喃語(なんご)とは「あーうー」「ばぶばぶ」といった まだ言葉にならない段階の声のこと。


声帯の使い方や発声の仕方を学びつつ、言葉で自分の欲求を伝えるトレーニングをしているのです。

参考:「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」(文部科学省)



『早く我が子とおはなししたいな~』

『ママ(パパ)って呼んでほしいな~』

と思う日々かもしれませんが、言葉を話すために0歳の時からしっかりトレーニングを開始しているんですよ。


喃語は生後4ヶ月ぐらいから出始めます。


言葉の上達にはこの喃語の時期にしっかりと「指さし」「声かけ」をして、言葉への興味関心を高めてあげましょう。


とはいえ、赤ちゃんの成長スピードは個人差が大きいもの。

お子さんに合わせたスピードで無理なく進めていけるといいですね。


喃語の詳細や、

喃語の前段階のクーイングとの違い

言語発達チェックがある1歳半健診についてなど、

赤ちゃんの言葉の発達についてみていきます。


この記事の目次


喃語は生後4ヶ月ごろから出始める!喃語の段階&クーイングとの違い


赤ちゃんが意味のある言葉を発するのは1歳になるごろ。


しかし、それまでずっと泣いているだけ、というわけではありません。


およそ生後4ヶ月ごろから喃語が出始め、段階的に種類が増えていきます。


生後4ヶ月ごろは「ああー」「うーあー」「えええ」「あうあう」など言った母音の喃語。


生後5ヶ月で子音を含めた喃語、

生後半年ごろには「ばばばばば」と言った音を反復させる喃語が始まります。


生後8ヶ月ごろから少しずつ、音に明瞭さが出始め、

生後10ヵ月ごろから、身振りに合わせて発声をするようになってきます。


生後11ヶ月ごろには反復させる喃語も「ばぶばぶ」のように母音要素が異なるそれぞれの音(「ば」はH+A。「ぶ」はH+Uで母音が異なる)の反復も出てきます。


参考:「ふたば No.68 【 保育におけることばの問題と対応  1言葉の発達とその規定要因】(母子健康協会・2004)


生後9ヶ月頃の赤ちゃんの「声」



表情や動作、泣き声、喃語からもいろいろと様子がうかがえるようになってきますね。



クーイングと喃語の違い

喃語と似たような言葉で「クーイング」というものがあります。


産まれた時の赤ちゃんは泣くことだけ。


そこから首がすわり始める生後2~3ヶ月になると、のどの奥で「クー」となるような音が出るようになります。

これをクーイングと言い、喃語とは違うものです。


喃語は発声と発音の練習に対して、クーイングは発声と発音を結びつけ、コントロールする練習となります。


言葉を話すための準備が喃語を話すこと、喃語を話すための準備がクーイング、なのです。


参考:「ふたば No.68 【 保育におけることばの問題と対応  1言葉の発達とその規定要因】(母子健康協会・2004)


◆喃語についての筆者の体験談


実際、どんな違いがあるかと思い、子ども達の動画を見返してみました。


生後2ヶ月:やさしく「くっ」「く~」という高めの感情のない声(音)

生後5ヶ月:「うあうあ」「あーあー!」誰かに向かって話すような母音の喃語

生後7ヵ月:濁音が混ざったような喃語

生後12ヶ月(1歳):「ででいで~」「ぶっぶー」など何かお話ししているような喃語


意外と喃語の動画を残しておらず…。

幼児になり、言葉で意思疎通ができるようになった今「もう少し動画に残しておけばよかった」と思いました(笑)


