節分は豆まきをしたり、恵方巻を食べたりと楽しむことができるイベントですよね。しかし、恵方巻が全国に知れ渡ったのは最近のこと。


地方によっては豆ではなく落花生をまくなど、さまざまな違いがあります。


今回は、全国のママに「節分」にまつわることを聞いてきました!


この記事の目次

節分は元々は“年末”だった!節分に豆をまくのは“厄払い”のため


そもそも節分とは「季節の分かれ目」のことで、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを指します。


今では「立春」の前日、つまり2月3日のことだけを節分と呼ぶのが主流ですよね。


それは何故かというと、旧暦の頃は立春が1年のはじまりと考えられていたから。


そのため、立春の前日の節分は年の分かれ目、今でいう大晦日のような日であり、他の節分よりも特別な日とされていたためだと考えられています。


豆まきは「鬼」という災厄を祓う「厄払い」


旧暦の節分では、年の終わりに厄払いや寒気払いをしてから新たな年を迎えようという風習がありました。


そして、災厄や寒気をもたらすのは鬼の仕業と考えられていました。


豆まきとは、鬼をしっかり祓ってから、新年(立春)を迎えようとする儀式だったのです。


鬼を払うのになぜ豆を使用するのかというと、一説には


『鬼という魔ものの目(魔目)を投げつけることで、魔ものが滅する(魔滅)』


という語呂合わせとも言われています。


豆まき役は「家長」や「年男」「年女」だけだった?!


元来、豆まきをするのは一家の主である家長、もしくは年男・年女が行うのが一般的でした。


しかし今ではその風習も、家族の誰かが鬼役で、残りの家族全員で豆をまいたり、お菓子をまいたりなど、家庭ごとで変化しているようです。


豆まきとオニについてのアンケート調査結果

ここでは、アンケート結果からわかる現代の「豆まき」についてみていきたいと思います!


7割の家庭が「豆まきはする」と回答!


妊婦さんや赤ちゃんがいるママたちの家庭では、なんと7割が節分に豆まき(もしくは豆の代わりになるお菓子など)をする様子。


やはり、日本の伝統的な行事は大切にしたいものですよね。


まくのは「煎り大豆」が多数!しかし地域で差がある!



私は関西出身で、幼少の頃から豆まきの豆は「煎り大豆」だったのですが、ママびよりスタッフとお話ししていると、なんと落花生をまく地方があるということをはじめて知りました!


今回調査をしてみると、


・65.7%:「煎り大豆」

・30.8%:「落花生」


という結果に。つまり3人に1人は豆まきに落花生を使用しているようです。


日本の南北に落花生を使用する傾向があり、関西や中国地方、四国などは大豆を使用する傾向が強いということがみえてきました。


結婚して住む都道府県が変わり、


・使用する豆が変わった

・元々実家で使用していた豆を嫁ぎ先でも使用している


など、家庭ごとの事情があるようです。全国で風習の違いがあるのは面白いですね。


オニの役はパパが多い!


オニの役はパパが66%と最多でした!


もともとは家長が豆をまく側だったのに、今や家長がオニ役とは…!時代の流れを感じずにはいられません。


そして、意外と多かったのが「オニはいない」という回答。壁やオニのお面、外などに向かって豆まきをするのだそうです。


オニのお面は「豆についてくるお面」を使うが大半


「オニはいなくともオニのお面は用意する」という意見もあるように、オニのお面も節分の豆まきには欠かせないアイテムのひとつ。


多くの方は、豆まき用の豆を購入する際についてくるお面を使用されているようです。


一方で「オニのお面を使わない」という人も1割以上いましたよ!


オニのお面を使わない理由として、以下が挙げられます。


「お面以外の被り物などでオニになりきる。」

(兵庫県 まなみさん 妊娠中)


【お面を使用しない=オニに扮装しない】ということではなさそうです!


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豆まきをしない理由は「子どものことを考えて」


アンケート結果では、およそ3割ほど豆まきをしないという意見がでていました。


どういった理由で豆まきをしないのか、みていきましょう。


妊娠中・出産間近・産褥期で豆をまくのは負担…

「妊娠中で自宅安静の為。」

(埼玉県 のりなさん お子さん:4歳以上・妊娠中)

「予定日が近いので。今年は恵方巻も我慢です。」

(愛知県 みわさん 妊娠中)

「床上げが終わってないから。」

(鹿児島県 まこ蔵さん お子さん:新生児(生後1ヶ月未満))


赤ちゃんのことはもちろん、自分のことも考えると無理は禁物。今はご自身のお身体を大切にして下さい!!


