”生後2ヶ月の息子とお宮参りにて”


子どもには成長に合わせてたくさんの行事がありますが、

赤ちゃんが生まれてから初めて行う大きな行事が「お宮参り」です。


お宮参りは生後およそ30日後に行うのが伝統的。


しかし現代の「お宮参り」は慣例化されているので、

家族の都合や天候などに応じて生後6ヶ月までの目安に行います。


筆者は、第一子は生後3ヶ月、第二子は生後2ヶ月でお宮参りを行いました。


今回は伝統的な「お宮参り」の基本情報と、現代の慣例化されたお宮参りの在り方をご紹介。


さらに、お宮参りの服装や赤ちゃんの長時間お出かけに対する事前準備なども筆者の体験談を踏まえておとどけします。


この記事の目次



お宮参りはいつ?誰が?どこでするの?


お宮参りはいつ?誰が?どこで行うのでしょうか。

伝統的には以下のルールで行います。


①いつ?「生後30日前後」
②誰が?「父親」「父親側の祖父母」
③どこで?「氏神が祀られている神社」

①いつ?「生後30日前後」

お宮参りは生後およそ30日後に行います。

 

生まれた日を1日目と数え、伝統的には男の子は生後31日、女の子は生後33日に参拝します。


ただし、いつ行うかについては地域によって異なるケースも。

大まかですが男の子は30日、31日、32日、女の子は31日、32日、33日目に行う地域が多いでしょう。


②誰が?「父親」「父親側の祖父母」

伝統的には「父親」「父親側の祖父母」が参加します。

「母親」は?と思うかもしれませんが、地域によって異なるほか、昔は「母親」は不参加でした。


母親が参加しないのは、昔は出産後の忌中であると考えられていたからです。


出血を伴う出産は「穢れ」ととらえられていたので、産後の悪露が続く身体で参拝は控えましょう、ということです。

 

③どこで?「氏神が祀られている神社」

お宮参りは氏神様が祀られている神社で行います。


そもそも、赤ちゃんの誕生を神様に報告し、健やかな成長を願って祈祷を行うのがお宮参りです。


通常は赤ちゃんが生まれた場所や住んでいる地域の神社で、「氏神(うじかみ)」と呼ばれる神様をお祀りしている神社に出向きます。


氏神とは産土神、鎮守神とも呼ばれる、地域を守る神様のこと。


そのため、家の近くの神社にお参りをすることが多いです。


氏神と氏子の関係

”お宮参りは氏神様に氏子がうまれた報告をする。氏神様たちを束ねているのは天照大神”


何故、氏神様にご挨拶に行くのかというと、氏神様は自分の守る地域で生まれた子(氏子)をいつくしむため。


「こんな子どもがこの土地では生まれましたよ」とご挨拶にいくのが「お宮参り」なのです。

そのため、結婚式と同様の格式高い装いが必要とされています。


その氏神たちを守るのがかの有名な「天照大神(あまてらすおおみかみ)」です。


お宮参りの「伝統」が慣例化!現代はココが違う!3つのポイント

”筆者と筆者の娘。生後3ヶ月の時にお宮参りをしたので首がすわっている”

