赤ちゃんの指しゃぶりはかわいいですよね。成長していくにつれ、指しゃぶりを自然と卒業する子もいますが、2歳3歳4歳と大きくなっても指吸いのクセが治らないお子さんも。ママはどうやってやめさせたらいいのか悩んじゃいますよね。今回は指吸いのクセについてみていきたいと思います。


この記事の目次


指しゃぶり・指吸いの身体への影響


まずは気になる指しゃぶりの影響です。


出っ歯になるなど歯のはえ方に影響

指を口に入れて吸っている状態が長く続くと、上の前歯が前の方に向いていきます。いわゆる出っ歯(上顎前突)です。


出っ歯は遺伝的なものもありますが、長期にわたる指しゃぶりも出っ歯の原因


そのため幼稚園に上がるころ(3~4歳)までには指しゃぶりを卒業しましょう、と歯科教室などで声をかけられられることもあります。


口呼吸になる

指吸いが長期になると、唇がうまく閉じれなくなり、口呼吸になりやすいと言われています。


口呼吸は口まわりの筋肉の低下につながり、口内が乾きやすくなるため風邪の菌やウィルスなども付着しやすくなるでしょう。


鼻呼吸であれば、鼻毛や鼻水(粘液)によってウィルスやほこりなどの体内の侵入を防ぎ、外に排出できるので、口呼吸より鼻呼吸がいい、ということがよくわかりますね。


手についたばい菌などを口内に入れてしまう

成長するにつれ、手を使って色々な活動ができるようになります。


砂場で遊ぶ、トイレのドアノブを触る…。

手で触れるところはばい菌や雑菌だらけ。


子どもはきちんと手洗いができないことも多いため、指しゃぶりのクセがあると汚れた手のまま指を吸ってしまいます。


そこから病原菌などをもらうこともあるでしょうし、指しゃぶりをする子どもが保菌者の場合、その手で触ったおもちゃから別の子に移してしまうことも考えられます。


見た目の問題

先述の出っ歯は成長するとコンプレックスになり、見た目の悩みを抱えてしまうことにもなります。


また小学生で指しゃぶりを人前でしていると白い目で見られてしまうことも。


指しゃぶりによって生じる問題が、子ども本人の友達作りなどといった交流の妨げにもつながります。



上記の理由から4歳くらいまでには指しゃぶりを卒業しましょう、と言われることが多いようです。


歯のはえ方から考えると、乳歯から永久歯に生え変わるタイミング(6歳ごろ)までには指しゃぶり

は卒業させたいですね。


指しゃぶりをやめさせる!指吸い対策4選


では、指吸いのクセをやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか。


声掛けをする

まずは声掛けから。

指しゃぶりをしている姿を見かけたら、声掛けをするようにします。

声掛けに反応して指を吸うのをやめてくれるはず。しかし、こまめに様子を見て声掛けをせねばならず、声をかける側も根気が必要です。


ちなみに夫も幼少期のころ指吸いがなおらなかったそうですが、親に「指にタコができるよ!」と言われ、海にいる「蛸」を想像してしまい、怖くなってやめたそうです(笑)


絆創膏(バンドエイド)を貼る

手軽に取り組めるため、多くのママが実践しているのが「吸う指に絆創膏を貼る」です。


バンドエイドがあることで、指しゃぶりが不快に感じる、しゃぶる前に絆創膏を見ることで声掛けを思い出して思いとどまることもできるでしょう。


ただし、バンドエイドをつけていても指しゃぶりをする子もいますし、誤って絆創膏を飲み込んでしまうこともありますので注意が必要です。



苦いマニキュア・クリームをつける

舐めると苦みを感じるマニキュア製品があります。


声掛けだけではなかなかやめてくれないときなどに挑戦してみるのも手。


指しゃぶりのクセを治すために開発されたものですので、舐めても安心の成分です。


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ぬいぐるみを抱っこするなど代用品を準備する

 日中の指しゃぶりはコントロールできても、入眠時の指吸いがなおらないお子さんもいます。


入眠儀式を指吸いからぬいぐるみを抱っこして寝るなど、違うものに変えていくことで指吸いを卒業することもできるでしょう。


指しゃぶりはやめなくてもいい!