子どもがまだ小さいから誤飲が心配

「子供がまだ9ヶ月。何でも口にいれてしまう時期なので。」

(神奈川県 まゆまゆさん お子さん:生後7~9ヶ月)

「まだ0歳で、まいた豆を口に入れると怖いから。」

(三重県 かんなさん お子さん:生後4~6ヶ月)

「子供がまだ0歳で、誤飲してしまうから。」

(大阪府 ふうさん お子さん:生後10~12ヶ月)


0歳児のママさんの多くが「子供の誤飲を避けるため」豆まきをしないと回答されていました!


何でも口に入れたがる時期ですものね。是非、来年の豆まきはお子さんと一緒に楽しんでみてください♪


豆をまいた後の後片付けが大変…

「掃除が大変だから。」

(和歌山県 しーちゃんママさん お子さん:生後2~3ヶ月)

「片付けが大変だから。」

(山形県 あやさん お子さん:新生児(生後1ヶ月未満))

「片付けが面倒くさい。」

(青森県 ゆまたろすさん お子さん:生後4~6ヶ月)


確かに豆をまくと、散らばるから後片付けが面倒。こちらの回答を寄せてくださった方の多くが「0歳のお子さんを持つママ」でした!


やはり、0歳児を育児中のママさんたちには、豆まきは難しいのかもしれませんね。


もともと豆まきをやっていない!

「実家も嫁ぎ先も、もともと習慣がなかったから。」

(福岡県 によさん お子さん:生後2~3ヶ月)

「私も豆まきを家でしたことがないから。」

(香川県 かえでさん お子さん:1歳〜1歳6ヶ月)

「自分がした記憶がうすくてどうすればいいかわからない。」

(東京都 みーさん お子さん:生後2~3ヶ月)


自分が育った環境に豆まきの風習がなかったからやらない、という意見もありました。


自宅以外の場所でするから

「幼稚園でするので、家では食べるだけだと思います。」

(北海道 ちゃんみーさん お子さん:生後4~6ヶ月・4歳以上)

「学校や幼稚園で豆まきをしてくるから。」

(青森県 3児ままRRKさん お子さん:生後10~12ヶ月・4歳以上のお子さんが2人)


こちらは就園・就学しているお子さんを持つママさんの意見。


子どもはお友達と楽しく豆まきをするので、家では豆まきをせず、節分の食事を楽しむスタイルのようです。


他にも「子どもがいないから。」という意見が、妊娠中のプレママさんに多くみられました。


どうやら豆まきは「子供のいる家庭で楽しむイベント」という認識が多いのかもしれませんね。


ちなみに私は、昨年の節分は0歳の我が子が寝静まった後に、夫婦でヒソヒソ声にて豆まきをしました。


恵方巻は全国区に!いわし料理を作る人は少ない


節分の食事といえば「恵方巻」。


この「恵方巻」が全国的に食べられるようになったのは、平成に入ってからなのは知っていましたか?また、恵方巻には食べ方もあるのです。


「恵方」に向いて食べるから「恵方巻」


恵方巻は節分の日に食べると縁起がいい、と言われている巻き寿司のこと。恵方を向いて食べるのですが、恵方は毎年変わります。


恵方とは歳徳神(としとくじん)という、その年の福徳を司る神様がいる方角のこと。


歳徳神がいる方角は、干支を用いて決定するため、毎年恵方が変わることになるのです。


2019年の恵方は東北東


今年の恵方は「東北東」です。ちなみに2018年の恵方は「南南東」でした。


恵方巻の食べ方

1. その年の恵方を向いて、巻き寿司を切らずに一本丸ごと食べる。


2. 食べている間は喋らず恵方を向き続け、心の中で願い事を唱える。


この恵方巻、食べ終わるのが意外としんどいもの。


よそ見をしたり、むせて途中でお茶を飲んだりも出来なかったので、いかにむせずに早く食べきるか、という家族内競争のような状態に私の実家ではなっていました。


恵方巻は関西・大阪が発祥と言われている


私が幼い頃に聞いた話なのですが、『大阪の海苔屋さんが海苔を食べてもらいたいと思い、そのために太巻きを作る日を作ろう!と始めたのがきっかけ』で、嘘か本当か恵方巻が始まったそうです。


この風習が始まったのは、江戸末期の頃からと言われています。


全国的に恵方巻が食べられるようになったのは、2000年代に入ってから。


コンビニなどで恵方巻が売られるようになったことがきっかけではないか、と言われています。


恵方巻は全国の節分の風物詩に


「節分の日、何を食べる予定ですか?」という質問をしたところ、なんと8割以上の人が恵方巻を食べるという回答になりました!


さらに分布図をみると…。



どうやら、全国的に恵方巻を食べるようですね。


大阪発祥と言われている恵方巻は、もはや全国で見られる節分の風物詩になったと言えるでしょう。


節分にいわし料理を食べる風習も!


