妊娠中に「赤ちゃんは元気かな」と気になるママも少なくありません。おなかの赤ちゃんの様子を知るための情報のひとつに「心音」があります。心音はいつから聞けるのか、自宅に聞くこともできるのかなど、今回は胎児の心音についてみていきたいと思います。
この記事の目次
- 心音とは「心臓の音」のこと
- 胎児の心臓は妊娠4週目くらいからつくられる!心音は妊娠12週目ごろ
- 心音は妊婦検診で使う「超音波ドップラー」で聞ける
- 心音からわかる胎児の情報
- はじめて赤ちゃんの心音を聞いた時に妊娠の実感がわいた人はおよそ2人に1人
- 心音の確認は自分でもできるの?自分で聞く方法
- 胎児の心音を聞く効果
- 筆者は聴診器で心音を聞くことにチャレンジしけれど聞こえず…!
- 心音は子宮の中で赤ちゃんが生きている証!!
心音とは「心臓の音」のこと
心音とは心臓から聞こえてくる音のこと。心臓は全身に血液を送るために拍動しています(心拍)。
この血液を送るときに心臓にある弁を開け閉めするのですが、その弁が閉じるときに聞こえる音を「心音」と言います。
胎児の心臓は妊娠4週目くらいからつくられる!心音は妊娠12週目ごろ
妊娠4週目から10週目は器官形成期と言って骨や筋肉、神経管などがつくられる時期のことです。脳は妊娠5週目ごろにつくられますが、心臓はそれよりも早くから形成されていきます。
胎児の心拍は妊娠5週目から妊娠6週目に
全身に血液を送る拍動がみられるのが、妊娠5週目から6週目ごろ。そのため、妊娠に気づくのが早いと、心拍確認ができないこともあります。
胎児の心音は妊娠12週目ぐらいから聞くことが可能
心臓の拍動はエコーでみることができますが、実際に音を聞くのは少し先のこと。というのも妊娠5週目ごろの赤ちゃんの大きさはまだ4mm程度の大きさ。
そのため音を聞くのはまだ難しいのです。
妊娠4ヶ月頃、妊娠12週目ごろになると胎児も大きさ6~7cmほどに成長しますので、心音が聞こえるようになってきます。
心音は妊婦検診で使う「超音波ドップラー」で聞ける
心音を聞くにはそのための機器が必要になります。昔はトラウベ聴診器という筒状の聴診器を妊婦のお腹にあてて聞いていました。助産院さんの助産婦さんなどはいまでも使っていらっしゃるかもしれませんね。
妊婦検診では一般的に超音波ドップラー(ドップラー聴診器)を使って、胎児の心音を聞きます。
胎児の心音(拍動)は1分間に140回!!
心音を聞くときに「ママ側の心音と間違わないのかしら?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
成人女性の心拍数は、1分あたりおよそ70回。妊娠中は胎児に血液を送るべく80~90回ほどに拍動が増えます。胎児は時期にもよりますがだいたいは120~160回が正常値で、妊娠中を通しての平均値は140回です。
つまり、胎児の拍動はママの約2倍ですので、聞き間違えることはないでしょう。
心拍数は少しずつ減少していく
ちなみに無事赤ちゃんが誕生した後は心拍数はどうなるかというと、乳児は120~140回、幼児は100~110回、となり小学生の頃には80~100回と少しずつ変化していきます。
心音からわかる胎児の情報
妊婦検診で心音(心拍数)をチェックするのは胎児の健康の状態を知るためです。
心拍数が早すぎる、遅すぎる、心拍数が安定しないなどの場合、先天性の疾患や胎児機能不全などのトラブルがある可能性も考えられます。
懸念があれば担当医から何かしらのお話があるかと思いますので、特にないようなら心配しすぎることはありません。
はじめて赤ちゃんの心音を聞いた時に妊娠の実感がわいた人はおよそ2人に1人
ママびよりがアンケート調査で「妊娠の実感がわいた出来事」を調べたところ、なんと45.7%のママたちがはじめて赤ちゃんの心音を聞いた時、と回答されました。
確かに、妊娠初期の頃はまだお腹も出ておらず、目立った変化もないためなかなか実感がわきにくい方もいらっしゃるでしょう。
自分とは違う心音、胎児の心音を直接耳にすることで、お腹の中に赤ちゃんがいることを強く認識できるのかもしれませんね。
心音の確認は自分でもできるの?自分で聞く方法
妊婦検診で聞くことのできる胎児の心音。実は家庭でも聞ける方法があります。