指吸いをやめさせようとして、子どもと言い合いになってしまう、やめさせようとすればするほど指しゃぶりがなくならない…、と悩むママも多いでしょう。


そんな指吸いのクセですが、実は「やめなければいけない」というわけではありません。


確かに指吸いによる悪影響はありますが、指吸いが子どもにとって全て悪いということではないのです。


指しゃぶりでリラックスしている

子どもによりますが、指をしゃぶることでリラックスしている場合があります。


誰でもそうですが、疲れたり不安を感じたりするとリラックスをしたくなりますよね。


産まれて数年しかたっていない子ども達は大人ほどリラックスの知識や手段があるわけではありません。


そして大人ほど疲れや不安に耐性があるわけでもないのです。


そのため、赤ちゃんの時に母乳を吸っていた、ミルクを飲んでいた、おしゃぶりを使っていた、指を吸っていた、という「リラックス」の方法しか知らないため、そのまま指しゃぶりを続けていることがあります。


この場合の指しゃぶりは子どもにとっての精神安定の役割もありますので、無理にやめさせてしまうことでリラックス出来なくなってしまうかもしれません。


こちらから指しゃぶりに代わるリラックス方法を提案してあげましょう。


ちがうクセを誘発してしまう

指しゃぶりのクセを無理に止めると、違うクセになって現れることがあります。


特に爪を噛む・髪の毛をむしるなどといったクセになると、より見た目が気になるのではないでしょうか。


ひとつのクセをやめさせる、ということは新たなクセを生み出す、と心得た方がよさそうです。


大人にもありますクセ

子どものクセについ目が行きがちですが、パパやママにもクセ、ありませんか?


髪の毛を指でくるくるする、鼻をほじる、唇をなめる、唇を噛む、ペンをまわす、腕を組む、爪を噛む、ため息をつく、ひとりごとを言う、貧乏ゆすり、飴を噛む…


自分でなおそうと思ってもなかなかなおらないクセ。


でも、実はクセのない人はいない、と言われています。


指吸いはいつかは卒業する

指しゃぶりのクセは続く子は小中学生まで続くでしょう。


しかしどこかでやめられるようになるようです。


筆者のまわりで聞く限りでは「修学旅行」がキーポイント。


日中の指吸いはコントロールできるようになっても、就寝時の指吸いはずっとあるというタイプの人に多い脱却のタイミングのようですね。

 

指吸いのクセは大人になっても続くわけではありません。

職場に働きながら指を吸っている人はいないはず。いつか卒業する時が来ます。


小さな子どもを育児中はママもパパもまだまだ親として3年生、4年生ですので慌てることも多いでしょう。


早く辞めさせないと焦れば焦るほどイライラしてしまい、親のイライラが子どもにとってのストレスになり、精神安定のために指をしゃぶる…では本末転倒です。


焦っているママやパパには「いつかはなくなるクセだ」と、少し落ち着いて子どもを観察する余裕も必要かもしれませんね。


最終的には本人の意思次第!ママもパパもまわりも見守る気持ちが大切


 パパやママは先に生きている分「子どもが苦労しないように」と先回りで予防してあげたくなる気持ちがあるでしょう。私自身も子育て中ですのでその気持ち、痛いほどわかります。


しかし、最終的には「子ども自身」が決めることなのです。


もちろん、声掛けや代案などの働きかけは必要ですが、追い詰めずにあくまでも提案のスタンスでいるのが大切。

 

やっちゃいけないけど、やめられないクセ、パパやママにもあるはずです。

犯罪や人に迷惑をかけるようなクセはよくありませんが、指吸いは見た目の問題はあるものの、犯罪でもありませんし、人に迷惑をかけるクセでもありません。


「赤ちゃんのようで恥ずかしい」や「友達に指摘されてイヤな気持ちになったからやめよう」と子ども本人の意思が動かない限り、クセはなかなか抜けないのです。


「友達に傷つけられないように」「長期化すればクセはとりにくいだろうから早めに」という親心もあるでしょうが、本人が気づくまで根気よく声掛けを続けつつ、見守る姿勢でいきましょう。


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