産後1年間は赤ちゃんの健やかな成長をお祈りするための行事が目白押し。
ただ、多くの行事は地域によってルールやマナーが異なることもあり、できれば出産前にある程度の知識を得ておくと安心です。
産後は赤ちゃんとの生活で忙しくなりがちなので、無理せず可能な範囲で産後の行事を楽しみましょう。
この記事の目次
産後の行事にはたくさんの人を招くべき?
産後の行事はどれも赤ちゃんの誕生を祝うめでたいものばかりなので、以前は祖父母や親戚、近所の方など多くの人でお祝いしていました。
今でもそのような地域はありますが、最近は家族だけでお祝いすることも増えています。
産後のママの体は思っている以上に疲れています。
ほんの少しの無理がきっかけとなり、体調を崩してしまうこともあるので要注意。
たくさんの人を招いて行事を盛り上げることになった場合も、産後のママの負担を考えて、外食や通販などを利用してできるだけ負担を少なくするよう工夫するのもいいですね。
また、どうしてもつらいときはその旨を正直に伝え、お祝いの日時を変更するなど柔軟に対応できる心の余裕を持つことも大切です。
産後1年間の行事
日本では主に赤ちゃんの誕生にかかわる行事は産後半年に集中しています。
どれも伝統的なルールやマナーがあるため、パパママそれぞれの実家とよく話し合い準備を進めることが大切です。
行事1.お七夜
「お七夜(しちや)」とは、赤ちゃんが産まれた日を1日目と数え、7日目の夜の行う行事。産後のママにとっては赤ちゃんと行うはじめての行事になりますね。
行事の内容は同じですが、「お七夜」ではなく「命名式」と呼ぶ地域もあります。
お七夜の歴史平安時代から続いており、赤ちゃんを社会の一員として認めるという意味合いがあるとても大切な儀式と位置づけられています。
お七夜では、尾頭付きの鯛や赤飯などのお祝い膳を用意するのが一般的。
お七夜で用意した命名書はその後1ヶ月間飾っておく地域もありますが、
「出生届を出したらへその緒と一緒にしまう」
「お宮参りまで神棚に飾る」
など、地域によって命名書の扱い方は異なるようです。
最近はお七夜の行事の中で、赤ちゃんの手形や足形を取る家庭も増えてきています。
はじめての行事で気合いが入ってしまいますが、産後のママの体は不安定。家族の協力を得て産後の体をいたわりながら、無理のない範囲で行いましょう。
行事2.お宮参り
「お宮参り(おみやまいり)」は「初宮参り(はつみやまり)」「初宮詣(はつみやもうで)」も言われ、産後1ヶ月経ったことを産土神(うぶすながみ)に報告し感謝する行事。
男の子は生後31日~32日、女の子は生後32日~33日に行うという地域もありますが、産後1ヶ月で赤ちゃんもまだ長時間の外出が難しい時期。
ママや赤ちゃんの体調と相談しながら1ヶ月前後に行えばよいという考え方が主流になりつつあります。
ほかにも、お宮参りには服装などに関する細かなルールが定められています。
しかし最近はそういった形にこだわりすぎず、「産土神に報告・感謝する」という行事の意味合いを重視し、無理のない範囲で行えば問題ないと言われています。
行事3.お食い初め
「お食い初め(おくいぞめ)」は「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれており、日本だけでなく中国や韓国でも行われる産後100日目の行事です。
なぜ産後100日目にお食い初めを行うかということ、多くの赤ちゃんが100日目前後に乳歯が生えてくるから。
お食い初めも「お七夜」同様平安時代ごろから続く伝統的な行事。
「一生食べることに困りませんように」という願いを込めて、尾頭付きの鯛や赤飯、吸い物など縁起のよい食材を使った料理を用意し、食べるふりをさせます。
お食い初めに使う食器は男の子は内外ともに赤色、女の子は外側が黒で内側が赤色というのが一般的なルール。
