マタニティブルーとはママが不安や孤独感、疲れなどから抜け出せずに憂鬱な気持ちに陥る状態のこと。

妊娠初期から産後数ヶ月までの期間に起こります。


妊娠中のホルモンバランスの変化や、身体的な痛みや不快感、出産や育児に対する不安などが原因のため、誰でも陥る可能性があるのです。


今回はマタニティブルーになりやすい人の特徴を紹介するとともに、マタニティブルーを乗り切るコツをご紹介します。


マタニティブルーは病気ではありません。


しかしその状態を放置することで、夫婦仲が急速に悪化したり、産後うつなど深刻な症状に進展したりするケースがあります。


なりやすいタイプの人は、適切なケアやサポートを受けることで進展させない・回復させる工夫がすることができます


マタニティブルーになりやすい人の5つの特徴


マタニティブルーは誰でも起こりうる状態で、厚生労働省によると出産後の女性の30~50%がマタニティブルーを経験していることがわかっています。

参考:「健やか親子の育休START UP!!(健やか親子21(第2次))」(厚生労働省)


2~3人に1人がマタニティブルーに陥りますが、以下の5つの特徴に当てはまる人はマタニティブルーになりやすい傾向にあります。


①精神的な負担が大きい人

②妊娠前からの心の病気の既往歴がある人

③人間関係に悩んでいる人

④体調不良に悩んでいる人

⑤初めての妊娠・出産である人


①精神的な負担が大きい人

妊娠や出産に伴う精神的な負担が大きい人は、マタニティブルーになりやすい傾向があります。

例えば、高齢出産や妊娠中の仕事のストレスなどが原因で、不安や悲しみを感じやすくなります。


②妊娠前からの心の病気の既往歴がある人

過去にうつ病や不安障害などの心の病気の既往歴がある人は、妊娠中に再発する可能性があるためです。

また、精神的に不安定な状態で妊娠した場合も、マタニティブルーになりやすいとされています。


③人間関係に悩んでいる人

妊娠中に人間関係に悩みを抱える人も注意が必要です。

例えば、夫や家族との関係が悪化した場合や、周りの人々からの期待やプレッシャーを感じる場合が挙げられます。


④体調不良に悩んでいる人

体調不良に悩まされる人は、マタニティブルーになるリスクが高くなります。

妊娠するしないに関わらず、体調不良になると不安やストレスを抱えやすくなるため、気分が上がりません。


⑤初めての妊娠・出産である人

初めての妊娠・出産である人は、マタニティブルーになりやすいとされています。

妊娠や出産に関する不安や知識不足から、マタニティブルーに陥りやすくなるためです。


マタニティブルーになったかも?!判断の目安


マタニティブルーになりやすい特徴に該当するママは、普段から自分のことを観察することが重要になってきます。


以下のような変化が見られたときに「マタニティブルーかも?」と自分の状態の変化にいち早く気づくことが、乗り越えるためのコツです。


判断の目安

①気分の落ち込み

②涙もろい

③疲れやすい

④身体的変化への不安


①気分の落ち込み

心配事や不安、疲れやストレスなどが原因で、ネガティブな気持ちが強くなります。

自分自身を責めたり、将来への不安を感じることが増えていたり、気分の落ち込みが続いていたりする場合は、マタニティブルーの状態です。


まずはその状態に陥っている自覚をしましょう。


②涙もろい

妊娠前や産前よりも涙もろくなった時も注意が必要です。


些細なことでも泣きたくなったり、感情の起伏が激しいと感じることがあれば、マタニティブルーを疑います。


③疲れやすい

妊娠や出産による身体の変化で、疲れやすくなっています。睡眠不足やつわりによる体調不良や産後であれば育児疲労などで、マタニティブルーに陥りやすくなります。


疲れを感じた時はマタニティブルーに繋がるかも、と意識してください。


④身体的変化への不安

妊娠や出産によって、さまざまな身体的な変化が現れます。


起こるのは当然の変化ですが、前向きに受け止められずに不安を感じることがあります。

特に出産後の身体的な変化に対する不安が大きくなる人が多いです。


また身体的変化と言っても様々で、美容的な変化から、腰痛や頭痛、産後の会陰の痛みなど症状を伴う変化、さらに妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など、母子ともにリスクが高まる変化などがあります。


「体形が戻らなかったらどうしよう」

「妊娠線ができたらどうしよう」

「痛みで寝られない」

「赤ちゃんに影響があったらどうしよう」


などの不安が止まらない場合は、マタニティブルー状態と言えるでしょう。


自分でできる!マタニティブルーの乗り越え方


マタニティブルーになっていると感じたら、早めの対処が必要です。

深刻な状態に陥る前にまずは自分でできることからはじめましょう。

気持ちを休める

マタニティブルーのときは気分が沈んでしまいがちです。

そのときは、自分の気持ちをゆっくりと休める時間を作ってあげましょう。


足湯をしたり、好きな音楽を聴いたりすることで、気持ちが和らぐかもしれません。


好きな本を読んだり、美味しいご飯を食べたり、自分にとってリラックスできる時間を過ごすことで、気分が明るくなることがあります。


運動をする

妊娠中でも運動は大切です。

ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、自分に合った運動を続けることで、体調の改善や気分転換になります。


