出産して疲労困憊なのに、なかなか寝付けない…。そんな体験を今まさにしている、という出産直後のママもいらっしゃるかもしれません。実は出産直後からママの身体は目まぐるしく変化し、出産ハイになっているのです。
この記事の目次
産後直後に寝れない理由
産前直後は嬉しい気持ちもあるけれど、とにかく出産で疲れた…というママがほとんどのはず。
後産や会陰縫合、産後のトイレチェックなどを済ませて、入院する部屋に入り『さぁ寝よう』と思ってもなかなか寝付けない、疲れているから今のうちに寝たいのに、というママもいらっしゃるはず。
それは、産後ハイによって「睡眠」のスイッチが押せない状況なのです。
産後ハイとは
産後ハイとは、その名の通り、出産によって気分が高揚しハイテンションになること。
出産によるホルモンバランスの急激な変化で自律神経が乱れてしまうことが、原因と考えられています。
産後ハイテンションを『私、思ったより疲れてないかも!』と勘違いし、出産報告をしたり、色々動いたりしてしまうと、出産のダメージがなかなか回復せず、長引くかもしれません。
22:30に出産!その後明け方まで寝れなかった体験談
筆者も産後寝れなかった体験をしました。
22:30ごろに出産し、所定の処置を経て、24:30ごろには入院する部屋のベッドに。
第二子の出産でしたので『早く休んで、今のうちに休息しないと』と思っていたのですが、空が白んでくるまで全く寝付けませんでした!!
寝付けれないけれど、身体は休めようと、目をつむってずっと横になっていたのを思い出します。
そして、何度もトイレに行っていました。貧血になっていたので起き上がるたびに白い星のようなものがチカチカしていたのも覚えています。
(貧血で倒れることもあります!産後、おかしいなと思ったら無理せずナースコールしましょう)
産後ハイでママが気をつけたいこと4つ
産後ハイでママが気をつけたいことをまとめました。
寝れない覚悟をしておくべし
個人差はありますが、産後ハイで出産直後は寝れない可能性があります。
自身の経験だけで言うと、昼過ぎに産んだ第一子の時は夜寝れたものの、先述の通り夜に出産した第二子は疲れているのに寝れない、という状況でした。
産後は授乳で寝れないからこそ、入院しているうちにしっかりと寝ておこうと思っていたのですが、産後ハイで寝付けなかったのは大誤算。
出産直後は産後ハイで自律神経が乱れ、いつもは気にせずスイッチオンできる「睡眠」ボタンが押せないこともある、という事実を知っておきましょう。
「休まないと」と焦らない
産後は疲れているから、休まなきゃ!と焦れば焦るほど、目は覚めていきます。
出産でなくとも、大事な会議、遠足、など遅刻できないから早く寝ようと意気込めば、かえって寝れなかった、という経験がある人も多いはず。
休むことは大切ですが、睡眠スイッチが押せない状況ではどうすることもできません。
出産に伴う一時的なものですので、眠れなくとも焦らず、横になって目をつむってみてください。寝れずに起きて活動するより、身体は休まるはずです。
必要以上に連絡しない
産後のハイテンションにまかせて出産報告をドンドンするのはNG。
深夜にLINEをするなど相手の生活への配慮を欠いた連絡をしてしまったり、いつもはSNS投稿に気をつけているのに、色々写りこんだ画像を投稿してしまったり、と後から後悔するような行動をとってしまうかもしれません。
また、出産後にスマホなどの液晶を長時間、集中して見続けるのはママの身体にも大きな負担となります。
出産できた嬉しい気持ち、はやる気持ちは痛いほどわかりますが、出産直後こそ冷静に自分を見つめることが大切です。
ハイテンションでの名づけは再確認
名づけも、産後のハイテンションでそのまま役所に提出!というのは後々後悔してしまう可能性があります。
出生届は出産後14日間までに提出です。
産後直後につけた名前を産後1週間たってから再確認して提出、でも問題ありません。
特に周りや夫から苦言があるような名づけの場合は、産後ハイの影響が考えられます。
