離乳食を始めると、食材によって使えるタイミングが異なるため「これは取り入れていいのか?」と悩むママも多いもの。
特にたんぱく質はその判断が難しいですよね。
今回はたんぱく質の中で初期から使用可能な「高野豆腐」の魅力をお伝えします。
豆腐よりもたんぱく質が多く、カルシウムや鉄分など、普通の豆腐よりも栄養価の高い高野豆腐。
料理のバリエーションが増える上に、常温保存可能なのでいざというときや防災備蓄にも役立ちます。
高野豆腐の基本の調理方法や、離乳食に取り入れる際に気をつけたいことなどを紹介していきましょう。
この記事の目次
- 高野豆腐はいつから?離乳食初期からOKな食材
- 高野豆腐を離乳食に取り入れるべき3つの理由
- 【時期別】高野豆腐の基本の調理方法
- 高野豆腐を使用するときに気をつけたいポイント
- 高野豆腐は保存ができて親子で楽しめる食材
高野豆腐はいつから?離乳食初期からOKな食材
高野豆腐は離乳食初期から取り入れることのできる食材です。
その名の通り「豆腐」なので、大豆製品。
離乳食初期の後半、絹豆腐やしらすなどのたんぱく質を与えるタイミングからOKになります。
高野豆腐と普通の豆腐の違い
高野豆腐とは豆腐を凍らせたり・低温で熟成させたりしたのちに乾燥させたお豆腐のこと。
そのため「凍り豆腐」とも呼ばれています。
なぜ普通の豆腐を凍らせて乾燥させたものを「高野豆腐」というのでしょうか?
これは和歌山県にある「高野山」が由来なんです。
高野山の僧侶が精進料理の豆腐を凍らせてしまったものを食べたのが始まりと言われており、その後、乾燥させて日持ちする貴重なたんぱく源として重宝されていったのです。
高野豆腐を離乳食に取り入れるべき3つの理由
元々豆腐だったものであれば、別に豆腐でよいのでは?と思うママもいらっしゃるでしょう。
しかし、豆腐にはない魅力が高野豆腐にはあるんです。
今回は高野豆腐を離乳食に取り入れるべき3つのポイントをお伝えします。
①たんぱく質入りレシピのレパートリーが増える
離乳食期に使えるたんぱく質は意外と少ないもの。
また、時期によって食べることができる、できないもママたちが判断に迷いやすいポイントですよね。
高野豆腐なら離乳食初期から与えてOKの食材ですので、離乳食期どの時期にも活用できる食材になります。
豆腐でありながら、豆腐とは違う食感なので、たんぱく質を取り入れたレシピのレパートリーが増えます。
②栄養価が高い
高野豆腐は普通の豆腐より栄養価が高いんです!!
★豆腐100gの比較
エネルギー(kcal) |
たんぱく質(g) |
カルシウム(㎎) |
鉄(㎎) |
|
木綿豆腐 |
73 |
7 |
93 |
1.5 |
絹豆腐 |
56 |
5.3 |
75 |
1.2 |
高野豆腐 (凍り豆腐・水煮) |
104 |
10.7 |
150 |
1.7 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
たんぱく質やカルシウムは絹豆腐のおよそ2倍です。
離乳食期にあたる0歳~1歳の時期は、身体の成長が著しい時期。
離乳食が始まる生後半年ごろから1歳半までの約1年で
身長…12~13cm前後
体重…2~3kg前後
成長します。
2~3kgの体重増加なんて、そこまで多くないのでは?と大人ですと思ってしまいがちですよね。
生後半年ごろの赤ちゃんの体重は男の子で6.44~9.57kgほどですから、1年で1年で自重の30%UPします。
大人で考えますと、60kgある人の場合は18kgUPの78㎏になるということです。
大人ですと太り過ぎですが、赤ちゃんにとっては正常な成長です。
だからこそ、栄養価の高い食事が欠かせません。
離乳が進み、ハイハイや掴まり立ちなど、動きが活発になってくる離乳食後期ごろからは鉄分不足も気になるタイミングですので、高野豆腐をうまく取り入れていきましょう。
③常温で長期保存が可能
高野豆腐の魅力、それは常温で長期保存が可能な食材ということです。