筆者と筆者の娘。生後3ヶ月の時にお宮参りをしたので首がすわっている。


しかし、現代ではお宮参りも慣例化されています。

そのため、必ず伝統にのっとって行うのではなく、柔軟に行事を祝う姿へと変化しています。


伝統から慣例化され、ルールが変化した3つのポイントは以下の通りです。


①家族の都合によって時期・日取りを選んでいい

②お宮参りの参列者も家族の都合でOK

③お参りする神社も氏神でなくてもいい

それぞれ、次項からみていきましょう。


①家族の都合によって時期・日取りを選んでいい


生後30日後というのはちょうど新生児期が終わったころ。


その時期はまだ体調が完全でないママもいます。

インフルエンザなど感染症の流行時期に当たることもあります。


現代では生後30日前後に固執するのではなく、ママと赤ちゃんの体調やそのほかの事情を加味してお宮参りの日取りを決めましょう。


一般的には生後6ヶ月までにするとされていますが、いつ行うかは個人の自由です。


筆者は東京に住み、里帰り出産のため京都へ。

主人の実家は福岡なのもあり、産後1ヶ月のタイミングで一同が集うのは難しく、生後3ヶ月の時に福岡でお宮参りをしました。

第2子のときは、上の子もいましたので、京都に集まっていただきお宮参りに。


暑い時期は「午前中」「時期をずらす」

夏は熱中症にならないように気を付けたい時期。


そのため、比較的涼しい午前中に行きましょう。


しかし、地域によっては朝から猛暑になることもあります。

生後1ヶ月を優先せず、暑い日になりそうな場合は延期も視野に。


寒い時期は「手早く」「天候によっては延期」

冬はインフルエンザがはやる時期。

人込みを避け、手早く済ませるように手配してあげましょう。


また、当日が大雪の場合は延期も考慮に入れましょう。

足元が滑るのでとても危険です。


豪雪地帯では安全面から冬生まれの子のお宮参りの時期をずらします。


他の行事と重なるのを避ける

いつお宮参りをするかの日取りがある程度動かせるなら、11月の七五三や1月の成人式などの行事が重なる週や、新年あけてすぐは避けておきましょう。


混雑する時期ですので、人混みになりやすく、待ち時間などが増え長時間になりやすいからです。


お食い初めと一緒にするのもあり

祖父母が遠方にいて頻繁に会いに来るのが難しい場合は、お食い初めの時期に合わせてお宮参りを一緒に行うこともあります。


実際に筆者は第1子はお食い初めと一緒に行いましたよ!


★ワンポイントアドバイス①

写真だけ先に撮影しておこう  

お宮参りの時期をずらしたとしても、写真館で1ヶ月目に写真だけ先に撮っておくことをおすすめします。

筆者も生後1ヶ月の時に写真館で写真撮影をしておきました。 おかげで産まれた時の独特なかわいらしさを思い出に残せることができましたよ。


★ワンポイントアドバイス②

お宮参りは仏滅でもOK

結婚式は六曜の仏滅に当たらないようにと気にする人が多いですが、お宮参りはいつ行っても大丈夫です。

都合の良い日が仏滅の日にあたっても支障はありません。

いつもより空いている可能性があるので、仏滅のお参りも逆に良いかもしれませんよ。

お宮参りの日が仏滅に当たるのを避けたい場合は、大安でなくても、友引、先勝の午前中、先負の午後などのお参りをおすすめします。

 

②お宮参りの参列者は家族の都合でOK


伝統的には「父親」「父親側の祖父母」が参加ですが、現代では「家族」の事情を優先させます。

 

現代では慣例的な行事なので家族の都合でOK

令和の現代では伝統・慣習を守るのではなく、慣例的な行事になっていますので、


家族で赤ちゃんの誕生をお祝いし、神様にご報告に行く会


という認識でOK。


筆者は「母親」「父親」「母親側の祖父母」「父親側の祖父母」の合計6人の大人でお宮参りに行きましたよ。※コロナ前


「いつお宮参りを行うか」と同じで、今は伝統にこだわらなくても大丈夫。


しかしパートナーの家族が、伝統を重んじるお家である可能性があります。

できれば妊娠中にお宮参りについてどうするか話し合っておきましょう。


赤ちゃんを抱っこするのは父親側の祖母


伝統的には、赤ちゃんはパパ側のおばあちゃんが抱っこします。


しかし、これも現代ではこだわらなくてもOK。


とはいえ、「私が抱っこするわ!」と張り切っていらっしゃる義母さんもいらっしゃるでしょう。


伝統ではなく、家族の都合を優先する時代だからこそ、それぞれの思いを事前に確認しておくことが肝心です。


筆者は義母の腰が悪いため、写真撮影の際のみ義母にお願いし、それ以外はずっと私が抱っこしていましたよ。


③お参りする神社も氏神でなくてもいい


現代では氏神さまから氏子として受け入れてもらう、というよりは慣例的なものになってきているため、すこし遠出にはなっても、崇敬している神社や思い入れのある神社へお宮参りする人もいます。