ただ最近は男女どちらでも使える白木の食器も人気です。
お祝い膳のほか、歯が丈夫になるようにとの願いを込めて「歯固め石」や「タコ」を用意する地域も。お食い初めの時期に合わせて赤ちゃんの髪の毛を使い、「胎毛筆」を作るという地域もあります。
行事4.ハーフバースデー
「ハーフバースデー」が産後の行事として一般的になったのはごく最近のこと。
ハーフバースデーは元々アメリカやイギリスで行われていた行事の1つ。
夏休みなどの長期休暇中に誕生日を迎える子供も、友達に祝ってもらえるようにと考えられ作られた行事です。
しかし日本のハーフバースデーはアメリカやイギリスのハーフバースデーと異なり、産後半年のお祝いをする「一生に一度」の行事として定着。
ハーフバースデーは伝統が浅いため、特にやり方なども決まっていません。
ハーフバースデーには、少し特別な離乳食を用意したり、記念写真を撮ってお祝いしているパパやママが多いです。
そのほか、産後の半年間がんばったママを労ってレストランで食事をするという家庭も。ハーフバースデーは型にはまらず、自由なスタイルでお祝いをしましょう。
行事5.初誕生
産後は行事が目白押しで慌ただしく過ぎていきますが、「ハーフバースデー」を終えた後は行事が落ち着き、次に迎えるのは半年後の「初誕生」となります。
「初誕生」はその名の通り初めての誕生日を祝う行事。
お祝いの仕方は地域によって異なりますが、「一升餅(いっしょうもち)」を背負ったり踏んだりしてお祝いすることが多いです。
これは「お食い初め」と同じく「一生食べることに困りませんように」という願いや、「足腰の強い人に育ちますように」という願いを込めて行います。
初誕生は一升餅にまつわる伝統は残っているものの、ほかの行事のようにお祝い膳を用意するという家庭は減っています。
そのため、初誕生は家族や招待客の好みに合わせて料理を用意することがほとんど。
赤ちゃんも食べられる食材が増えている時期なため、パパやママのものを取り分けながら一緒の食事を楽しむというスタイルが定着しているようです。
行事6.初節句
ここまででご紹介した産後の行事と異なり、「初節句(はつぜっく)」だけは行事を行う日にちが決まっています。男の子は5月5日、女の子は3月3日ですよね。
ただ出産のタイミングによっては産後すぐに初節句を迎えてしまうことも。
産後間もなくはママの体調も赤ちゃんの体調も不安定なので、その際は初節句を翌年に繰り越すという地域もあります。
また、初節句の実施日についてはあいまいで、
「産後1回目のお正月を過ごしてから」
「お宮参りのあとの節句が初節句」
「お食い初めのあとの節句が初節句」
など考え方が地域により大きく異なります。
そのため、初節句のお祝いの実施日についてはあまり神経質になりすぎないようにし、産後の体調を一番に考えて無理のないタイミングで行うようにしましょう。
男の子の初節句
男の子の初節句にはこいのぼりや五月人形を飾って、お祝い膳を食べるのが一般的。そのほか柏餅やチマキを食べたり、ブリやカツオなど縁起のよい魚を食べる地域もあります。
女の子の初節句
女の子の初節句にはひな人形を飾って、お祝い膳を食べるのが一般的。女の子の初節句では、ハマグリのお吸い物やちらし寿司、甘酒などを用意することが多いです。
産後の行事の思い出はしっかり残そう
産後の行事はいろいろなトラブルも起きがちで、気疲れしてしまうというママも多いもの..。
しかし産後のイベントは、どれも一生に一度の行事。
ぜひ、写真やビデオで思い出を残し、気軽に振り返られるようにしておくのがおすすめ。
最近は「寝相アート」をはじめ、赤ちゃんの写真がよりかわいく撮れるアイデアがたくさんあります。
素敵な思い出がしっかりと形に残るよう、ママや赤ちゃんの体調がいいときに、かわいい表情を前撮りしておくのもいいかもしれませんね。
Photo by Photo AC