育児をしているとイライラすること、増えませんか?どうしてあんなに怒ってしまったんだろう、無視してしまった、これって育児放棄?虐待?と思い悩むママもいらっしゃるでしょう。今回は子育てのイライラについてみていきたいと思います。


この記事の目次


およそ8割のママが「子育てでイライラ」している!


ママ部の調査で育児でイライラすることがあるかを尋ねたところ、


「よくある」と答えたママが28.6%
「たまにある」と答えたママが47.8%


と、76.4%のママが子育てでイライラしていることがわかりました。


多くのママたちは子育ての中でイライラすることがあるようです。


イライラの原因は子供だけじゃない。家事や夫・自分自身にも


どんな時にイライラするかを尋ねたところいろんな声が寄せられました。


子供の泣き声・ワガママ

年子がいるが2人ともいっぺんに泣いて泣き止まない時

夕方の忙しいときに、何をやっても泣かれるとき。

かんしゃくやワガママがひどい時


パパの言動・行動

パパと意見の違い

子供が離乳食を泣いて食べてくれない時。私がオムツ替えや汚れた服を手洗いしたりしてるのに夫がスマホを見たりタバコを吸ってるとき

夫のせいで私がやる仕事が増えるとき。ただでさえワンオペで大変なのに仕事を増やさないでほしい。


子供の授乳・食事

家事を放り出して授乳してるのに、遊び飲みをしてる時…

離乳食の食べが悪いとき


急いでいるとき

急いで出掛けないといけない時や、子どもがご飯や飲み物をわざとひっくり返したりしたとき。

自分の体調の悪いときや朝の出勤前など忙しいとき


睡眠不足・体調不良

寝不足

自分が眠いとき。

自分が寝不足だったり、体調わるいとき

下の子が寝たのに上の子が騒がしく、起きてしまった時。夜2人とも寝ない時


できない自分に対して

なかなか子供の相手をしてあげられない時に自分にいらいらする

下の子供が泣いていて、授乳をしたいタイミングで上の子が抱っこや構ってもらいたい素振りをする時。その時は上の子を優先しますが、上手に出来ない自分に自己嫌悪してしまいます…

 

家事ができないストレス

家事や自分がしたい事をする時にグズったりした時

ママが常に傍にいないと泣くので,自分のことや家のことができないとき

思った時に思ったように家事ができないとき


義母との関係

同居している義母との関係性

 

イライラするのは子供が原因とは限りません。子供がきっかけかもしれませんが、パパや自分自身がイライラの原因であったり、時間がない・体調がすぐれないなどの余裕がない時にイライラしてしまったりするようです。


イライラの陰に潜むママの不安な気持ち


そもそも、イライラするのは不安な時に起こりやすくなります。安心しているときはイライラすることは少ないでしょう。


子育て以外で考えてみても


仕事

・新人がぼーっとしている。ミスしないか不安。

 もうすぐ客先に行くのにぼーっとしているからイライラ。

・てきぱき動く同僚。一緒に仕事をすると安心感が違う。


友達と待ち合わせ

・友達が遅れている。何かあったんじゃないかと不安。

 30分後あらわれて、「寝坊しちゃって」とのこと。じゃあ連絡してよ!(苛立ち)

・友達から連絡。「電車を乗り間違えたので30分ほど遅れます」

 安心して、その時間の間スタバで1杯コーヒーを飲んでいよう。


など、不安な時にイライラしやすくなります。


イライラするママたちの本音


イライラするママたちの本音には、不安がたくさん隠されていました。


大人の手が足りない・ママにかかる負担が大きく不安

3人目妊娠中で手が回るか不安。

周りに手伝ってくれる人がいないので不安。

ワンオペ育児の為、常に不安がつきまとう。


うちだけ他とは違うのではないかという不安

周りの子と比べて成長が遅かったり、うちだけ違ったり。間違って育てていたのかと不安になります。

親に向いてるのかと常に考えてしまう。

周りのママさんはマニュアルに近い生活をしているが、自分はそうでもないので、大丈夫かなと思う。


子供に悪影響ではないかと不安

こんなに怒ってばかりで子どもの心の負担にならないかどうか。

自分の感情をコントロールできていなきとき、子供の成長に悪影響だとわかっているのに。

病気の時や自分の言葉や態度がどんな影響をしてるか。

子供の粗っぽい性格が、自分の育て方のせいなのではないか。

子供を放ったらかしにする時間が多い気がする時。

 

