赤ちゃんの生後100日目にあたる日に行い、健やかな成長を祝う儀式がお食い初めです。


実際には本当に食べさせるわけでなく、食べる真似をしますが、正式なお食い初めには用意するお膳、食べさせる順番などの細かい決まりが…。


その日だけで手に入るものもありますが、順番に用意する必要があるものもあるので、正式なお食い初めをしたい場合には、ぜひチェックしてください。


この記事の目次

お食い初めに必要なものは?


お食い初めには当日までに準備をするものがいくつかあります。


お食い初めの前日、当日の朝は料理を用意するのに手一杯になってしまうので、事前に手に入るものから、順番に揃えていきましょう。


歯固めの石


お食い初めの中に、歯固めの石の儀式があり、石はお宮参りの際に神社などで手に入れられます


お宮参りを済ませていないなどの理由で、夫婦や家族の思い出の場所から持ってきたきれいな石を洗って使う人もいます。


食器

簡易儀式とするならベビー食器でも問題ありません。正式なお食い初めには、お椀は鶴や松などの蒔絵模様の漆の器


また、お膳は男の子は全体朱塗り、


▼男の子


女の子は外側が黒塗り、内側が朱塗りの漆器が必要です。


▼女の子


基本的には新品を用意しますが、こだわりがないなら、親類が使ったものなどでも良いと思います。


お膳の高さも、男の子のお食い初めには少し低めのもの、女の子のお食い初めには少し甲高のものと違いがあるようです。


祝箸


お食い初めには、普通の箸ではなく両端が細くなった両口箸という箸を準備しましょう。


片方は食べる方、もう片方は神様が召し上がるときにお使いになるという意味があります。決してひっくり返して取り箸として使ってはいけません。


また、お祝いの席で箸が折れるのを避けるため、折れにく、邪気をはらうと言われる「柳箸(やなぎばし)」を使う場合もあります。


【豆知識】正式にお食い初めを行う場合

家族の集まるお正月に合わせて行う時は、祝い箸を用意するにも以下のような順番がでてきます。


①祝い箸の箸袋に家族の名前を書いてから大晦日に神棚に供える。(赤ちゃんの名前だけでもいいですが、お食い初めの儀式が終わったら祝い膳は家族でいただきますので、お箸がいります。)

②元旦にお食い初めをする。

③1月7日までの門松を飾る期間中、祝い箸は洗って使い続ける。

④小正月(1月15日)の「どんど焼き」「お焚き上げ」でお正月飾りと共に燃やす。


お食い初めをさせるのはパパでもママでもない!?


お食い初めをさせるのは、パパでもママでもなく、養い親です。


養い親というのは親戚や祖父母の中で一番長寿な人。


赤ちゃんが養い親の長寿にあやかって長生きしますように、という意味が込められています。


そのため、お食い初めに当たっては養い親となって欲しい人に事前にお願いする必要があります。


性別によってお食い初めを行う養い親は異なる

通常、


・男の子の赤ちゃんのお食い初めでは男性が養い親

・女の子のお食い初めでは女性が養い親


になります。


ひざに座らせてお膳を食べる真似をしますが、地方によっては、左右どちらの膝に乗せるという決まりがあるようです。


パパとママ、赤ちゃんだけでお食い初めを行う時は、パパの膝の上に乗せて、ママが食べさせるなどでももちろんOKです。


正式なお食い初めのお料理は?

お食い初めは祝い膳なので、献立は一汁三菜です。


魚、ご飯、煮物、香の物、汁物。それに歯固めの石がお膳に載ります。


生後100日だとまだまだ生活のリズムができていないというママも多いため、無理に全部作ろうとせず出来る範囲で。


一部だけを準備したり、全部を仕出し屋さんなどに頼んでもいいでしょう。



「おめでたい鯛」と言われるのでお食い初めには鯛が使われます。鯛が手に入らないようであれば、尾頭つき焼き魚ならどの魚でないといけないとう決まりはありません。


ご飯


お祝いの席なので赤飯が多いです。白飯でも大丈夫です。


煮物


紅白ということで人参・大根、亀の甲ら形に飾り切りして長寿を願うかぼちゃ・椎茸、子宝に恵まれる里芋、そして先を見通せるレンコンを入れた筑前煮などが一般的です。


香の物


紅白なますやきゅうりの浅漬など。口の中がさっぱりするものを用意しましょう。季節によっては菜の花のおひたしなど、ちょっと変えてみても綺麗だと思います。


汁物


味噌汁ではなくお吸い物です。お食い初めの祝い膳で中に入れる具は、良い伴侶と巡り合うようにという願いを込めたハマグリ、そして、鯛、筍、松茸などが多いです。


可愛らしい形のお麩を入れると器が華やぎます。また、香りづけのために三つ葉を飾り結びにして入れるのがおすすめです。


お料理を食べさせる順番は?


お食い初めの料理は食べさせる順番が決まっています


飯、汁物、魚の最低限を用意した場合の順番

飯、汁物、魚の最低限を用意した場合の順番は、


飯→汁物→飯→魚の順番で3回繰り返します。


3回食べさせるマネが終わったら歯固めの儀。


歯固めの石に箸を触れさせて、その箸を赤ちゃんの歯ぐきにあてて丈夫な歯が生えるように願い、この後、全員でお祝い膳をいただきます。


フルセットで祝い膳を用意した場合の順番

煮物や香の物など、フルセットで祝い膳を用意した場合の順番は、


飯→汁物→飯→魚→飯→汁物→飯→煮物→飯→汁物→飯→香の物→飯→汁物→飯→歯固めの石→飯→汁物です。


複雑な順番に見えますが、よく見るとそんなに複雑な順番でもありません。


基本の飯→汁物→飯→魚から、2回目は魚のところを煮物に、3回目は魚と煮物だったところを香の物にするだけです。そして、同じく歯固めの石を順番にいれて、最後は飯→汁物で終了です。


順番をこう並べてみるともっと分かりやすいですね。


飯→汁物→飯→

飯→汁物→飯→煮物

飯→汁物→飯→香の物

飯→汁物→飯→歯固めの石

飯→汁物


この順番は地域によって多少前後することがあるようなので、気になる場合は地元の神社など、お食い初めについてよく知っていそうな場所で尋ねてみましょう。

 

歯固めの儀式は順番では一番最後です。料理に気を取られて石に触る順番を忘れてしまわないように気を付けましょう!


お食い初めは子供の健やかな成長を願う気持ちが一番大事!


人生に一度のお食い初めなので、正式な順番で執り行うのがおすすめです。


お食い初めを行う日については、お食い初め自体も100日でなく、生まれてから120日目などと動かしても問題はありません。


実際の料理は大人が食べるため、参加する大人の好みに合わせて食材を選んだり、味付けをしてもOK!


お食い初めに一番大切なのは赤ちゃんの健やかな成長を願う気持ちです。家族や親しい人と一緒に祝い膳を囲める機会をぜひつくってあげて下さい。


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