子供が生まれる前に夫婦で旅行に行きたい、という気持ちが妊娠中に芽生えること、ありませんか?そうでなくても、ちょっと遠出をしたいという気分もあるかもしれません。また旅行ではないですが、里帰り出産などで長距離移動がある方も。今回は妊娠中の旅行について気をつけておきたいことをまとめました。


この記事の目次


妊娠中の旅行は必ず事前に産院で相談しよう


まず、第一に妊婦が旅行に行っていいか、ということについてです。
妊娠中の旅行はNG!ではありません。


もちろん、切迫早産や安静指示などが出ている場合は旅行に行っている場合ではない、ということはわかることでしょう。


妊娠の経過がよかったとしても、妊娠中は何が起こるかわからないため、旅行は避けられるのであれば避けたほうが無難です。


しかし、旅行に行けない事でストレスがたまるのであれば、可能な範囲で旅行に出かけるのがよいかもしれません。


その際は必ず事前に産院で相談することが大切です。産院の方針もありますが、妊娠の経過や胎児の状況を踏まえた上で、助言をして下さいます。実際に私も相談し、助言を受けてから旅行のプランを立てました。


もちろん、相談せずに黙って旅行に行くこともできるでしょう。しかし、その結果、母子ともに悲劇が起こるリスクは覚悟しておかなくてはなりません。


【体験談】産院との相談で海外へのマタ旅はNG!国内旅行を楽しむ


筆者は旅行が大好き。
そのため、妊娠中にも旅行の経験があります。その際は必ず事前に産院で相談していました。


海外旅行は何かあった時のリスクが大きい

妊娠前から義両親と夫との4人で海外旅行の計画を立てていました。
そのあと、妊娠が発覚。


旅程は妊娠7ヶ月の頃を予定していたため、いわゆる安定期のためいけるかな、と思っていました。

念のため、産院で相談すると以下のような助言を先生から頂きました。


「海外は保険がきかない。何かあったときにあちらで出産をすることも視野に入れると、言葉の壁や、入院費、産後の生活費、文化の違いによるお産の違いなどあらゆる面でリスクが高い。また長時間のフライトもどうなるかわからない。」


「何度も訪れていて勝手を知っている国である、親族が住んでいる、旦那さんの実家がある、というケースでもない限り妊娠中に海外に行くことは控えた方がいい。」


頭ごなしに否定するのではなく、マタニティ旅行がどれだけのリスクがあるかということを説明した上で、妊婦本人に最終判断をゆだねる方針の産院でした。


そのためストレスを感じることなく、自然と今回の海外旅行は断念しよう、と思えたのです。


結果、海外へは義両親と夫の三人で行ってもらうことに


そしてその代わりに国内で日帰り旅行や1泊2日でいける旅行を夫婦で楽しみました。


マタニティ旅で気をつけたいこと6つ


妊娠中に旅行に行くことは可能です。
しかし、普段の旅行と違い、気をつけておきたいことがあります。筆者の体験をもとに注意事項をまとめました。


1.旅行先は慣れ親しんだ土地&陸続きの土地を選ぼう

先ほどの産院の先生のアドバイスにもある通り、海外で何か起こったときのリスクは計り知れません。そのため旅行をするなら慣れ親しんだ土地がよいでしょう。


 国内も離島などだと、何かあったときの対応に時間がかかることも考えられます。妊娠中の飛行機や船の移動は機内や船上に産婦人科医がいるわけではないため、もしもの時の不安が募りやすいでしょう。不安が大きいことはストレスに直結します。


陸続きだと、近くの産院で緊急対応も可能かもしれません。リスクとストレスが極力かからない旅行先を選ぶことがマタ旅では大切です。


2.母子手帳・健康保険証は必ず携帯すること

普段のお出かけでも大切ですが、旅行中は必ず母子手帳と健康保険証は携帯してください。


3.旅行をキャンセルする勇気を持つ

妊娠中に無理をすると、母子ともに危険な状態になる可能性があります。普段ならキャンセルしない程度の腹痛でも、妊娠中となれば話は別です。


また、妊婦自身の経過は順調であったとしても、風疹や麻疹、その他の感染症が流行っている場合は遠出は控えるのが無難でしょう。


折角予約したのだから、という気持ちはあるかと思いますが、旅先で不安な思いをするくらいなら、キャンセルするという選択肢もあります。


4.妊娠中期(安定期)あたりの旅行計画が無難

妊娠の経過は個人差が大きく、いつ何時どのようなことが起きるかわかりません。しかし、多くの妊婦さんは妊娠中期の安定期が比較的負担なく過ごしやすいようです。妊婦検診の間隔も空く時期ですので、旅行に行くならこの時期に計画するのが無難です。