身近な人に相談する

身近な人に自分の気持ちを話すことで、心の支えを得ることができます。

家族や友人、同じような経験をした人に相談すると、共感してもらえたり、気分が軽くなることもあります。


自分で乗り切ることが難しい場合は、早めに医療機関や専門家のサポートを受けることを検討してください。


筆者が実践したマタニティブルーの乗り切り方


筆者が乗り切った方法はこのふたつです。


①「胎児のため」は「自分のため」

②第2子の産後はカウンセリングに


筆者の場合、産後にマタニティブルーがあり、気分の落ち込みを体感。

とりわけ第1子の時はその落ち込みが強かったため、第2子出産のときはしっかりと対策をしました。


①「胎児のため」は「自分のため」

筆者は妊娠中は妊娠糖尿病になり、体調面で不安になりやすい状況でした。

他にもつわりや軽い熱中症などマイナートラブルもありましたが、マタニティブルーを感じることがなかったのです。


筆者が妊娠中にマタニティブルーにならなかったのは「胎児のために」という名目で自分の身体を大切にできたからだと感じています。


筆者は人のために力を発揮するタイプ。

頑張りすぎて、気づいたときにはお医者さんに怒られるほどの症状、というパターンが多いワーカーホリックな人です。


そのため、しばしば自分をおろそかにしがちだったのですが、妊娠中の気分は絶好調でした!

何故なら上記の通り「胎児」を大切にすることは自分を大切にすることに繋がっていたからです。


禁酒・禁アルコールはもちろんのこと、妊娠糖尿病だったため、管理栄養士の指導の下、糖質コントロールも行っていました。そのため甘いものも禁止。

さらに大好きな刺身も控え、こまめに散歩に行きつつ、しっかりと休みもとるという徹底ぶり。


そのため、妊娠中は落ち込むことはあっても、気分が滅入り続けることはいつも以上にありませんでした。


②第2子の産後はカウンセリングに

その一方で胎児を出産した後は自分をおろそかにしがちになり、マタニティブルーを経験。


筆者がマタニティブルーを感じたのは第1子出産後の産褥期でした。

マタニティブルーになりやすい人の特徴の


④体調不良に悩んでいる人

⑤初めての妊娠・出産である人


に該当していました。


第1子の産後は、悪露が止まらず、さらに尿漏れや分娩時に発症した痔などの症状に加え、母乳が出ない、睡眠不足などといった体調不良が続き、はじめての育児に自信を無くしていたため気分が落ち込む日が多かったです。


この状態こそがマタニティブルーだったのですが無視して放置した結果、じわじわと不定愁訴が増え、産後半年が経つ頃には、生活がままならないくらい調子が悪くなりました。


検査したところ、ストレスで脳が指令を出せず、ホルモンが分泌されにくい状態まで陥っていたのです。


参考:「《妊娠育児あるある漫画⑰》産後の生理にまつわるトラブルについて 後編」(medicommi)



この検査に至ったのが、カウンセリングと産婦人科受診でした。


検査することで治療につなげることができ、日常を取り戻すに至ったのですが、それまでは不安の多い日々で気分も落ち込みがちだったことを覚えています。


そんな第1子の産後の苦い経験を活かし、第2子出産後は産褥期からカウンセリングに通い、気分の落ち込み続きを予防しました。


マタニティブルーの予防には、起こるかもしれないと考えてカウンセリングを受けるのが効果的です。

もちろんカウンセリングはマタニティブルーが続いてしまう場合にも活用できます。


予防でも乗り切るためでも、カウンセリングを受けることで、専門家のアドバイスを受けたり自分の気持ちを整理したりすることができるからです。


ただ、個人的にはつらい思いはしないにこしたことがないと思います。


なりやすい特徴に2つ以上当てはまる人や、気がかりな人は、予防としてカウンセリングや助産師外来、保健師相談や臨床心理士相談などを受けてみることをおすすめします。


初めてだからこそ不安になるもの。自分のケアを忘れずに。


マタニティブルーは妊娠すればだれにでも起こりうる気分の落ち込みです。

以下の5つの特徴に当てはまる人はマタニティブルーになりやすい傾向にあります。

 

①精神的な負担が大きい人

②妊娠前からの心の病気の既往歴がある人

③人間関係に悩んでいる人

④体調不良に悩んでいる人

⑤初めての妊娠・出産である人


もともと自分が明るいタイプ、と自覚していてもマタニティブルーに陥ることがあるくらい、妊娠出産は大きな変化なのです。


変化は成長でもありますが、ストレスにもなります。

マタニティブルーかも、と感じる前に


・気持ちを休める

・運動をする
・身近な人に相談する


上記の自分で乗り切るコツをこまめに実践してください。


大きなストレスは身体に不調をきたします。


実際、産後に筆者が経験した不調は『こんな状態で育児なんてできないよ』とすべてを投げ出したくなる気持ちになりました。

それくらい、ママの心身に負担がかかる=休息が必要な状態まで追い込んでしまったのです。


追い込む前にぜひ自分でケアをしてみてください。

難しい、という場合にはカウンセリングなど専門家に相談してみてくださいね。



「産後うつ」の保険があります。