出生届には、普段あまり耳にしない用語や記入に迷う欄もあります。
ここでは、いざ記入しとうとなったとき迷ってしまわないために、出生届の書き方を詳しく解説。
産後のパパ・ママの日々はあなたが思っている以上に慌ただしいもの。スムーズに記入が進められるよう、出生届の書き方を予習しておきましょう。
この記事の目次
出生届の意味と役割
出生届は赤ちゃんが産まれたことを伝える大切な書類。
出生届を出すことで赤ちゃんはママと同じ戸籍に記載され、公から家族、そして国民として認められます。
出生届を出さないと赤ちゃんは「無戸籍」の状態に。
無戸籍の赤ちゃんには「乳幼児健診」等のお知らせが届かないため、自治体が実施する健診に参加できなかったり、児童手当がもらえないなどさまざまなデメリットがあります。
健康保険証も作れないので、医療費は全額負担。小学校や中学校にも入ることができません。
さらに、大人になってからも無戸籍であることによる困難は続きます。
結婚したいと思っても入籍できない、銀行口座が作れない、運転免許証が取得できない、選挙権がないなど、一般的な大人にできることが何もできなくなります。
出生届は用紙を提出するだけなので、ついうっかり手続きを忘れてしまう人もいるとか。
出生届は生後14日以内に提出するのがルール
出生届は出産した病院で、出生証明書を記入した状態で渡してもらえることがほとんど。用紙をもらったら正しい書き方で早めに記入し、速やかに提出しましょう。
出生届の書き方
出生届の用紙は自治体により少しレイアウトが異なることもありますが、記入内容や書き方は全国共通。漏れや間違いがないよう、1つ1つ書き方を確認しながら記入を進めてくださいね。
出生届の具体的な書き方
出生届の記入項目は全部で10~11項目。
普段あまり耳にしない用語もあるので、どうしても書き方がわからない場合は、出生届を出す際に役所の窓口で尋ねてみるのもおすすめ。
場合によっては担当者にアドバイスをもらいながら書き進めることもできるので、適当に書くのだけは避けましょう。
1.子の氏名
赤ちゃんの名前を名字と名前に分けて記入。読み仮名はひらがなで書きます。この際名字の書き方には要注意。両親が離婚している場合も、離婚後300日以内に赤ちゃんが産まれた場合は婚姻時の名字を記入します。
2.父母との続柄
法律上婚姻関係にある男女の間に生まれた赤ちゃんは「嫡出子(ちゃくしゅつし)」、そうでない場合は「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」にチェックを入れます。
もし両親が離婚している場合でも、離婚後300日以内に生まれた赤ちゃんは「嫡出子」にチェックを。
隣にある(男女)と書かれた部分には、「長男・長女」「二女・二男」など、何番目の子供か書きます。嫡出子の場合は夫婦にとって、非嫡出子の場合はママにとって何番目の子供なのかを書きましょう。
3.生まれた日時
赤ちゃんが産まれた日時を、医師や助産師が記入してくれた右側の「出生証明書」を確認しながら同じように書きます。
4.生まれた場所
生まれたところの書き方には要注意。自宅出産でない限り、病院や助産院の住所を書きます。
こちらも、右側の「出生証明書」を参考に書くといいですね。病院や助産院の名前の記入は不要です。
5.住所
住所はママが普段住んでいる自宅の住所を書きます。住民票に記載されている住所を正しく記入し、マンションやアパートに住んでいる場合はその名称も記入します。
6.世帯主の氏名・続柄
記載した住所の世帯主の氏名を書きます。続柄は父母が世帯主なら「子」、祖父母が世帯主なら「子の子」、曾祖父が世帯主なら「子の子の子」と記入しましょう。
7.父母の氏名・生年月日
赤ちゃんのパパ・ママの名前と生年月日を記入します。年齢は、出生届提出時ではなく、赤ちゃんが産まれた時点での年齢を書きましょう。
8.本籍
嫡出子の場合は父母の本籍と戸籍筆頭者を記入します。
婚姻後の名字をパパの名字にしている場合はパパ、ママの名字にしている場合はママが戸籍筆頭者になります。
父母が離婚している場合も、離婚後300日以内の誕生なら婚姻時の本籍と戸籍筆頭者の名前を記入。
非嫡出子の場合、ママが属している戸籍筆頭者の名前を記入。戸籍筆頭者がママでない場合は、「その他欄」に新しく本籍地をつくりたい住所を記入しておくと窓口での手続きがスムーズです。
9.子がうまれたときの世帯の主な仕事と父母の職業
この欄は書き方が少し難しいかもしれませんね。
まず、「同居を始めたとき」には、婚姻届を提出した日・結婚式を挙げた日・同居を始めた日の中で一番早い日を記入。
結婚前に同棲をしていて時期がわからない場合は、婚姻届を出した日を記入しても構いません。
この欄に記入する内容は統計に使用するだけなので、万が一記入した年月が間違っていても咎められることはないので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
「世帯のおもな仕事」は世帯主の職業をチェック。「父母の職業」は国勢調査を行う年にのみ記入するので、該当しない場合は記入しません。
10.その他