赤ちゃんのおしゃべり上達には「指さし」「声かけ」が大切な理由


喃語は言葉を話すようになるための大事な練習期間。


赤ちゃんのおしゃべり上達にはママやパパの「指さし」や「声かけ」が欠かせません。


意味のない言葉、喃語を話すときにこそ丁寧に「指さし」「声かけ」をしていくことが、赤ちゃんの「言葉」への興味関心を高めいく働きかけになるのです。


指さし

犬の絵を指差して「ワンワン」、車のおもちゃを触らせながら「ブーブ」などと言ってみてください。

視覚や触覚からの刺激を合わせて与えることにより、言葉の音が記憶されやすくなります。


ただ単に言葉を伝えるだけより、物の意味も合わせて理解しながらおしゃべりができるようになりますよ。


言葉と動作を関連付けながら伝える

指さし以外にも動作と関連付けるのも◎


手をあげたら「はーい」など、動作と言葉を関連付けることによって、赤ちゃんのしゃべる手段のバリエーションを広げることができます。


「〇〇ちゃん」と声をかけた後に、「はーい」と手をあげると、名前を呼ばれたことに対して、反応をする言葉という認識をもつようになりますよ。


赤ちゃんも反応する事の楽しさを知り、おしゃべりが発達するきっかけに。


声かけ

言葉の発達はコミュニケーション能力に繋がります。


喃語に対してママやパパが声で反応をすることで、どんどん喃語をお話したい気持ちが強くなるのです。


ママとパパから声をかける時はハキハキとゆっくり発音することを心がけて

赤ちゃんの聴覚は、まだ発達途中なので子どもや大人と同じスピードでしゃべっても上手に聞き取りができません。

初めて聞かせる言葉は、「ま・ん・ま」というように音の間に一呼吸おいて、ゆっくりとしゃべることで赤ちゃんが聞き取りやすくなります。


言葉の発達チェックは1歳半健診で!発声と物事の結びつきを確認する


1歳半健診で


「ママ・ブーブー」などの意味のある言葉をいくつか話しますか?

という項目があります。


しかし、1歳半健診では「はっきりと「ママ」」という発声の良し悪しをチェックをするわけではありません。


この項目、字面だけでとらえると「うちの子全然しゃべらない~~~」「発音が聞き取りにくい…」と焦るママ、いらっしゃいませんか?


私がそのひとりでした。


ひとり目の話です。

喃語は出るのに、意味のある言葉を話さず、1歳半健診を控え焦る日々。

絵本などの指差しや、散歩での指さし、声掛けをしていたのですが、私の言葉を復唱することがなく、なんとなく「ブーブ」って言っている「パパ」って言っている、くらいで1歳半健診に挑みました。


しかし、発達では問題ありません、との答えが!


というのも、喃語による反復的な発声が減少し、特定のもの・事象に特定の発声の結びつきがいくつかできている、ということを調べるため、誰でもはっきりと聞き取れる音声、でなくてもOKだったのです。


他にも、目線や動作など総合的にみて判断されるそうですので、焦らず、じっくりその子のペースに付き合うことも大切ですよ。


ちなみに、保育園に通うようになって急激に言葉が上手になり、今ではすっかりおしゃべりさんです♪


1歳半健診前にできる!言語チェック

犬を見て「わんわ」「まま」「ブーブー」と混ざっていないか、という点に注目してみてください。

犬を見た時に「わんわ」と聞こえていれば「犬」=「ワンワン」と特定の物事と音声が結びついている証拠です。


この時点で猫や自分の好きなものを指さして「わんわ」と言っていても大丈夫。

区別がまだついていないだけです。


好きなもの(犬を含む) = わんわ だったり

4足歩行をする生き物のグループ = わんわ なのです。


言葉の理解が進む1歳半~2歳ごろに犬と猫など、グループ内で区別がついてくるので、1歳半健診のときはそこまで大きな心配は必要ないでしょう。


参考:「0歳~6歳 子どもの発達と保育の本 第2版 」(学研プラス・2018年2月6日発売)

まだ喃語をしゃべらない、喃語しかしゃべらない…発達は個人差あり!喃語の時期を楽しむ育児をしよう


喃語は生後4ヶ月ごろから始まり、言葉が始まる1歳ごろから減少していくと言われています。


しかし上記はあくまで目安。

発達には個人差があります。


喃語がなかなかでない、喃語から言葉になかなか移行しない、などママたちは不安が募ることも多いでしょう。


女の子の方がおしゃべり。という性別的な傾向があるのはよく聞く話。

実際、ママやパパをみていても、ママの方がお話ししたいことが多いご家庭も多いでしょう。

また、ママ友や親と数時間お話しすることも苦ではない、むしろそれが癒しやリフレッシュという人もいるでしょう。


そのため、「女の子なのに話すのが遅い」という悩みも耳にします。


しかし、我が家に限って言えば、娘の方が遅く、息子の方が早くに話し始めました。


そのため、赤ちゃんの言葉は性差よりも個人差が大きいと感じています。


それでも不安、という方は


・ママやパパの言葉の理解

・耳がきちんと聞こえている

・こちらの行動にリアクションする


などができているようなら、個人差ととらえてOK。

その子の成長スピードととらえて、「指さし」や「声かけ」をしつつ見守っていきましょう。


赤ちゃんの期間はあっという間ですので、動画に喃語を残しておくことも忘れずに。

成長してから、見返すとすごく優しい気持ちになれますよ。