生後2ヶ月になると予防接種が始まります。予防接種は免疫を獲得し重病化を防ぐ働きがありますが、ワクチンによっては接種時期や回数・間隔が決まっているのです。今回は子どもの予防接種の種類や予定を立てるのに役立つ情報を紹介します。
この記事の目次
- 0歳から受ける予防接種の種類
- 1歳以降に受ける予防接種
- ワクチンには不活性化ワクチンと生ワクチンの2種類
- アプリでラクラク管理!「ワクチンノート」の使い方
- 0歳の予防接種の時に気をつけたいこと6つ
- 重病化を防ぐワクチンは正しい接種時期に受けよう!
0歳から受ける予防接種の種類
ヒブ(Hib)(4回)
ヒブはHib感染症の抗体を作るためのワクチンです。2013年より定期接種となりました。
小児肺炎球菌(4回)
その名の通り肺炎球菌感染症の抗体を作るワクチンです。
B型肝炎(3回)
B型肝炎の抗体を作るワクチンです。2016年より定期接種に。
妊娠中に母子感染リスクがあると考えられていますので、ママが妊娠中にB型肝炎のキャリアと分かった場合には注意が必要です。主治医と必ず相談してください。
それ以外は一般的な予防接種スケジュールにて接種していきます。
ロタウィルス(2回・3回)
ロタウィルスによる感染性胃腸炎の重症化を防ぐために抗体を作るワクチンで、2020年より定期接種になりました。
2種類あるため、2回もしくは3回に分けて接種します。
また接種期間が2回で生後24週(約生後5ヶ月半)、3回で生後32週(約生後7ヶ月半)と短いので初回接種は生後2ヶ月のうちが望ましいと考えられています。
四種混合(4回※)
ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの4種類の抗体を作るワクチンです。
※0歳~1歳の第1期に4回、小学校高学年~(11歳~13歳)の第2期に1回接種(二種混合)が推奨されています。
BCG(1回)
結核の抗体を作るワクチンです。「ハンコ注射」とも言われていますね。
インフルエンザ
任意接種ですが、インフルエンザワクチンは生後半年以上から接種が可能です。
12歳になるまでは2回接種で、以降は1回接種となります。
ここ10年で定期接種の種類や回数が増加しています。
そのため自分たちや自分を育ててくれた両親世代には0歳児の予防接種の大変さ、というのはいまいちピンとこないのかもしれません。
また今後もさまざまな研究が進められていくと、接種時期の変更、種類や回数の変更もありそうですね。
1歳以降に受ける予防接種
水疱瘡(2回)
1歳になってからと1歳半の2回に分けて接種します。
麻疹・風疹混合(2回)
1歳と5歳の2回に分けて接種します。
日本脳炎(3回)
3歳に2回、4歳で1回の計3回接種します。
おたふく風邪(2回)
任意接種。
モデルケースですと1歳に1回目、5歳に2回目です。
接種する方は麻疹・風疹と同間隔で、と覚えておくといいかもしれません。
ちなみに筆者の子どもは接種していなかったのですが、コロナ禍で他の感染症の伝播の減少を踏まえて、1回目を4歳で摂取したため2回目は4年後の8歳ごろとなります。
ワクチンには不活性化ワクチンと生ワクチンの2種類
0歳で受ける予防接種の数がいかに多いか、ということは先述の通り。
回数が多いだけでなく、ワクチンによって接種推奨月齢や次のワクチンを打つまでに開ける期間などが異なるため、スケジューリングに悩むことも多いでしょう。
複数回接種しなければならないワクチンの次回接種までの間隔が違うのは、ワクチンの構造が異なるからです。
まずワクチンは大きく分けると2種類あります。
病原となるウィルスや細菌・弱体化させた「生ワクチン」と病原から感染力や毒素をなくす処理をした「不活性化ワクチン」です。
生ワクチンは弱体化させたものですので、接種後に軽い症状が出ることもあります。
不活性化ワクチンは、感染しないため何度かに分けての接種が必要となります。
また生ワクチンは次の接種まで28日(約1ヶ月)、不活性化ワクチンは7日(一週間)間隔をあけての接種になります。※詳細はワクチンによって異なる
ワクチンは1度に複数接種が可能
ワクチンは複数回接種な上に、次接種するまでに数日から数週間間隔をあけなくてはいけません。
さらにワクチンによって接種推奨時期も異なるため、どうやってスケジュールすればいいの?と、困ってしまうことでしょう。