5.旅行先の産院や救急施設を調べておく

旅行中に何かあった場合、すぐに診てもらえる産院や救急施設をいくつか事前にチェックしておきましょう。もしくはそういった医療施設や専門機関がある地域を旅行先に選ぶようにするのもおすすめです。


6.無理をしない

旅行に行くとついはしゃぎたくなります。しかし無理は禁物。ほどほどに楽しみましょう。


目的地別!妊婦が気をつけたいポイントを解説

続いて、温泉・海・山・人気の観光地と4つの目的地別に、気をつけたいポイントをまとめました。


1.温泉


妊娠中は温泉は禁忌、というようなことを耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これは温泉の泉質がNGということはまずないと思われます。(よっぽど特殊で妊娠していない時でも入浴できるのが限られているような泉質を除く)


温泉の多くは多くの人でにぎわう大浴場です。つわりの時などに無理して大浴場で嘔吐をしたり、妊娠後期に大浴場で破水をしては大変ですよね。また、温泉だからと長風呂をしてしまうと、妊娠中のため脱水症状が出てくることなどもあるかもしれません。

泉質がNGというわけでなく、妊娠中における体調の変化に温泉では特に注意してくださいということかと思います。


また大きなお腹ですので、泉質によっては床が滑りやすくなっていることも。歩行時はくれぐれも注意しつつ、長風呂は控えましょう。


広いお風呂につかるのは本当にリラックスしますので、適度な温泉入浴はおすすめです。


2.海


妊娠中の海水浴で気をつけたいのは「日焼け」

妊娠中は日焼けしやすく、また日に当たり続けると疲れやすくなります。

ビーチパラソルや海の家など日陰でこまめに休憩し、水分補給をしましょう。


マタニティスイミングがあるくらいですので、海に入ることはNGではありませんが、長時間水につかるのは体が冷えてしまうこともあります。


また、人が多い海水浴場などでは人にぶつかることで転倒などの危険があるでしょう。


普段から海水浴に行き慣れている場合は、妊娠の経過がよければ特に大きな問題はないかと思いますが、産院で相談するのが無難です。


行き慣れていない人が、妊娠中に海水浴をするのは控えた方が無難かもしれませんね。

海辺でお散歩を楽しむくらいがいいのかもしれません。


3.山


難易度の高いコースの登山は避けたほうが無難です。

また、一般的に産院や救急施設から離れているところが多いため、マタ旅の目的地としては不適切かもしれません。


標高が低い、都市部からのアクセスがいい、ロープウェイがある、舗装されているコースが多いなど、難易度の低い山を選ぶのがいいでしょう。


筆者はマタ旅で登山に行っていますが、それは独身の頃に3,000m級の山の登山、縦走経験があり、山の基礎知識があるためです。


海と同様、行き慣れてない人は妊娠中の登山は控えた方が無難でしょう。

山のふもとで山の景色を楽しみながら森林浴するのも、空気がおいしくリフレッシュになるはず。


4.人気の観光地


人気の観光地で気をつけたいのは人混み。

ぶつかって転倒することや、感染症をもらうリスクがあります。

普段から人混みの中を通勤している妊婦さんもいらっしゃるかと思いますが、旅先では気が緩みがち。


できるだけ混雑の時間や時期をさけるようにしましょう。


妊娠中の旅行は自己責任!万全の準備で後悔しないマタ旅を


妊娠中の旅行は最終的には自己責任です。個人の経験や妊娠経過によるところも大きいので、くれぐれも無理をしないようにしてください。


妊娠中の旅行も、もちろんいい思い出になりますしリフレッシュにもなります。

線引きも個人差がありますが、出来ることなら楽しいマタニティライフを送ることがママにとっても赤ちゃんにとってもベストです。


身体のことを最優先で、過ごしてくださいね。

 

(Photo by:写真AC