聴診器をお腹にあてて聞いてみる
(出典:Amazon)
耳にかけて使用する一般的な聴診器をお腹にあてて、心音を聞く方法です。
手軽にできますが、胎児の位置や時期、母体側の様子次第で聞こえたり聞こえなかったりします。
ローズマダム 心音ちゃんシングル
胎児の心音が聞ける聴診器「心音ちゃん」。医師が使用しているものと同等のタイプで、妊娠7ヶ月以降からの使用がおすすめです。
家庭用ドップラー聴診器を使ってみる
(出典:Amazon)
ドップラー聴診器は家庭用のものもあります。妊婦検診で使用するものと同じく超音波を使って心音を聞く方法です。早ければ妊娠12週目ごろから聞くことが可能。
お腹が目立たない、つわりが全くない、ちゃんとお腹の中で元気なのか不安、といったママからも人気のようです。
胎児超音波心音計 エンジェルサウンズ
プロープの部分をお腹にあてて聞きます。妊婦検診の時と同様クリームやジェルをお腹に塗ってからの方がお腹の中の音の聞こえがよくなりますが、何もつけずに使用しても聞こえます。
付属の録音ケーブルでパソコンやボイスレコーダーなどの録音機器に繋げば、胎児の心音を録音することも可能。
心音アプリを使う
(出典:App Store)
アプリを使って心音を聞くことも可能です。
赤ちゃんの心拍を聞く・My Baby's Beat
iPhoneの内臓マイクを使用して赤ちゃんの心音を聞けるアプリ。ネット接続をoff(機内モード)にして使用します。録音データはメールなどでシェアできるので、パパやじぃじ・ばぁばも心音を聞くことが可能。
使用期間は妊娠30週目~40週目と比較的お腹が大きくなってからのようですが、いつも持ち歩いているものなので、気軽に心音を聞けるのが嬉しいですね。
胎児の心音を聞く効果
胎児の心音は胎児の健康状態を知るためのバロメータのひとつですが、ママが胎児の心音を聞くことで得られる効果は他にもあると考えられています。
不安の払しょく
「今日も元気かな」妊娠中のママは胎児の様子が気がかりなもの。自分の身体の中で起こっていることながらも、直接胎児の様子を目で見ることができないため、次の妊婦検診までの時間が不安という方も。
胎児の心音を聞くことによって、今日も元気だ!と確認できママの安心につながります。
リラックス効果
心音を聞くとリラックスするという効果もあるようです。確かに小さな子供などはママの心臓の音を聞くと安心して泣き止む、眠るなんて言いますよね。
胎児の心音を聞くことでママもリラックスできるかもしれません。
パパとのコミュニケーション
妊婦検診へ一緒に行けないパパも、おうちで胎児の心音が聞けるならぜひ一緒に聞いてほしいもの。
男性はどうしても、子供が生まれることをなかなか実感しにくいので、お腹の音を聞くことでパパになる実感が早いうちから湧いてくるでしょう。
筆者は聴診器で心音を聞くことにチャレンジしけれど聞こえず…!
筆者は妊娠中に自分のお腹に聴診器をあてて心音を聞くことに挑戦しました。妊娠35週目ぐらいだったと思います。
使い方がまずかったのか、聴診器をあてた位置が悪かったのかはわからないのですが、音は聞こえるもののよくわかりませんでした…。羊水の音なども不明…。
何回かチャレンジすれば、聞くこともできたのかもしれませんが、私はそこまで心音を聞きたい!というタイプの妊婦ではなかったため早々にあきらめてしまいました。
心音をうまく聞き取るにはコツが必要なのかもしれませんね。
心音の録音データがもらえる産院もある
筆者が自分で躍起になって心音を聞こうとしなかった理由でもあるのですが、お世話になった産婦人科では出産後に胎児の心音データをご厚意でいただける病院でした。
心音は子宮の中で赤ちゃんが生きている証!!
心音はお腹の中で元気にしている証です。なかなか自分で聞くのは難しいかもしれませんが、聞ければより一層胎児への愛おしさも増すことでしょう。
妊娠中は何かと気がかりなことが増えますが、赤ちゃんもママもリラックスして過ごせる日々でありますように。
【調査概要】
期間: 2017年8月25日~28日
方法: ママびより調査(カラダノ―トママ部調査)
対象: 妊娠・育児中のユーザー(N=317)
(Photo by:写真AC)