子供がいろんなことに興味を持ち、自分から触ったり確かめたりすることは、とてもよいこと。
同時に、行動範囲や興味、できることが広がるにつれ、親にとっては見過ごせない場面も増えますよね。
私の娘は、2歳を目前に「いやいや期」真っ最中のようです。まだまだ言葉がおぼつかない彼女は毎日「いやーっち!いやーっち!」といやいやアピール。
気に入らないと仰け反り、大声で泣くことが増えました。(毎日ぐったり!)
私にとっても、今やホットな子供への教育としつけ。
子供への教育って?
しつけのポイントは?
この記事では、子供への教育としつけを一緒に考えていきましょう。
この記事の目次
- 【子供への教育としつけ】「叱る」と「怒る」は違う
- 【子供への教育としつけ】取り入れたい上手なしつけのポイント5
- 【子供への教育としつけ】気をつけたいしつけのNGポイント3
- 当たり前だけど、しつけって難しい
【子供への教育としつけ】「叱る」と「怒る」は違う
少し話はそれますが、私は入社3年目の時はじめて新人教育(OJT)の担当を任されることになりました。
「叱ると怒るは違いますよ」
これは新人教育係のための研修で、講師から最初に言われた言葉。今でもとても印象に残っています。
●怒る:
感情が先立って、相手に腹を立てること。
●叱る:
理由があって、その人を思って注意すること。
つい混同しがちですが、「怒る」と「叱る」は違いますよね。「叱る」には教育的な意味が含まれているんです。
そして「叱る」には感情の「怒り」は含まれません。
子供に対しても同じです。子供へのしつけの場面でも「怒る」のではなく「叱る」ことが大事なのではないでしょうか?
【子供への教育としつけ】取り入れたい上手なしつけのポイント5
では具体的に、どう叱ればよいのでしょうか?この項目では、子供への教育・しつけの場面を思い出しながら、取り入れたいポイントを紹介していきます。
【教育としつけのポイント】(1)子供の気持ちに寄り添う
子供のいたずらや、ママを困らせる行動も、子供にとっては興味や理由があってやったことなんです。
「なんでこんなことしたのー!こんなことしたらまわりに迷惑でしょう!」と、大人の立場から言いがちなフレーズですが、ここはひと呼吸。
「そうか、○○したかったんだね。でも、今○○したら、ほかの人が困ってしまうんだよ」と、まずは子供の気持ちに寄り添って、その上でどうしてやってはいけないのかを伝えます。
慌ただしい毎日では、省いてしまいがちですが、子供の気持ちに寄り添って丁寧に伝えることがしつけの重要なポイント。
同じ内容だとしても、伝え方ひとつでグッとしつけの質が変わってきますよ。毎回はできなくても、意識して実践してみてはいかがでしょうか?
【教育としつけのポイント】(2)魔法のフレーズ「〜しようね」
子供に注意する際「〜〜して!」と言ってしまいませんか?
反対に、しつけにとって魔法のフレーズは「〜〜しようね」です。「〜して!」「〜しなさい」は、どうしても命令口調に聞こえてしまうもの。
大人だって、命令口調で言われたらあまりいい気分にはなりませんよね。それは子供にとっても同じこと。
教育やしつけのためだとしても、言い方のせいで素直に聞き入れてくれないこともあるのではないでしょうか?
「手を洗って!」じゃなくて、「手を洗おうね」
「ちゃんと食べて」じゃなくて、「最後まで食べようね」
しつけの際、命令口調が多くなっていないか、自分を振り返ってみましょう。
【教育としつけのポイント】(3)理由を伝える
特にまだ、会話が成り立たない小さな子供(1歳〜2歳過ぎごろ)の場合、「なぜそうするのか?」を伝えるプロセスを省いてしまうかもしれません。
どこかで「まだ、言葉がしっかりわかっていないから」という意識があって、しつけの際「○○しないで」や「○○して」といった言葉になりがちではないでしょうか?
