緊急事態宣言が解除され、都道府県間の移動自粛も解除され、日常が動き始めています。しかし、新型コロナが流行る前とは違う生活様式に戸惑うママや、自粛期間中のイライラを抱えたまま新たな問題に直面して余裕がないママたちはイライラの日々。今回はコロナ禍からみえた育児ストレスについてみていきたいと思います。


この記事の目次


 新型コロナでママたちのイライラの声


子育て中のママたちは、いつも大忙し。新型コロナによってステイホームによるストレスが問題視されましたが、緊急事態宣言解除後もイライラしっぱなし、自粛中よりもイライラが増したというママの声を紹介します。


子供にイライラ

「仕事中に子供に何度も話しかけられて、イラっとする。普段はすごく寝つきのいい子なのに夜起きたりして、自由時間が削られてイライラした。」


筆者も家庭保育をしながらのリモートワークでしたので、このイライラはすごく共感できます。

また、保育園に行かずに家で過ごすことが多いせいか、体力が余っていて夜の寝つきが悪く寝かしつけに苦戦するのもストレスですね。


家庭保育しながらのリモートワークは、意外と疲れるのでママが先に寝てしまうことも。


寝かしつけ後の自由時間がないどころか、やり残した家事や仕事を翌朝みて出来ない自分にもイライラ…。そんなことをお構いなしに、ママによって来る子供を見てはイライラ。


イライラのスパイラルです。


夫にイライラ

「私は在宅で仕事と家事と育児をして、食事作りだけでも通常より負担が倍以上になって、半分パニックになっていたが、夫は同じ在宅でも特に育児はおまけという感じで、お手伝いの域をでないような感じだった。」


家の中で仕事と家事と育児をするのは一見ラクそうに見えるのですが、切り替えがうまくいかずに精神的にはとてつもなく負荷がかかります。コロナ禍によって、在宅ワークは子供みながらできることではない!と多くの方が体感されたのではないでしょうか。


しかし、コロナ禍で変化を迫られてなんとか対応しているママに比べて、変化が少ないパパが多い様子。そんなパパをみているとイライラしてしまう…。


これは、コロナ禍だけでなく、妊娠・出産・育児に伴うの変化でもいえること


妊娠出産により、身体も変化し、生活も変化してしまったママに対して、独身の頃とそう変わらず、働いて帰ってきて寝るだけのパパに、筆者は何度も離婚を訴えたことがあります…。


コロナ禍という、世界中がパニックになる状況でも、家庭では女性の方が変化が多い状況は、ママの負担が増えるだけ。これはイライラしてしまいます。


外出が思うようにできないイライラ

「家庭保育しながらのリモートワークで仕事が全然捗らなくてイライラ。旅行やお出かけなど外出が大好きで家にこもっていることがあまり好きではないのに外出できないのでストレスがたまる。」

 

本当、子供みながらの仕事ってはかどらないものです。もしはかどるなら、未就学児を連れて出社して働く世の中だったかもしれません。


緊急事態宣言解除後も、旅行やおでかけに積極的になり切れない心理がうかがえます。日本では昔、置き手を破ったものは絶交する「村八分」というルールがありました。


この情勢の中、旅行に出かけたら白い目で見られるのではないか、という心理から外出好きの方も旅行やおでかけを少しためらわれる傾向があります。


しかし、おでかけ好きの人にとってはかなりストレスになりますし、いつからお出かけできるのか見通しのつかない状況が不安を増幅させることで、イライラも強くなります。


自粛解除後にイライラが増加…!


自粛中も多くのママがストレスを感じていました。しかし、緊急事態宣言解除後もママたちのストレスは続きます。


分散登園(登校)・時差登園に合わせるのが大変!

緊急事態宣言が解除されたからと言って、子供の保育園や幼稚園、小中学校も元通りというわけにはいきません。3密をさけるため、分散登園(登校)や時差登園(登校)が行われています。


そのため、緊急事態宣言前の生活に戻り切れず、その変化のしわ寄せはママ、というケースが非常に多いのが現状です。


実際筆者も夫は、緊急事態宣言前と変わらぬ働き方になり、もうすでに休日出勤や飛行機での出張も行っています。(2020年6月現在)


上の子と下の子の登園・登校の日にちや時間が違う場合もあり、その負担の多くがママに集中していることでしょう。


近くに子供を見てくれる両親や親せきがいない場合は、ママは仕事に出ることができず、経済的な不安も出てきます。


また、仕事をすることでライフワークバランスがとれていたタイプのワーママであれば、仕事に行けない、もしくは在宅でも思うように仕事ができない状況はとてもストレスなのです。



マスクが暑い!人と接するのに気を遣う

緊急事態宣言が発令されたころは、長袖のパーカーを羽織っても肌寒い4月の頭でしたが、6月の梅雨時期から夏になってくると、蒸し暑くなってきます。マスクをしていると、いきぐるしさを感じたり、マスクの中の空気がこもって余計に暑さを感じることもあります。


