子供にネイティブな英語を話せるようになってほしい。子供に海外のハイレベルな教育を受けさせたい。
そんな思いを持つ親の間で流行しているのが「海外教育移住」です。
メリットばかりが先行している海外教育移住のですが、実際にはデメリットもあるようですよ。ここでは海外教育移住の実態をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
子供の教育を海外で?海外教育移住とは
最近、子育て世帯の海外への移住が増えています。
その目的が就業等ではなく「子供の教育」であれば、それらは「海外教育移住」と呼ばれます。
「英語を話せる子供に育てたい。」
「日本の情勢を考えると日本で教育を受け就職することに未来はあるのか不安。」
海外教育移住を思い立つ理由は人それぞれです。
ただ、日本の教育現場でも「グローバル化」を唱えることが増え、実際に教育方針も変わってきています。その点から考えると、子供の教育を海外で受けさせたいと思うのは効率的であり、自然な流れなのかもしれませんね。
海外教育移住までの道のり
子供に海外の教育を受けさせたい!そう思ったところで、まず何からすればいいのか…悩むもの。
しかし実際に子供と海外に教育移住した人たちに話を聞くと、海外旅行の準備くらいで特に特別なことはしていないと言います。
そこで、海外教育移住経験者が移住を思い立ってから実際にやったことを参考に、海外教育移住までの道のりをまとめてみました。
海外教育移住の方法1.移住先を決める
まずは移住先を決めましょう。海外教育移住や海外赴任経験者、留学経験者がいれば一度話を聞くのが一番よいですが、周りにそういった人がいない場合は、留学エージェントに相談するのもおすすめです。
また、最近は海外教育移住について体験談をつづったブログもたくさんあります。どんな場所で教育を受けてみたいか、子供の意見や費用についても考慮しながらしっかりと考えましょう。
海外教育移住の方法2.学校に移住を伝える
移住先が決まったら移住する時期を決め、子供の学校に伝えましょう。義務教育中は、「退学」「休学」というシステムは存在しないので、単純に海外の学校へ「転校」する扱いになります。
そのため、電話連絡のみで済むことが多く、特別な手続等は必要ない学校がほとんどです。
海外教育移住の方法3.渡航の準備をする
渡航の準備として、飛行機のチケットを取ったり、ホテルの予約を取ります。
住居などは現地に行かなければ決められないので、ホテルは3日~1週間予約する人が多いようですよ。
洋服なども3日分程度用意しておけば、コインランドリーで洗濯しながら着まわせるので、たくさん持っていく必要はありません。移住するのですから、基本的な生活必需品は現地で調達しましょう。
海外教育移住の方法4.渡航
移住地に到着したらビザを取得し、新しい生活が始まります。
海外教育移住に成功した人の中には子供を通わせる学校なども渡航後に決めたという人も。
つまり大事なのは行動すること。海外に行きさえすれば、否が応でもそこからいろいろな新しいことが始まっていくようですよ。
海外教育移住のメリット
海外教育移住にはメリットがたくさんあります。その中でも、海外教育移住をしたほとんどの人が体感すると言われている、2つのメリットをご紹介します。
海外教育移住のメリット1.言語習得
子供に海外の教育を受けさせたいと思う方のほとんどが、言語の習得を目的にしているのではないでしょうか。
海外に行くと子供は外国語のコミュニケーションの中に飛び込まなければならない状況になります。
親として不安もあるかもしれませんが、安心してください。
子供は記憶力もコミュニケーション能力も大人より優れています。外国語を学ぼうとしなくても、数か月、早ければ数週間で美しい外国語で友達とコミュニケーションがとれるようになりますよ。
海外教育移住のメリット2.自分に自信が持てるようになる
日本人が持つ奥ゆかしさは長所でもあり、時に短所にもなります。その奥ゆかしさが原因となり、自分の意見を堂々と話すのが苦手という子供も多いのが現状。
しかし海外の国々は違います。子供たちが自信を持てるような教育を実践。子供たちはみんな堂々と人前で発言することができます。
一部では、日本人の能力は奥ゆかしすぎる性格のせいで100%発揮できていないのでは?という声もあるくらいです。
自分に自信を持てる環境で教育ができれば、子供たちは自分たちの能力を最大限発揮できる可能性が、日本にいるよりもうんと高まります。
海外教育移住のデメリット
一方、海外教育移住にはデメリットもあります。そのデメリットがネックとなり、子供との移住は断念し、留学に切り替えるという人もいます。