ママの負担が大きいことに不安を感じる、イライラしている自分のそばに子供が常にいることに対して、「自分の育て方」に不安を持っているママが多くいらっしゃいました。


その不安がより一層イライラを増幅させ、イライラスパイラルに陥っているのかもしれません。

ママもイライラしたくない…でもイライラしてしまう…。

この悪循環が続くとママにとってはしんどい状況でしょう。


睡眠不足のママたち…イライラするのも仕方ない


調査で睡眠時間も尋ねたところ子育て中のママたちの睡眠時間は


5~6時間が29.1%
5~4時間が24.1%
3~4時間が12.1%


と、3時間未満の含むと、6時間未満の睡眠のママが7割以上の結果に。


独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部 三島 和夫氏が女性の睡眠不足についてはこのように述べられています。


とりわけ女性は家事や育児の負担が大きいため男性よりもさらに睡眠時間が短く、平日・週末を問わず慢性的な寝不足状態にあると言えます。

慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。一例を挙げれば、健康な人でも一日10時間たっぷりと眠った日に比較して、寝不足(4時間睡眠)をたった二日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することが分かっています。ごくわずかの寝不足によって私たちの食行動までも影響を受けるのです。実際に慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。

【厚生労働省】e-ヘルスネット 三島 和夫「睡眠と生活習慣病との深い関係」より引用


つまり子供がかわいかろうとも、睡眠不足がイライラを引き起こす一因ということ。睡眠不足にともなう過食で産後太りが解消されないことや相次ぐ体調不良などが、自分に対しての肯定感を失わせ、イライラを増幅させてしまうのかもしれません。


自分の時間がないとイライラしやすい傾向がある


また、睡眠時間とは別に「ママの自分時間」が少ないとイライラしやすいというのも調査の中でわかりました。


ママの自分の時間についての調査で、


平日に自分の時間があるママ

イライラすることがよくある16.7%
たまにある33.3%
ほとんどイライラしない50%


休日に自分の時間があるママ

イライラすることがよくある7.1%
たまにある28.6%
ほとんどイライラしない64.3%


平日も休日も全くないママ

イライラすることがよくある50%
たまにある31.6%
ほとんどイライラしない18.4%


自分の時間があるママは半数以上がイライラしないのに対し、自分の時間がとれないママは半数はイライラしてしまうという結果に。


一概には言えませんが、自分の時間がないとイライラ=リラックスする余裕がない、ということではないでしょうか。


睡眠不足、自分の時間が持てない、負担が多すぎる…子育てをするママが我慢していることが多すぎるのが、イライラが募りやすい原因と言えるでしょう。こういったイライラはママのSOSなのです。


我慢をすることが自己否定につながる

我慢をすることは、自分の要求を抑え込むことになります。続けているうちに、自分は抑えた方がいいという自己否定につながります。これは親も子も関係ありません。誰だって起こりうることです。そして我慢ばかりでは身も心も壊れてしまいます。


自分の時間がないことで我慢することが増える傾向にありますので、最悪のことが起こる前に「自分の時間の確保」をすることが大切です。 

 

子供のせいでもママのせいでもない。そういうタイミング!