じつは0歳児で受けるワクチンは、1回で複数の種類の同時接種が可能。
我が子も2~3種類を同時に接種していましたよ。
アプリでラクラク管理!「ワクチンノート」の使い方
「どのワクチンが同時接種できるの?」「いつからいつまでに接種したらいいの?」「どれくらいの間隔をあけたらいいの?」という悩みにおすすめなのがアプリでワクチン管理ができる「ワクチンノート」です。
今までであれば、スケジュール管理なんてお手の物、という方もなかにはいらっしゃるでしょう。
しかし、産後の育児は慢性的な寝不足状態。頭も働きづらい時期です。
母乳トラブルや出産に伴うトラブルも起こる人も多いでしょう。
出産前・妊娠前のように出来ない、と思うことがたくさん起こります。そのため、便利なものはドンドン活用すればいいのです。
「プラン」機能で推奨接種時期を可視化
ワクチンノートのおすすめポイントひとつ目はプラン機能です。
予防接種を一覧にし、推奨接種時期や回数が記載されているから一目瞭然。
我が子が生後何ヶ月なのか確認すれば、接種すべきワクチン・回数・種類がすぐにわかるのは嬉しいですね。
保育園などの入園書類記入にも便利!
予防接種が済んだら「ホーム」で接種した日付を記入しておくことが可能。
この、予防接種の日付ですが、ことあるごとに記入します…!
- ・保育園の入園申請
・保育園入園前の児童表
・ワクチン接種票
保育園から幼稚園へ転園する、引っ越しで転園する、などと言った時も毎回記入が必要です。接種したときにアプリにメモっておけば、スマホで確認できるからラクチンです。
0歳の予防接種の時に気をつけたいこと6つ
0歳児を連れて予防接種に行く際に気をつけたいことをまとめました。
意外と接種するまでは泣かない
赤ちゃんは予防接種は泣くに違いない、と思っている方も多いかもしれません。
しかし、意外と泣かない赤ちゃんも多いです。
と、いうのもまだ予防接種がどのようなものかよくわかってないからです。
筆者の子どもですが、最初のころは刺されて少ししてから泣き出す、ということが多かったです。
そして1歳になる頃には「注射は痛い、いやだ」ということを学習しているため、打つ前から泣いてしまう、ということもありました。
BCGは乾くまで腕固定の抱っこ
筆者が意外と大変だと感じたのがBCG。
BCGまでの予防接種ではあまり泣かなかった我が子も、やはりあの針の数は痛いのか大号泣!
さらに、皮膚表面が乾くまで腕から肩を出した状態で固定しなければなりません。
泣いてママやパパにしがみつきたいのに、肩から手が出された状態で、抱っこもままならないスタイルで10分ほど…。
まだ腰もすわらない我が子をその姿勢で支える親側もなかなか忍耐のいる予防接種です。
着替えは多めに持っていこう
予防接種は意外と時間がかかることが多いです(コロナ禍以前)
そのため、ウンチでオムツが足りなくなる、洋服が汚れる、スタイがよだれでべちょべちょになる、なんてことがあります。
オムツは多めに持っていきましょう。
また、もしものことを考えて着替えも持参しておくと安心です。
予防接種票の事前記入をしておこう
自治体から送られてくる予防接種票。
こちらも接種当日までに記入しておきましょう。
体温は当日測って記入します。
母子手帳・保険証・医療証を忘れずに
忘れやすいのが、この3つ。
予防接種票も忘れやすいので要注意。
接種後は体調の変化をチェックしよう
接種後は軽い症状が出ることがあります。
体調の変化をいつも以上にチェックすることが大切です。
またごくまれに副作用が起こることもあります。気になることがあれば、かかりつけの小児科で相談するようにしましょう。
重病化を防ぐワクチンは正しい接種時期に受けよう!
ワクチンには副作用が起こることもあります。
しかし、ワクチンを接種せずに重病化してしまうことを考えると、正しい接種時期に受けておくのが望ましいです。
もちろん、考え方は人それぞれ。
強要することはあってはなりませんが、無料で受けられる、接種に公費が出ているということはそれだけ効果が大きい、ということの表れなのではないでしょうか。
予防接種のスケジューリングは大変ですが、アプリをうまく活用して乗り切りましょう。
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