9月1日は防災の日。またその前後は防災週間です。毎年、地震や大雨、台風などといった自然災害で多くの人が命を落としています。そして子供たちをキズつける大人も残念ながらどのご時世にもいて、犯罪に巻き込まれる事件もおこっています。今回はこどもと一緒に防災・防犯を学べる絵本のご紹介です。


この記事の目次


【防災と防犯】命を守る教育は幼児の頃から


災害であれ、犯罪であれ、遭遇したくはないですが、遭遇する可能性が決してゼロではありません。常に親がそばにいるわけでもないですので、こどもが自分で自分の身体を守る意識を持つことはとても大切です。


自分の命は自分で守る

親の多くは「我が子は絶対守る!」と思っている人も多いでしょう。年齢が小さければ小さいほどその思いも強いかもしれません。しかし、社会性が養われる3歳頃からこどもたちは徐々に「外の世界」とのかかわりが増えてきます。


外とのかかわりが増え始めていくと、親と過ごす時間も少しずつ少なくなっていきます。成長が嬉しい反面、犯罪に巻き込まれないかがという不安も出て来るのが親心。


特にこどもがひとりで登下校をする小学校に上がるタイミングで、不安は大きくなるでしょう。そのため、小学校入学までに防災・防犯意識をこどもに持ってもらうことが大切です。



自分の身体に興味が出てくる3歳頃は防犯意識を高めるタイミング


防犯教育は、自分の身体に興味が出てくる3歳頃からが防犯意識を高めやすい時期です。


3歳頃になると、男の子と女の子の身体の違いに「どうして」と疑問を持ち始めてきます。その疑問が子どもから出てきたら、防犯教育のはじめ時かもしれません。


防災についても文字が読めるようになる3歳前後からはじめましょう。保育園や幼稚園などに通園している場合は、園での防災訓練のときが防災教育のタイミング。


おうちに帰ってから、防犯訓練でどんなことをしたのかお子さんに聞いてみてください。


防災や防犯にかかわる日や週間


普段から防災・防犯意識は高めてほしいですが、人間どうしても日々の生活に追われて意識が低くなることもあります。また、忘れてしまってとっさに動けないこともあるでしょう。


防災や防犯にかかわる日は、防災や防犯対策の見直し日として、意識が低くならないように工夫することも大切です。


防災とボランティア週間
1月15日~21日


がけ崩れ防災週間
6月1日~7日


防災週間
8月30日~9月5日


防災の日
9月1日


防犯の日
毎月18日

 


続いて、3歳ごろからのこどもと一緒に読みたい防災・防犯におすすめの絵本を紹介します。 


とにかくさけんでにげるんだ わるい人から身をまもる本(いのちのえほん)

(出典:Amazon


出版社 : 岩崎書店 (1999/1/25)
価格:1,430円


防犯の絵本でおすすめなのがこの一冊です。自分を取り巻く環境に「わるいひと」がいることを知るきっかけになります。また、自分の身体を大切にすることの大切さや、声をあげること、逃げることについても親子で読みながら話し合いたい絵本です。

 

ぜったいについていかないよ! ゆうかい・つれさりにあわない (じぶんでじぶんをまもろう)

(出典:Amazon


出版社 : あかね書房 (2006/1/1)
価格:1,540円


少し文字数は多いものの、年中さんでも読み聞かせができる程度のボリュームのため、小学校まで長く読むことができる絵本です。


さまざまなケースが書かれており「知らない人についていってはいけない」というケースを学習できるとともに、親自身もこんなケースがあるんだ、と再認識できる一冊です。


わたしのはなし (おかあさんとみる性の本)

(出典:Amazon


出版社 : 童心社 (1992/10/1)
価格:1,430円


防犯で大切なのは、まずは自分の身体を知ること。プライベートゾーンは自分で守るという自分の身体を自分で大切にすることが伝わります。女の子向きですが、女の子と男の子の違いを知るためにも男の子への読み聞かせも◎

 

地震がおきたら

(出典:Amazon


出版社 : ビーエル出版 (2017/10/1)
価格:1,320円


阪神淡路大震災を経験した神戸市消防局が企画・協力のもと誕生した絵本。母と子の対話方式で、進んでいくので読み聞かせにもぴったりです。


自分の身体を守ることや助け合うことが書かれています。巻末には防災の知識や、緊急連絡先を書こめる「かぞくのやくそくカード」がついています。


はなちゃんの はやあるき はやあるき

(出典:Amazon


出版社 : 岩崎書店 (2015/1/26)
価格:1,430円


3月11日の東日本大震災に遭遇した実際の保育園の話を元につくられた絵本です。実際の話をつづった絵本はあまりありませんので、実際に起きたことを伝えることにも役立ちます。


避難訓練の大切さはもちろん、地震や津波の恐ろしさ、自然の脅威を感じることのできる一冊。

 

ぐらぐらゆれたら だんごむし (おやこでまなぼう! 防災しかけ絵本)

(出典:Amazon


出版社 : 東京書店 (2018/2/26)
価格:1,320円


かわいいイラストが目を引く親しみやすい絵本ですが、しっかりと防災の内容が描かれています。

ダンゴムシのポーズは地震から身を守るためには覚えておきたいポーズですので、自分で動けるようになる1歳頃から読み聞かせたい作品です。しかけ絵本。


ハローキティのおしえて!防サイくん(かぞくみんなでぼうさいマスターになろう!)


発行:東京都総務局総合防災部防災管理課


自治体がオリジナルで作っている冊子もあります。東京都では2019年の11月から「とうきょうぼうさいえほん」が無料で配布。


筆者も産婦人科でゲットしました。東京都の防災マスコット防サイくんとキティちゃんの会話形式で作られており、巻末には災害チェックリストや液体ミルクについても書かれていますので、小さな子供がいる家庭にはありがたい一冊。


キティちゃん好きの女の子なら、興味を持って読んでくれること間違いなしです。


防災と防犯は将来にも役に立つ!小さなうちからはじめよう


防犯・防災教育は学力や体力の向上といったものではないため、0歳児からの早期教育をしてもあまり意味のあるものではありません。しかし、自分の身体は自分で守るという意識はこどもだけでなく大人になってからも役に立ちます。特に女の子は性犯罪に巻き込まれやすいため、小さいうちから自分の身体を知って守ることが大切です。


思春期やそれ以降にも続く防犯教育を、幼いうちから家庭で少しずつ積み重ねていくことは、こどもを犯罪から守るための親の愛情だと、個人的には思っていますので、絵本を通じて親子で防災や防犯意識が高まるようにしていきたいものですね。

 

 (Photo by:写真AC