もちろん、産前に決めていた、あらかじめいくつか候補があったなどの場合は除きます。あくまでも産後のハイテンションのひらめきで、というケースです。
周りが気をつけたいこと2つ
パパや義両親、実の両親、親族・友達など、周りにとってもママの出産は喜ばしいこと。
そのため「お祝いしたい」「ママになったあなたを労いたい」「生まれたての赤ちゃんに会いたい」という気持ちがあると思います。
しかし、産後ハイになる認識がなく『元気だね』でやり過ごしてしまったり、産後の体調の変化に対する配慮がかけてしまったりすると、産後ハイが産後うつになってしまうかもしれません。
妊娠出産は、ママの身体に多くな負担や変化があります。
周りはその変化にどのように対応するのが望ましいのでしょうか。
周りが出産ハイにならない
「初孫だ!」と嬉しくなる義両親や実の両親。祖父母になるのは嬉しいですよね。
初孫だと今までご自身に経験のないことなので、世話をしたい・会いたい、とにかく孫ちゃんに何かしたい!という「孫フィーバー」をしてしまうかもしれません。
同じく、はじめてパパになる人も同じような状況になるケースも。
子どもの誕生をお祝いしてくれる気持ちや、会いたいという気持ちはとても嬉しいもの。
しかし、その一方で出産後のぼろぼろの身体では、その気持ちや付随した行動もママにとっては負担になってしまうかもしれません。
ママが周りをあたたかく受け入れているのは、本人の産後ハイの影響や、気を遣っているだけの場合が多くあります。
まずは周りが出産ハイにならずに冷静になることが大切です。
ママに無理をさせない
ママは産後ハイで無理がきいてしまう状態。
しかし、出産はどれだけ安産でもハードです。
本人はハイになっていて気づきにくいからこそ、周りが無理をさせない配慮が必要です。
嬉しくてハイになる気持ちをこらえ、まずはママが休める環境を最優先にしてあげましょう。
ママによって休める環境はさまざまですが、どんなママでも産後にほしいのが「睡眠」です。
とにかく周りはママの睡眠時間を削らないことが第一。
睡眠時間の確保なら、夜~朝の連絡を控えればいいでしょう、というのは早計です。
何故なら、産後から授乳で朝から夜まで1~2時間おきに寝たり起きたりを繰り返しているから。
お昼寝をしないと身体が持ちません。
しかし、産後ハイでお昼寝なんていらない!なんて思うママもいるのが要注意。
そこで産後ハイにまかせて疲労がたまると一気に産後うつになる可能性もあります。
女性の12人に1人は人生の中でうつになる、と言われています。
産後はホルモンバランスの変化や寝不足、慣れない育児に対する不安などで抑うつ状態になりやすい時期。
周りはママを休ませる環境を整えてあげてください。
また、寝るだけではリフレッシュできないもの。
病気で入院して「ずっと寝てなさい」と言われても、気分転換にテレビを見たり、可能なら院内で散歩などしたりのと同じで、産後の身体は休息が必要と同時に、ママの心にはリフレッシュも必要です。
ママによってリフレッシュはさまざまですが、空気を吸う、マッサージを受ける、など心と体がリラックスできる方法を、周りからママに声をかけて促してあげることも大切だと思います。
産後はハイになるものとママもまわりも心得よう
産後は本人が望む望まないに関わらず、出産の影響で産後ハイや産後うつになるものです。本人は「一時的にそうなるもの」という心づもりをすることで、自分の状況を冷静に把握でき、自分の感情に振り回されずにすむかもしれません。
まわりも産後のママは身体も心もアンバランスな時期、と心得ることでママの急激な変化に戸惑うことが減るかもしれません。
子どもが生まれるという変化は、産んだ本人、パートナー、そして周りにとっても変化が求められること。それはきっと成長の機会。産まれた赤ちゃんと一緒に成長していけるといいですね。
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