ここには先述の通り、赤ちゃんが産まれたことで新しい戸籍を作る必要がある場合、希望する本籍地の住所を書きます。該当しない方は記入不要です。
11.届出人
届出人は、嫡出子の場合はパパかママ、どちらかの署名・捺印をし、生年月日を記入します。
非嫡出子の場合は、ママが署名・捺印し、生年月日を記入。ここに押した印鑑を、「本届書中朱線部削除」の欄にも捺印。
この欄は、出生届を窓口に持って行ってくれる代理人の氏名等を記入するという間違いが多いそうです。届出人記入時には、しっかり書き方に注意しましょう。
12.出生証明書(用紙右側)
出生証明書は医師や助産師が記入します。名前が決まっていない場合は、出生証明書の「子の氏名」が空欄のままで問題ありません。
出生証明書の内容に間違いがあると、医師や助産師に訂正してもらって再提出しなければなりません。
病院や助産院で出生届をもらったら、間違いがないかしっかり確認しましょう。
訂正は二重線と捺印で
出生届を書いている途中、書き方の間違いに気づいてしまった場合は、二重線と捺印で訂正しましょう。
書き方を間違えた部分の真上に二重線を引き、二重線に重なるように署名欄で使用したのと同じ印鑑を押します。その後正しい情報を記入欄や記入欄付近の余白に記入しましょう。
出生届の提出方法
出生届が書けたら役所に提出します。出生届を出す際は忘れ物に十分気をつけ、何度も役所に行かなくてもいいようにしましょう。
出生届の提出時に必要なもの
出生届を提出する際は、出生届のほか母子手帳も必要です。
母子手帳の中に「出生届出済証明」という欄があり、出生届と一緒に母子手帳を提出することでえ、その欄に役所が記入・押印してくれます。
また、書き方の間違いがあった際に備えて、届出人欄と「本届出書中朱線部削除」に押した印鑑を持っておくと安心。
自身の身分証明書も念のため持っておきましょう。
出生届を提出できる人
出生届はパパかママが提出するのが無難ですが、産後の体調がすぐれないなど事情がある場合は、家族や知人に提出を依頼しても構いません。
ただ、書き方の間違いが見つかった場合、代理人による訂正は認められていません。そのため、スムーズに届出を終えたいなら、パパかママが提出しに行った方が無難です。
出生届は本籍地以外でも提出可能
出生届はパパやママの住所地のほか、里帰り先の住所、パパやママの本籍地、赤ちゃんの出生地で提出が可能。
そのため、万が一旅行先などで出産してしまった場合は、旅行先の役所に出生届を提出することができます。
出生届は郵送もできる
出生届は書き方の間違いがあった場合に備え、受付時間内に役所に行くのが一番ですが、どうしても無理な場合は郵送でも受け付けてもらえます。
ただ、こちらも「夜間休日受付窓口」同様、母子手帳の出生届出済証明書は書いてもらえないので、都合のよい日に母子手帳を持って役所に行きましょう。
出生届に関する注意事項
産後は赤ちゃんとの生活に慣れるまで、慌ただしい日々が続きます。出生届を出し忘れてしまわないよう、出生届は正しい書き方をして、できるだけ早く提出しましょう。
出生届は14日以内に提出
出生届は赤ちゃんが産まれて14日以内に提出するのが決まり。
役所には「夜間休日受付窓口」があり、土日や夜間だけでなく、ゴールデンウィーク中や年末年始など24時間365日出生届を提出することができます。
ただし、母子手帳の出生届出済証明は書いてもらうことができません。
出生届出済証明は、出生届が受理されていればいつでも書いてもらえるので、都合のよい日に役所に母子手帳を持って行きましょう。
14日以内に提出できないときの対処法
何らかの事情があって出生届を14日以内に提出できなかった場合は、後日「戸籍届出期間経過通知書」に必要事項を記入し、出生届と一緒に提出します。
提出した「戸籍届出期間経過通知書」は裁判所へ通知され、内容を審議。
14日以内に提出できなかった理由が正当な理由とみなされない場合、5万以下の過料を科せられることもあるので、提出期限はできる限り守りましょう。
名前が決まらないときの対処法
14日以内に赤ちゃんの名前が決まらなかった場合は、「子の氏名」欄が空欄のまま出生届を提出することになります。
そのこと自体に問題はありませんが、名前が決まったら速やかに「追完届(ついかんとどけ)」を提出しなければなりません。
「追完届」を提出すると、戸籍にその旨が記載されます。
悪いことではありませんが、中には戸籍に余計な記載があることを嫌う人も。できれば早めに赤ちゃんの名前を決めて、「追完届」を提出しないで済むよう備えておきましょう。
出産までに出生届について話し合おう
産後はパパやママが想像している以上に大忙し。
出生届の提出期限まであと数日あるから…とゆったり構えていると、思わぬハプニング等に見舞われ、提出し損ねてしまうことも十分想定できます。
なので、可能であれば出産までに出生届をいつどこに誰が提出するか決めておくといいですね。
出生届は赤ちゃんの生活を守るために必要な書類。書き方や提出方法をしっかり頭に入れて、確実に届出ましょう。
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