少数ではありますが、節分にいわし料理を食べる、と回答した人もいらっしゃいました。


今回の調査では「群馬県」「香川県」「奈良県」にお住まいの方の半数以上がいわし料理を食べる予定でした。


いわしは鬼除けのアイテム


何故いわし料理を食べるのかと言いますと、鬼はいわしを焼いた匂いが苦手と言われているから。


いわしを食べることで、自分の中にいる鬼を追い払う、という意味があるのかもしれませんね。


鬼除けとして玄関に柊の枝にいわしの頭を刺して飾る、という風習もあります。


カラスなどが荒らす被害があるせいなのかわかりませんが、近頃は玄関先に飾っているお宅はあまり見かけないようです。


「我が家の節分エピソード」

ここでは、節分の日に起こった皆さんのエピソードを紹介します。


パパの「鬼の姿」にギャン泣き!

夫が鬼のお面を付けて浴室ドアを開けると 父親かと思って喜んで迎えようとした子どもは鬼を見るや否や、フリーズ!からのパニックでギャン泣き


「昨年の節分は事前に夫と打ち合わせをし、仕事から帰宅した夫が鬼役をすることに。節分当日、ちょうど母子で入浴中に夫が帰宅。


 そして、夫が鬼のお面を付けて浴室へ。

 

 浴室のドアが開き、父親かと思って喜んで迎えようとした子どもは鬼を見るや否や、フリーズ!!…からのパニックでギャン泣きでした。」


(群馬県 ささやさん お子さん:1歳7ヶ月〜2歳・妊娠中)


お子さんはきっと大好きなパパだ!と思ったのでしょうね。そしたらなんと現れたのは鬼!


まさかお風呂に鬼がやってくるなんて、読んでいる私も思いもしませんでした(笑)


お子さんにとってもかなりの衝撃だったようです。


恵方がわからずくるくるくる・・・

節分 娘が恵方巻を食べている最中に『今年の方角どっちだっけ??』ってなってしまい、仕方ないのでくるくるまわりながら恵方巻を食べていました。


「娘が恵方巻を食べている最中に『今年の方角どっちだっけ??』ってなってしまい、仕方ないのでくるくるまわりながら恵方巻を食べていました。」


(東京都 ラテさん お子さん:生後10~12ヶ月、4歳以上)


食べながらくるくるして気持ち悪くならなかったのでしょうか…!少し気になります(笑)


毎年変わる恵方。「東北東」と言われても、ちょっとお子さんにはよくわからないですよね。


くるくる回ると本来の恵方巻の意味とは異なってしまいますが、個人的には可愛いからオッケー!と思ってしまいました♪

 

鬼の効果がなくなってきた…

節分 上の子がもう6歳なので、豆を買ったときに付いてくる鬼のお面では怖くないから効果なし


「上の子がもう6歳なので、豆を買ったときに付いてくる鬼のお面では怖くないから効果なし。」


(福岡県 たぬきさん お子さん:1歳〜1歳6ヶ月、4歳以上・妊娠中)


ああ!ついに鬼に怖がらない年ごろに成長してしまったのですね…!嬉しい反面、もう少し怖がっていてほしいという親心が垣間見えます。


風習の違いに驚き!

豆まきと言えば落花生だと思っていたのですが、嫁ぎ先では煎り大豆をまいており『落花生をまくなんて!』とびっくりされてしまい、逆にこちらがびっくりでした。


「豆まきと言えば落花生だと思っていたのですが、嫁ぎ先では煎り大豆をまいており『落花生をまくなんて…!』とびっくりされてしまい、逆にこちらがびっくりでした。」


(茨城県 りゅうねさん お子さん:生後2~3ヶ月、3歳〜4歳)


私も今回、ママびよりのスタッフとお話をしていて落花生をまくことを知ったので、りゅうねさんとは逆ですが、びっくりしてしまいました!


今はどちらの豆をまいてらっしゃるのでしょうか?両方ミックスでまく、なんてのもいいのかもしれませんね♪


節分を通じて親子で日本の文化を楽しもう!


節分のような日本独特の行事はその季節に合った行事で、季節をより感じるためのものだと私は思っています。


こういった日本独自の文化や風習は、子育て中は特に大切にしていきたいもの。


皆さんも是非、今年の節分を楽しんで、季節の移り変わりを感じてみてくださいね!


【参考文献】

「子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本 (永岡書店)」

「大切にしたい、にっぽんの暮らし。(サンクチュアリ出版)」

「これ1冊でカンペキ!図解 日本のしきたりがよくわかる本―日常の作法から年中行事・祝い事まで(PHP研究所)」


【調査概要】

期間: 2018年1月18日~23日

方法: カラダノ―トママ部調査

対象: 妊娠・育児中のママ部ユーザー(N=467)


(Photo by:写真AC

(Illust by:イワモトマイコ)