「電車の中では、大きな声を出さないでね。まわりの人がうるさいと感じるよ。」
「手を洗ってから、ごはんを食べようね。手が汚いと、バイキンマンも一緒に食べちゃって、おなかがいたいいたいになっちゃうよ。」
こんな風に「なぜそうするのか」理由を伝えることが大事。その行動の理由に納得できれば、行動を改めやすいです。
子供が、その行動の理由を学ぶことは、大事な教育の時間なんです。それは、まだ会話がおぼつかない小さな子供でも同じですよね。
まだ言葉がうまく出なくても、大人の話を理解していることが多い子供たち。
ついつい省きがちですが、大事なしつけの時間と考えて、小さいうちから「なぜそうするのか?」を意識して伝えていきたいものです。
【教育としつけのポイント】(4)できたことを褒める
「できていないこと」に目がいきがちですが、子供を教育する上で「できたこと」を褒めることはとても大事。
「褒められた!」という成功体験は子供の自信になります。「次もやってみよう!」と自主性を育てるきっかけにもなりますよ。
子供への教育の中で、「褒める」があるから「叱る」も活きてくるはず。このメリハリを、しつけに取り入れていきたいですね。
【教育としつけのポイント】(5)根気強く繰り返す
何度注意したり叱っても、同じことを繰り返す子供たち。これは、そのお子さんに問題があるとは限りません。
「子供は何度でも同じことをする」---そういうものなんです。ママ・パパは自分やお子さんを責めないでくださいね。
だからこそ、しつけの際は何度だって、根気強く子供と向き合う。一度目は注意したのに、二度目は放っておいたら、せっかくの一度目の注意が台無しです。
「あれ、今日はやっても叱られないな」と子供が感じてしまっては、何が正しいことなのか、わからなくなってしまいます。
一度注意したからには、そのスタンスをブラさないことが大事なのではないでしょうか?
子供の腹に落ちて行動に表れる時まで、何度でも根気強くしつけを繰り返しましょう。
【子供への教育としつけ】気をつけたいしつけのNGポイント3
続いては、しつけの際のNGポイントを3点取り上げます。
【教育としつけのNGポイント】(1)「ダメ!」と頭ごなしに否定する
「ダメ!」と頭ごなしに否定されては、子供も驚いてしまいますよね。
否定され続けていると、自分に自信が持てなくなってしまったり、萎縮してしまうかもしれません。
先程しつけのポイントで「子供の気持ちに寄り添う」「理由を伝える」をお伝えしました。
子供の気持ちをまずは受け止めること、その上で「なぜダメなのか」をしっかり説明すること---このプロセスを意識して、しつけに活かしましょう。
【教育としつけのNGポイント】(2)曖昧な表現「いい子にしようね」「ちゃんとしようね」
私も小さいころ、小さいながらに「いい子って何?」と思っていたことがありました。
「”いい子”にしようね」「”ちゃんと”しようね」は、具体的にどういうことを指すのでしょうか?
正解はありません。「いい子」も「ちゃんと」も、その場その場で求められる姿が違うから。
「ちゃんとしててね」→「ここは病院だから、静かに待っていようね」
「いい子にしなさい」→「ごはんを食べる時は、座ろうね」
「具体的にどうするのか」を、しつけの場面で伝えたいですね。
【教育としつけのNGポイント】(3)親が手本を示せていない
しつけをするママ・パパは、子供の手本になれていますか?ドキッとした方もいるのでは?(少なくとも私はドキッとしました)
子供には「ごはんの時間はおもちゃで遊ぶのやめようね」と言っておきながら、親はスマホを見ながらごはんを食べていては、子どもの手本と言えないですよね。
親ができていないのに、子供には注意する---子供は親をよく見ていますよ。これでは説得力に欠け、子供へのしつけの効果も減ってしまいます。
「子供はマネをして学ぶから、親がよい手本とならなければならない」という考え方はシュタイナー教育でも示唆されています。「親は子供の手本」とは、しつけの原理原則です。
ママ・パパも、自分たちの何気ない普段の行動を見直してみませんか?
当たり前だけど、しつけって難しい
これは、この記事の執筆を通しての私の感想です。偉そうなことを書いておいて「できていないなあ」と反省することばかり!
子供を教育すること・子供をしつけること、どちらも親の技量を試されている気がしてなりません。
同じように、うしろめたい気持ちを感じたママ・パパのみなさん!大丈夫、ここにもできていないママがいます。一緒に少しずつ、親としてもステップアップしていきましょう。
(photo by:写真AC)