最近では安産のお礼参りもかねて、水天宮にお宮参りをする場合もあります。


筆者も住み慣れていない東京では行わず、それぞれの実家に近くてなじみのある神社にて行いました。

(その後、都内で引っ越しをしました。その際には双方の地域で氏神様が祀られている神社に引っ越しのご挨拶に行きましたよ)


お宮参り事前準備の6つのポイント


お宮参りは赤ちゃんにとって初めての遠出。

ママにとっても産後はじめての遠出という人も多いでしょう。

準備のポイントは以下の6つです。


①交通手段・所要時間

②授乳のタイミング・授乳室の有無

③オムツ替えのタイミング・おむつ台の有無

④着替え

⑤初穂料や写真撮影代などお金

⑥神社の予約

①交通手段・所要時間

お宮参りに行く神社までの交通手段や所要時間はあらかじめ調べておきましょう。


何故なら、生後1ヶ月~数ヶ月の赤ちゃんは授乳が2~3時間に1回の頻度です。

さらに、生まれてまだ1ヶ月~数ヶ月の赤ちゃんにとって長時間のお出かけは大変なもの。


出来るだけ短時間でできるように予定を組みましょう。


交通手段は感染症対策や、抱っこでの移動などを考えて、タクシーがおすすめ。


タクシーであれば、神社の駐車場がなくてもOK。

筆者はすべてタクシーで神社に行きましたよ。


②授乳のタイミング・授乳室の有無

上記の所要時間ともかかってきますが、授乳のタイミングを調整することも大切です。

家を出る前にしっかり授乳しておきましょう。


また、お宮参り先で授乳ができるかどうかもチェックしておくと安心です。


③オムツ替えのタイミング・おむつ台の有無

おむつ替えのタイミングも重要です。

神殿でのご祈祷時におもらし!なんてならないように、こまめにオムツをかえましょう。


境内の中におむつ台やオムツ交換ができる個室があるかどうか確認しておきます。


④着替え

筆者の息子。境内にある待合の個室にてお着替え。


赤ちゃんの着替えも準備しておきましょう。


母乳やミルクをはき戻しやすい時期ですので、洋服を汚すことも。

またオムツからおしっこがあふれる、おむつ替えの時におしっこが出てしまい服が濡れるなどといったハプニングもあります。


セレモニー衣装をずっと着せっぱなしも赤ちゃんにとって負担になるときもあります。

(夏場なら暑いなど)


汚れや赤ちゃんの負担を考え、着替えは準備しておきましょう。


⑤初穂料や写真撮影代などお金


祈祷やお祓いを受けたい場合は、約5000円から1万円が相場です。


大きな神社などは、既に決まった金額があり、その分だけ納めてくれと言われる場合もあります。


白封筒、または祝儀袋に入れて渡し、表には上段に「御初穂料」または「御玉串料」と書き、下段には赤ちゃんの姓名を記します。


同時に写真撮影をする場合はその料金も必要です。


簡易に済ませたい場合は通常のお参りとお賽銭だけでもOK。


⑥神社の予約

 基本的にはどの神社にいつ行ってもお宮参りを受け付けてくれます。


社務所と呼ばれる受け付けでお宮参りに来たことを伝え、申込書に記入するだけです。

社務所が開いているのは大体朝8時ごろから夕方3時~5時ごろまでが多いですので日中に向かいます。

 

神社や時期によっては予約が必要な場合もあります。

お宮参りをお願いしたい神社のウェブサイトや電話をして確認してみましょう。

 

地域の風習によっては、神社側が「いつお宮参りの祈祷を行うか」を提案していることもあります。

 