とはいえ、なかなか睡眠時間や自分の時間を持つのは難しい状況の方もいるでしょう。

実際筆者もそうでしたし、今もそうです。


我慢しすぎた結果、体調を崩し自分か子供に重大な危害を加えそうになり、買ったお惣菜を玄関においたまま子供を抱えて新幹線に飛び乗って実家に帰省したこともあります。遠くとも頼れる実家があってよかった、恵まれていた、と感じます。


今になってはそういうタイミングだったんだと思います。

イライラをマネジメントしようと思ってもできない時は、イライラしちゃうぐらい余裕のない自分を発見することからはじめましょう。


余裕がない自分が発見できたら、まずは自分の時間や睡眠時間を確保してください。


もしかすると脳内にいる「厳しい世間の声」が聞こえてくるかもしれません。


今までは自分を律するためや守るための声だったかもしれませんが、頑張り続けるママにとっては負担です。「世間でこういわれるかも、こう思われるに違いない」を一度封印しましょう


そこから、次にとる手段がみえてくるはずです。


イライラしない方法よりSOSサインに従う


余裕がない時にイライラしない方法、イライラを減らすコツなどの情報をみてもかえってイライラするだけ。もしくは取り組向きすら起こらない…これは確実にママのSOSのサイン。


頑張り屋さんのママ自分のSOSに気づかず、もしくは気づいていても、状況がそれを許さないのでじっと我慢している人もいるでしょう。


でもどうか、こういうときはママのSOSを優先してください。


イライラする自分を受け入れる

まずはイライラする自分をダメだなぁ、と思わないように意識できることが大切です。開き直れというわけではないですが、長い人生でイライラしてしまう時もあるということです。


まわりはこんなにイライラしていないのに、虐待を疑われたらどうしようという不安が出てくるかもしれませんが、不安はイライラを募らせます


まずはイライラしてしまう自分がいること、そしてそれは仕方のない事というのを受け入れてください。


イライラする区切りをつける

イライラする自分を受け入れたら、次は区切りです。


「育休から復帰するまで」

「こどもが幼稚園に上がるまで」

「4月になるまで」


など自分でイライラしていい期限を決めます。

生活が変わるタイミングで子のイライラともお別れ!とすると意外と踏ん切りがつきやすかったりしますよ。


もっと短いのであれば、「お昼にお寿司を食べてイライラを落ち着かせよう」「おやつを食べよう」というのも可能です。この場合は、過食になるかもしれません。


その場合は、過食で太った自分を必要以上に責めないことです。イライラしないための工夫の末の副産物、むしろママの頑張った証拠なのです。


自分の時間を確保することに集中する

イライラしている自分に気づけない、自分を見失うほどイライラする、ママの健康を脅かすレベルのSOSの場合は、まずは自分の時間を確保してください。


・家事代行

・祖父母に預ける

・一時保育を利用する

・旦那に任せる

・保健師さんに電話する

・親戚を頼る

・近所を頼る

・友達を呼ぶ

・旅行に行く(家事から一時的に避難)

・病院に受診する


まずはママ自身が自分と向き合うこと、自己否定をストップできる時間や睡眠時間が必要です。


100%イライラしないなんてない!まわりと比べずイライラを受け入れることから 


イライラしない、なんてことはそうそうありません。多様化が進む中、ママたちの置かれている状況も違うはず。双子のママ、旦那が海外出張のママ、両親が遠方のママ、シングルのママ、持病のあるママ、などみなさんそれぞれ違います。そのためまわりのママと比べても状況が違うので仕方ありません。


大切なのは、イライラを受け入れること。イライラしている自分を好きに離れないかもしれませんが、イライラしているのはそれだけママがその場で頑張っている証拠です。どうかそのイライラを受け入れるだけのやさしさを頑張っているママ自身に向けて、ひとりの時間や睡眠時間をとるようにしてみて下さいね。そこからイライラ脱却がみえてくるかもしれません。

 

【調査概要】

期間: 2017年10月6日~10月9日

方法: カラダノ―トママ部調査

対象: 妊娠・育児中のママ部ユーザー(N=406)


(Photo by:写真AC