しかし、咳エチケットの観点からマスクをつけていることが増え、暑さによるイライラが増えています。


マスクは咳エチケットとしては大切ですが、夏には熱中症をおこすきっかけになる場合もありますので、人のいないところや、ソーシャルディスタンスが保たれている場合はマスクを外し、こまめな水分補給をするようにしてください。


また、人とのコミュニケーションの取り方にも、変化が出てきました。今までと違い、不特定多数と接する機会が避けられる風潮にあり、赤ちゃんや小さな子供を育てているママの孤独な育児「孤育て」を助長する世の中になっています。


孤独というストレスは、イライラすることすら奪ってしまい、無気力な状態になってしまうかもしれません。


ストレスでコロナうつになるママたち


小さな子供の育児は「育児ノイローゼ」や「産後うつ」「産後クライシス」といった、ストレスによる不調や不和が起こりやすい時期。


未就学児を育てているママたちの5人に2人は「育児ノイローゼや産後うつにかかったことがある、もしくはそうだったと感じる」とのこと。


ただでさえ、ストレスが多く心身に影響を与えやすい時に、コロナによるストレスでママたちはストレスフルの状態なのです。


ストレスで神経伝達物質のバランスが崩れる

ストレスを感じることで、脳の神経伝達物質の分泌が減ったり増えたりします。適度なストレスであれば問題ないのですが、ストレスが過剰になると、分泌のバランスが崩れイライラしやすくなると考えられているようです。


不安な気持ちがイライラを増加する原因に

脳の神経伝達物質で「セロトニン」という物質があります。


このセロトニンが分泌されることで、気持ちの切り替えが早くなり、悩みすぎず前向きになったり、感情をコントロールできるようになるそうです。


コロナ禍や生活の変化がストレスとなり、分泌が低下すると不安な気持ちが強くなるらしく、その不安がまたストレスになるという悪循環に。


セロトニンの分泌が低下することで、抑うつ状態になり、うつ病を患うケースもあります。


そのため、イライラはママたちのSOSともいえるでしょう。



コロナでもできる!ママのイライラ脱却方法!


いままでなら、出来たストレス解消法もコロナによってできなくなってしまっているママも多いかもしれません。新しい生活様式の中で、イライラを軽減させる方法を紹介します。


イライラ脱却の本を読んでみる

読書が苦にならないタイプなら、イライラ脱却の本を読むのはいかがでしょうか。

この場合「イライラしない子育て」というような、子育てに向き合う親へのメッセージよりも、イライラはママのSOSととらえて、イライラからの脱却へ導く本がおすすめです。


泣いている子どもにイライラするのはずっと「あなた」が泣きたかったから

出版社:サンマーク出版  著者:福田花奈絵


筆者がおすすめなのはこちら。イライラの原因はママの自己肯定感の低さからくるものととらえて、イライラに悩むママを救いたい気持ちが詰まった一冊です。

 

休んでみる

イライラはSOSです!思い切って休んでしまうのも◎。

もし仕事が休めないなら、転職もいいかもしれません。


仕事はしたいけれど育児は休めないなら、一時的にベビーシッターや家庭教師を頼んでみる、という手も考えてみてください。出費はありますが、イライラが楽になるかもしれません。


少し心の余裕が出てこれば、立て直すことができるようになってくることが多いですので、一時的に「休む」ということを最優先にしていてください。


そもそも今まで無理をしすぎていなかったか、を俯瞰的にみることも大切。無理をしすぎていたのなら仕事を手放すという選択肢も必要でしょう。


不安な中、さらに不安は増すかもしれませんが人によっては自分と家族を守る手段になります。


旅行・おでかけに出てみる

国土交通省より「新しい旅のエチケット」が発表されています。

自粛中に旅行に行き、ひんしゅくを買った芸能人をみていると、旅行に行くのはためらわれるかもしれません。


しかし、非日常は日常のストレスから解放されるひとときです。


公共交通機関を使わない、人里から離れた所へ行くなど、工夫をしながらおでかけを楽しむことでリフレッシュしてみてください。


小指シップで自律神経を整える

これは筆者が、整体の先生に以前教えてもらった自律神経を整える方法です。シップを一辺2cm程度の四角に切り、小指の第二関節当たりに巻き付けテープで固定するというもの。


副交感神経が優位になるそうで、交感神経が優位になってイライラしている・興奮気味で寝られない、というタイプにおすすめだそう。


筆者は効果てきめんでした。


人に会えない・育児が負担…自分が変わることでイライラから脱却できるかも!


 変化には大なり小なりストレスがつきものです。年を追うごとにその変化を受け入れにくいなぁ、と感じることが増えました。今まで積み上げてきたものがあるから、変わりたくない気持ちが変化を拒むことでストレスになっている面もあるのではと思っています。


ストレスフルな毎日だからこそ、いま必要なのはママ自身の自己肯定感ではないでしょうか。コロナ前はストレスがなかったママも、コロナ前からのストレスが悪化したママも自分が変わることで、イライラから脱却できるよう、お互いに焦らず一人で抱え込みすぎずに過ごせるといいですね。


参考文献:日本労働研究機構「育児や介護と仕事の両立に関する調査」結果

(Photo by:写真AC