事前予約がベター

可能であれば事前予約がベターです。

何故なら、その日の参拝者が多い場合、待ち時間がかかり、赤ちゃんへの負担が大きくなるからです。


また、戌の日や七五三の時期は混み合っているなどの理由で時間切れとなる可能性も。


事前予約をし、時間には余裕をもって出かけましょう。


お宮参りの服装は「祝い着」「両家で格式を合わせる」

筆者のお宮参り。3者とも遠方なのでこまめな報告・連絡・相談を行ってからいざお宮参りへ。


お宮参りの時期に関係なく、男の子も女の子も、


・肌着

・白羽二重

・祝い着

の3つが正装です。


最近は白羽二重ではなく、ベビードレスやカバーロールの方も多いですよ。

筆者の子どももベビードレスでした。


祝い着(着物)の柄や色は男女で異なります。

お値段が張るものなのでレンタルをする人も多いですね。

(筆者もレンタルです!!)


購入した場合は、子ども用の着物に仕立て直しをしてお正月や七五三などで着用することが可能。


親や祖父母は両家で格を合わせる

親や祖父母は、着物でもスーツでも両家でバランスが取れていればOK。


混み合う時期や遠方に出かける場合などは、いつ授乳するか、おむつ替えがしやすい服装か、ということも考えておきましょう。


夏のお宮参りは涼しい服装

赤ちゃんは、神社に着くまでは風通しの良い涼しい洋服で。


ベビードレスなどは神社についてから着せてあげる方が良いですよ。


また、暑い時期は水分の補給と紫外線対策が必要です。

お宮参り用の帽子とよだれかけで、紫外線カットするものがありますので活用してみて。


パパは、暑くてもスーツのジャケット、ネクタイは必要。


少なくとも拝殿の中にいる間だけは正装で!

時期的にはリネンのスーツが涼しいですが、しわになりやすいので注意です。


冬のお宮参りは防寒第一

”筆者の息子。叔父の中綿入りの着物を着用。”

筆者の息子。叔父の中綿入りの着物を着用。


赤ちゃんはキルトや中綿のカバーオールなどあたたかい服を選びましょう。

その上から祝い着を羽織ります。


ママやパパも必ず上着を。


ただし拝殿の中にいる時は上着を脱ぐ必要があります。

ホッカイロなど防寒対策を忘れずに。


また、ヒールでは不安という方は冬場はブーツもおすすめ。

拝殿で脱ぎ履きしますので、着脱しやすいものを選びましょう。


筆者は2回とも12月にお宮参りに行きました。

ひとり目は分厚いタイツ風ストッキングにパンプスをはいていたのですが、あまりの寒さに足がつりそうでした。

2人目は写真撮影のときのみパンプスにして、それ以外はブーツですごしました。

子どもも祝い着の下はあたたかい格好に。

息子の時は筆者の実弟がお宮参りの時に着用した(!)中綿入りの着物を着せました。



現代のお宮参りはとってもフレキシブル!両家でよく話し合って素敵なお参りを



伝統的なお宮参りは


①「生後30日前後」に
②「父親」「父親側の祖父母」が
③「氏神が祀られている神社」で行う


氏神様に赤ちゃんの誕生を知らせ、子どもの成長を願うものでした。


今も子どもの成長を願う行事に変わりありませんが、


①生後6ヶ月までの目安に

②家族の都合に合わせて

③神社で(氏神にこだわらない)


と、フレキシブルなものに変化しています。


気候の変化や常識の変化によって、現代では伝統を守るよりも、安全第一であることが大切なのです。


夏季に行くのか、冬季に行くのかという時期や、ママの体調、ご両親の住まいなども考慮して、いつお宮参りをするかをお互いの両親とよく話し合いましょう。


ママと赤ちゃんの健康状態を見ながら柔軟に日取りを決め、家族全員で赤ちゃんの健やかな成長を願って祝えると良いですね。