調剤薬局事務は、医療事務と同じくママの間で人気の資格。なぜそこまでに人気が出るのでしょうか。
今回は、この調剤薬局事務の仕事内容から資格取得までの時間や費用面を整理してご紹介します。
資格取得を考えている方は必見です!

この記事の目次

調剤薬局事務とは何?


調剤薬局ジムとは、医療事務と似たような仕事と言われています。


主に、受付業務・会計業務・請求業務という3つを薬局でこなすのが、調剤薬局事務の仕事です。


最近では、病院やクリニックで薬が処方されるのではなく、かかった病院やクリニックの近くの薬局で薬を受け取ることが多くなったのではないでしょうか?

(これを院外処方と言います)


そんな薬局で活かせる資格が、この調剤薬局事務になります。


なぜ調剤薬局事務がママに人気なの?


「薬局で働く場合薬剤師の資格がないとだめなのでは?」と考えるママも多いかと思います。


でも、調剤薬局事務なら薬剤師の資格がなくてもOK。ここでは、人気の秘密をご紹介します。


人気の理由①:働き方に柔軟性がある


調剤薬局での働き方は、フルタイムで働かなくても大丈夫なことが多いです。時短勤務や週2回勤務など、柔軟に対応してくれるところがほとんど。


子育てをしながら働くとなると、どうしても子供の体調不良やお迎えなどにママの仕事が左右されますので、こういう働き方は安心ですよね。


人気の理由②:医療事務より学習範囲が狭く取り組みやすい


実は、医療事務を勉強すればこの調剤薬局事務の仕事もできるようになります。


少しだけ、勉強の科目の話をします。


後述する「診療報酬」は「本体」と「薬価」に分かれていますが、医療事務の場合は、「本体」と「薬価」を勉強する必要があるのに対し、調剤薬局事務の場合は、「薬価」だけの勉強でOKなんです。


手始めに医療事務を始める、という方にはこの調剤薬局事務からスタートするのがおすすめです。


調剤薬局事務の資格取得後にできる仕事内容は?

では、調剤薬局事務の資格を取ったら具体的にどんなことができるようになるのでしょうか?
受付業務・会計業務・請求業務の順で、それぞれを説明していきます。

1.受付業務


受付事務とは、病院やクリニックで受診した患者さんが持ってきた処方箋や保険証を受け取る業務のこと。


最近では、処方箋と一緒におくすり手帳も預かることもありますね。薬剤師がきちんと薬を提供できるように橋渡しをするのが大切な役割です。


2.会計業務


会計業務とは、文字通り患者さんの会計を進めていく業務を指します。


医療機関の会計は診療報酬という点数をもとに計算されます。薬にも薬価といって基準が設けられていて、その基準で会計金額を算出します。


最近ではジェネリック薬も出てきていますが、ジェネリック用の報酬も算定されています。


患者さんにどんな薬がでているかをきちんと把握しておく必要があります。


3.請求業務


一般的に、医療費は個人負担3割、保険組合の負担7割となっていますよね。これは薬の値段に対しても同じです。


その基準に基づき、患者さんが所属する保険組合に、病院でかかった医療費の7割分を請求する業務のことを指します。


この業務自体は1ヶ月に1回、月末に行われることが多いです。機械で自動計算しながら進めていくことになるため、そこまで大変にはならないのでご安心ください。


ただ、冬場などのかぜが流行るときには患者さんも増えますので、結果的にレセプト料も増えて、残業になりやすい業務でもあります。


資格取得までにどのくらい時間かかる?

調剤薬局事務は、一般的には最短で3ヶ月、長くても6ヶ月ほどで資格は取得できると言われています。
なお、試験は医療事務と同じように月に1回開催。受ける試験日程を決めてから勉強スケジュールを決めてもよいでしょう。
調剤薬局事務の合格率は、60%〜80%と高水準!合格最低ラインは、正答率が6割となっています。
しっかり勉強できれば、資格取得まではそこまで難しくない印象ですね。

資格取得までにお金はどのくらいかかる?

ユーキャンのHPによると、4ヶ月の受講期間で40,000円ほどになるようです。他の資格と比較しても、割安ですね。
国の制度で「教育訓練給付制度」というものがあります。この「教育給付金制度」を利用すれば、受講費用の最大20%が還元されます。
雇用保険に過去加入されていたママであれば、利用できる可能性がありますので、合わせてご確認ください。

【参考1】教育訓練給付制度とは?


これは雇用保険の制度の1つで、厚労省のHPには以下のように説明があります。


働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるものです

(出典:厚労省HP)


一般的に、資格取得と言われるものには、この教育訓練給付制度が利用できます。他にどんな資格が対象になるかは、厚労省のHPを調べてみてください。


【参考2】教育訓練給付制度の受給条件は?


資格の受講開始日の時点で、雇用保険の加入が通算1年を超えていれば、受給対象となります。


以前にこの教育訓練給付制度を利用した場合には、前回の制度利用から今回の受講開始までの雇用保険の加入期間が3年あいていれば、受給対象です。


この教育訓練給付制度というのは、雇用保険の中で賄えるものとなります。


雇用保険に入っていない自営業や公務員の方は利用ができませんので、ご注意ください。


調剤薬局事務の平均年収はどのくらい?

調剤薬局事務の平均年収は、約250万円と言われています。(出典:平均年収.jpのHPより)
医療事務と比較すると、医療事務のほうが年収が高くなります。
もし年収を増やしたいと思うママは、手始めにまずはこの調剤薬局事務からスタートして、将来的に医療事務を目指していくのもよいでしょう!
働く場所は薬局と病院で違いこそありますが、実際に行っている受付業務・会計業務・請求業務の仕組みは同じです。
また、調剤薬局で経験を積んでからであれば、実務を知った上で試験にも臨めるので、勉強の効率も上がるかもしれません。

ママの時間や能力に合わせたスキルアップを!

資格もいろいろ種類があるため、ご自身の今までのスキルや勉強時間を考慮して選んでいく必要があります。
調剤薬局事務は知らないとなかなか自分自身でたどり着かないかもしれないですが、資格取得すればママのペースで仕事をすすめることができて、かつ専門性も高いので、重宝される人材になること間違いなしです!
今後身につけたいスキルなども考えながら、ぜひチャレンジしてみてください。
(Photo by Photo AC)