「妊婦の時に知りたかった...」

元看護師ママえみさんのInstagram(emi_baby_ikunou.lab )には、こんな声がたくさん寄せられています。


3人のお子さんを育てながら、赤ちゃんの発達や0歳からの保育園入園準備について発信するえみさん。その投稿を見たママたちから最も多く聞かれるのが、この言葉なのです。


長男の低出生体重がきっかけで知った発達の可能性

えみさんが赤ちゃんの発達に関心を持つようになったのは、長男の出産がきっかけでした。


「長男が低出生体重児として生まれ、『発達に遅れが出るかも』と医師から言われたんです。でも、NICU時代に先生がよく話していた『赤ちゃんの脳は無限の可能性がある』という言葉がずっと心に残っていて」

退院後はベビーマッサージを積極的に取り入れた結果、長男は1歳前には歩けるように。現在は元気いっぱいに育っています。この経験が、えみさんの発信の原点になりました。


長女の歯並びで気づいた「予防の重要性」

もうひとつの転機は、長女の歯並びの問題でした。


長女の歯並びが悪くなってしまったのは、私の知識不足だったんです。矯正で顎を広げる装置を使っているんですが、毎回痛がって泣いてしまって...知識があれば予防できたのにと公後悔しました」

周りの子どもたちも矯正をしている子が多く、その現実を目の当たりにし、歯並びや姿勢、口の発達について本格的に学び始めたそうです。


同じように後悔するママを減らしたい」という強い思いが、今の活動につながっています。


新しい働き方への転機

実は、えみさんがInstagramでの発信を始めたのは、次女の妊娠中でした。


「コロナ禍でもあったので、妊娠中にお休みしていたんです。そのときにInstagramが仕事になると知り、これまでの経験を活かして多くのママたちに役立つ情報を発信できるかもしれないと思ったんです」

発信講座の受講を迷っていたところ、締切日にちょうどボーナスが振り込まれたという偶然も重なり、2023年2月から発信をスタート。


現在は個人事業主として、離乳食や赤ちゃんの発達に関する講座を開催しています。


離乳食の「常識」への疑問

ママたちから最も多く相談されるのが「離乳食」について。

えみさんは一般的な指導に疑問を感じています。


「一般的には生後6ヶ月から離乳食を始めましょうと言われますが、40週で3kgで生まれた子と、36週で2300gで生まれた子では、約1ヶ月の発達差があります。それなのに同じタイミングで始めるのは不自然ですよね」


離乳食はただ栄養を補うものではなく、「口を育てる」大切なステップ。赤ちゃんが母乳を飲む口の動きから、食べ物を噛み、飲み込む動作へと移行する発達過程でもあります。このような重要な役割があることを、多くのママが知らずにいます。


「赤ちゃん自身の体の発達を見ずに、月齢だけを見てスタートしてしまい、悩んでしまうママがとても多いんです」


妊娠中から始められる3つのポイント

では、赤ちゃんの「口を育てる」ために、妊娠中からできることは何でしょうか。

えみさんは次の3つのポイントを挙げます。

1. 栄養

赤ちゃんはママの血液から栄養を受け取ります。また、出産時にはママの腸内細菌も引き継ぐため、妊娠中に腸内環境を整えることがとても重要です。

2. 姿勢

ママの姿勢が悪くなると、子宮の形が歪み、赤ちゃんがお腹の中で正しい姿勢を取れなくなることがあります。これは、後の口の発達にも影響します。

3. 呼吸

深い呼吸を意識することも大切です。姿勢と呼吸は密接に関わっているため、ヨガや軽いストレッチなどで整えることをおすすめしています。


「手遅れ」なんてない。今日からできることを

「知らなかったことで後悔することはあるかもしれません。でも、今日から意識を変えるだけで、5年後・10年後のお子さんの未来は変わっていきます」


もし発達で気になることがあっても諦める必要はありません。


えみさんが特に大切にしているのが「たくさん触れてあげること」。

「触覚は赤ちゃんの発達において非常に大切です。ママがリラックスした状態で、全身を優しく触ってあげてください」


すべてが繋がる「口の健康」という視点

えみさんの発信の特徴は、育児の悩みを「線」で捉えていることです。


妊娠中の姿勢、離乳食、歯並び、集中力、免疫力...

これらすべてが口の発達を通してつながっているといいます。


口がポカンと開いていると免疫力が下がったり、ちゃんと噛めないことで便秘になったりと、本当に全身に影響が出てくるんです


一人で悩まないで

最後に、えみさんから妊娠中や育児中のママたちへメッセージをいただきました。


「私の投稿を見て、もしかしたら『知らなかった』と後悔するママもいるかもしれません。でも、その気づきがあるからこそ、これからを変えることができます

「一人で悩まず、ぜひ私を頼ってください。これからも赤ちゃんとママの健康を、口の発達という視点からサポートしていきます」



●教えてくれた専門家 えみさんemi_baby_ikunou.lab

元NICU看護師。2012年生まれの長女、2015年生まれの長男、2022年生まれの次女の3児のママ。NICU勤務約7年の経験を持ち、自身の子育て経験から妊娠中から始める赤ちゃんの発達支援の重要性を実感。2023年2月より「知らなかったで後悔するママを減らしたい」をコンセプトに発信を開始し、多くのママたちから支持を集める。現在は個人事業主として離乳食講座や赤ちゃんの発達講座を開催している。