楽しい


これまでの離乳食は、子どもだけが食べる「孤食」のような時間でした。でもBLWなら、家族みんなで食卓を囲み、一緒に食事を楽しむことができるのです。


栄養面でも理にかなっているBLW

管理栄養士としてのなほこさんの視点から見ても、BLWには多くのメリットがあります。


「1回に食べる量がめちゃくちゃ少ない初期に、水や出汁で伸ばしているようなカロリーの低い食材を与えるよりも、固形で柔らかくても食べられるようなものの方が栄養面的にもすごくいい


また、食事を通して共感や共有の空間を作ること、子どもが親の食べる姿を見て真似ることも大切な食育の一環だと考えています。


窒息のリスクは大丈夫?専門家が語る安全性

多くのママが心配する窒息のリスクについて、なほこさんはこう説明します。


「赤ちゃんって元々窒息しないように反応する能力があって、初期から練習することでその反応が育つんです。結果的に、BLWで始めた子の方が幼児になった時の窒息率が低いと言われています」


従来の方法では、最初は流し込む食べ方を覚えて、後から固形を食べる練習をします。でもBLWなら、初期から少しずつ練習を重ねることで、上手に食べられるようになるのです。


完璧を目指さない、ありのままの育児

Instagramでの発信でも、なほこさんは「どんなやり方でもいい」というスタンスを大切にしています。


「BLWにこだわらなくていい。ママさんとお子さんにとって一番合ってる方法であれば、どんな方法でもいい


キラキラした投稿ではなく、ありのままの育児の様子を発信することで、ママたちと同じ目線に立ち続けています。


汚れが大変なBLWでも、なほこさんは現実的な悩みを理解しながら、ママたちが楽しめる方法を一緒に考えてくれます。


頑張ろうではなくて楽しもう

最後に、なほこさんから離乳食期間中のママたちへの温かいメッセージです。


「もう多分十分頑張っているので、頑張ろうではなくて楽しもうって思ってくれたらいいな食卓も食べさせる場じゃなくて、一緒に食べる場にして欲しい


「検索に正解があるとは限らないから、まずはお子さんの様子を見て、どんな気持ちなのかな、今どういう風に思ってるのかなって観察して欲しい。育児全体を楽しんで欲しい



毎日の離乳食作りで疲れ切っているママ、従来の方法でうまくいかずに悩んでいるママ。そんなあなたにとって、BLWは新しい選択肢のひとつかもしれません。


何より大切なのは、ママも赤ちゃんも一緒に楽しめる食事の時間を作ること。なほこさんの経験と専門知識が、そのお手伝いをしてくれるはずです。



●教えてくれた専門家 なほこさん(nahoko_amuamu
管理栄養士、ベビーファースト離乳食コンサルタント、乳幼児支援の資格を持つ。病院勤務の管理栄養士として働く中で、自身の離乳食作りの大変さからBLW(Baby-Led Weaning)と出会う。2人の子どもをBLWで育てた実体験と専門知識を活かし、現在は離乳食に悩むママたちの継続サポートや手づかみ講座を開催。「どんなやり方でもいい」をモットーに、ありのままの育児の様子をInstagramで発信し、ママたちと同じ目線に立ったアドバイスで多くの支持を得ている。