新鮮な食材を食べてほしい、と思うものの産後1年はママの身体は不調が起こりやすい時期。そうでなくとも買い物に行けない日も多々あります。
また、災害時の非常食の観点からも、常温で保存できる食材は貴重です。
赤ちゃんも大人も食べることができる食材ですので、ストックしておくことをおすすめします。
【時期別】高野豆腐の基本の調理方法
それでは離乳食での調理方法をみていきます。
基本は「時期にあった形状にする」ことです。
【初期】すりおろしてとろみづけに
初期は「ゴックン期」。
基本的に離乳食初期はペースト状です。
高野豆腐は水で戻す前にすりおろします。
その後、水で戻しましょう。
ただし、すりおろしても食感がざらつきます。
最初はおかゆやスープのとろみづけに活用してみてください。
★水で戻りますが、必ず過熱をしてください。
【中期】みじん切り・すりつぶし
すりおろしに慣れてきたら、次は極みじん切りをします。
みじん切りする前に水戻しをしましょう。
最初のうちはみじん切りしたものをすりつぶします。
少しずつみじん切りの大きさを粗くし、すりつぶしも徐々に粗めに。
【後期】5㎜角にカット
水で戻した後、5㎜角ににカットし、軽めにつぶします。
【完了期】1㎝角にカット
水で戻した後1㎝角にカットします。
上記はあくまでも目安です。
お子さんによって食の進みにはばらつきがあります。
例えば離乳食後期は「カミカミ期」と言われる時期で、歯ぐきでの咀嚼を覚えます。
飲むように食べてしまう
→少し大きめにカットする
口に入れても上手く噛み切れず吐き出す
→少し小さめにカットする・もっと柔らかく調理する
など、子どもの様子をみながら適宜調整していきましょう。
高野豆腐を使用するときに気をつけたいポイント
常温保存できて栄養価の高い高野豆腐を、離乳食で取り入れる時に気をつけたいポイントを3つまとめました。
高野豆腐は普通の豆腐よりとろみをつける
高野豆腐は普通の豆腐より食感が残ります。
そのため、とろみがある方が食べやすくなります。
アンパンマン高野豆腐は1歳ごろから
「アンパンマンこうや豆腐」という商品がみすずコーポレーションから出ています。
筆者も離乳食期から遊び食べの多い2歳ごろまでよく使っていました。
にんじんやいんげんと一緒に炊き合わせて食卓に出すと、子どもたちは大喜びで食べてくれますよ。
他にもアンパンマン高野豆腐を使ったレシピをご紹介されています。
幼児食レシピですので、離乳食を卒業した後にぜひチャレンジしてみてくださいね。
「レシピ アンパンマンシリーズ」(株式会社みすずコーポレーション)
高野豆腐は大豆製品!アレルギー&1日の合計摂取量に注意
高野豆腐は豆腐からできているので、原材料は「大豆」です。
大豆はアレルギー特定表示原材料の27品目のうちのひとつ。
アレルギーが起こりやすい食材ですが、すでに他の大豆製品をクリアしているようであれば、基本的に大豆アレルギーはない、と思っていて大丈夫です。
しかし、どんな食べ物でも、合う合わないがありますので、過信は禁物。
またアレルギーがなくとも、大豆製品は時期ごとに目安があります。
その範囲で与えるように心がけましょう。
★大豆製品摂取量の目安
離乳食初期…1さじからスタート
離乳食中期…30~40g
離乳食後期…30~45g
離乳食完了期…50~55g
高野豆腐は保存ができて親子で楽しめる食材
高野豆腐は
①たんぱく質入りレシピのレパートリーが増える
②栄養価が高い
③常温で長期保存が可能
といった3つの魅力があります。
離乳食初期から活用できる食材ですので、時期に応じた調理方法で、ぜひ取り入れてみてください。
なお、高野豆腐は「和食」のイメージですが、洋風や中華のアレンジにも活用できます。
離乳食期は今、大人が食べている食事とは違い「離乳」のトレーニングのため、調味料の使い方も異なりますよね。
高野豆腐 = 和食 のイメージではなく、柔軟に職を楽しむ意識で取り入れてみてくださいね