ただ、ここでご紹介するデメリットは、子供の年齢が低いときに移住する際に起こることがほとんど。日本での教育期間が長い場合は、さほど不安視する必要はないので前向きに移住を検討してくださいね。
海外教育移住のデメリット1.日本語が習得できない
最近は、子供が小学生のうちから海外教育移住ができるようになりました。
ただ、まだきちんと日本語が習得できていないため、難しい日本語の言い回しのニュアンスがわからないなどの問題が出てきています。
また、漢字が読めずに苦労したという人も。海外教育移住中も、子供が日本語に触れる機会を用意してあげたいですね。
海外教育移住のデメリット2.日本人とうまく付き合えなくなる
海外の教育を受け、自信満々になった子供は日本人と上手に付き合えないこともあります。言い換えれば、「出る杭は打たれる」状態ですよね。
そうならないためには、海外に移住している間も、日本人の考え方や日本人のよさを親がしっかり教えてあげる必要があります。また、トラブルに巻き込まれた際に上手にかわす方法なども一緒に考えられるといいですね。
海外教育移住の注意点
海外教育移住は大人の海外移住とは異なり、子供が育つ環境を第一に考える必要があります。
教育機関のレベルなどはもちろん、治安についてしっかり下調べすることも大切。
また、万が一子供がその教育環境に拒絶反応を示した際、すぐに転校や引っ越しができるのかも調べて、対策しておくといいですね。
海外のインターナショナルスクールは日本のインターナショナルスクールと異なり、レベルの低いスクールや信頼度が低いスクールもあります。
せっかく子供の教育のために移住したのに、レベルの低い教育機関に入ってしまえば、何もかもが中途半端になりかねません。
もし心配事があるなら、日本人がすでに関わっている教育機関を選ぶのがおすすめですよ。そして、より多くの生の声を聞いておくことが、海外教育移住に失敗しないために有効な対策です。
海外教育移住で人気の地域
海外教育移住先はどこにしようか…と悩んだ際、定番の留学先であるカナダやオーストラリアを思い浮かべる人も多いですよね。また、ハワイなども人気があります。
しかし最近は東南アジア諸国やヨーロッパの人気が高いです。なぜ人気なのか、理由も含めてご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
海外教育移住で人気の地域1.東南アジア
海外教育移住先として最近一番人気なのがマレーシアとフィリピンです。
ビザの取得などの手続きが簡単で、滞在費用があまりかからないことも人気の理由の一つですが、子供の教育環境が恵まれていることが最大の理由となっているようです。
昨今の東南アジアの教育環境は、日本を上回っているとも言われています。そのことは、「マールボロ・カレッジ」のマレーシア分校が設立されたことでもわかります。
開校から約6年で、すでに50人以上の日本人がマールボロ・カレッジのマレーシア分校で教育を受けているそうですよ。何か困った際にも助け合える日本人コミュニティもあるので、安心して移住できる地域です。
海外教育移住で人気の地域2.ドイツ・オランダ
ヨーロッパ諸国の多くは、公立学校の学費が無料。
その上、公立学校のレベルを一定にする取り組みを実施しているので、どの学校を選んでも無料で良質な教育を子供に受けさせることができると大人気。
また、ドイツやオランダには受験もありません。
「好きなことを好きなように学べる」という、日本の教育にはあまりない「自由な学習スタイル」は、子供の能力を最大限に引き出すことができると好評です。
ドイツのデュッセルドルフにはヨーロッパ屈指の日本人街も。日本語に触れる機会があることで、海外教育移住のデメリットも解消できそうですよね。
海外教育移住は思い立ったが吉日
「いつか海外教育移住したいな」と思っている人は、ほとんど実現できずに終わるとも言われています。
本当に海外教育移住をしたいなら、「いつか」ではなく具体的な時期を決め、それに向けて準備し実践することがとにかく大事。
子供と海外に移住する人は年を追うごとに増えています。最近は母と子だけで海外教育移住をする人たちも多いと聞きます。
もちろん、海外教育移住を踏み出すのには勇気がいるもの。
ただ、以前より格段にハードルは下がっています。海外教育移住を思いついたら、子供のためにも具体的に話を進め、子供が望むならしっかりと実現してあげましょう。
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