はじめての新生児育児。

授乳後に背中を軽くトントンしてゲップを出させましょうと教わるも、なかなかゲップが出てこないと焦ってしまうものです。


ゲップが出ないときの対処法は無理にゲップをさせず、履き戻しがのどに詰まらない姿勢で寝かせるのが基本。


毎回ゲップが出ず、履き戻しが多いようなら、ゲップをださせるスタイルを変えてみましょう。筆者が実際に助産師さんから直伝してもらったコツもご紹介。


今回は授乳後のゲップについて解説します。


この記事の目次

ゲップが出ないときの対処法


授乳後、赤ちゃんのゲップを出そうと背中を軽くトントン…しかしゲップが出そうになりません。そんな時はどうしたらいいの?と迷うママも多いはず。


小児科オンラインの小児科医である後藤くみこ先生によると、ゲップが出ないときは、仰向けにして顔だけ左右どちらかに傾けるもしくは横向きにして寝かせるのが対処法です。

参照:「小児科オンラインジャーナル 赤ちゃんのゲップが出ない時の対処法(2021.03.05)」(KIDS REPUBLIC)


産まれたばかりの赤ちゃんの胃は容量が小さく、形状も日本酒の熱燗を温める“とっくり”状のため、吐き戻しが起こりやすくなります。


仰向けで寝てしまうと、吐き戻したときに気道に吐いたものが詰まってしまう可能性があるため左右どちらかに傾けることが大切なのです。


授乳後に赤ちゃんにゲップをさせる理由


そもそも何故授乳後に赤ちゃんにゲップをさせなければならないのかというと、授乳の際に空気も一緒に飲み込んでしまうためです。


先ほど書いた通り、赤ちゃんの胃は容量が小さくすぐいっぱいになります。


大人も食事などで空気を飲み込むのですが、胃の容量も大きくなり、ゲップをせずに済むことも多く、また自分の意思でゲップをすることが可能です。


しかし、赤ちゃんの身体はまだ未発達のため、自力でゲップすることができないのです。


そして赤ちゃんの胃は吐き戻しをしやすいとっくりのような形をしています。

そのため、ゲップをしないでいるとミルクや母乳を吐き戻しをしてしまうことにも繋がるからです。


ゲップを出させるまで抱っこがつらい…助産師直伝のコツ


ゲップの出し方は以下の通りです。


授乳終了後、縦抱きで背中を軽くトントンしてママの肩の上で「げふっ」とゲップが出ればOK!


しかし、これではゲップがなかなかでないことが多々あります。


そしてゲップを出す前に寝てしまい、ママは授乳姿の状態でどうしたらいいのかわからず、ずっと縦抱き抱っこで、疲れ果ててしまう…真面目で愛情深い女性ほど陥りやすい「頑張りすぎ育児」に繋がっていきます。


新生児の頃はママも産褥期ですので身体を休める時期。

無理をすると産後うつや育児ノイローゼに繋がりますので、縦抱き以外のゲップの出し方もマスターしておきましょう。


筆者が産後入院していた際に助産師さんからおしえていただいたコツもご紹介します!

 

ゲップを出させる4つのスタイル

ゲップを出させるには4つのスタイルがあります。


①縦抱き

②太ももの上で座り抱き

③太ももの上で対面抱き

④太ももの上でうつ伏せ


①縦抱き

よくするスタイル。縦抱きで背中をトントンしてママの肩の上で「げふっ」とゲップが出ればOK!


②太ももの上で座り抱き

膝の上に横向きに赤ちゃんを座らせます。上半身を少し前に傾け胸のあたりを支えながら背中を軽くトントンとしてゲップを出します。まだ首がすわっていないので首がぐらぐらするときはあごを支えてあげましょう。


③太ももの上で対面抱き

膝の上に赤ちゃんと向かい合うようにして座らせます。上半身は少し後ろに傾けながら背中をトントンして出させてあげましょう。


④太ももの上でうつ伏せ

うつ伏せににして背中をトントンする方法もあります。しかし、首のすわっていない新生児には不向き。このスタイルは首がすわり始めた生後2~3ヶ月以降からを目安に行うため、今ではこの方法を行う方はほとんどいないのではないでしょうか。


助産師さん直伝のコツ「下から上にさする」

筆者の実母と我が子。②太ももの上で座り抱きスタイルでゲップ待ち。

 

背中をトントンする、は実はトントンでなくてもいいんです。筆者が出産した産院の助産師さんのアドバイスによると、トントンで出ないときは背中を下から上にさすってあげてみて、とのことでした。

トントンよりもさする方がゲップが出やすいタイプのお子さんもいるようです。


また、太ももの上に座らすだけでなく、赤ちゃんをしっかりと支え抱くことができるならベッドの上などに座らせて②や③の方法でもOKとのことでした。

その方が赤ちゃんの顔が見やすく、ゲップをしたかどうかもわかりやすかったです。


さらにゲップは授乳をしたママが必ずしなければならないお世話ではないので、授乳後はパパや祖父母にバトンタッチもOK!とのアドバイスももらいました。


そのアドバイスのおかげで、基本はゲップを自分で出させていたもののどうしてもしんどいときは授乳後にバトンタッチしていました。


それでもゲップが出ないときは対処法でケア

筆者の子ども。(生後1ヶ月ごろ)授乳後、ゲップをしないので授乳クッションを使って上体をあげている。


いろんな方法でゲップを出そうとさせても結局出ないこともありますよね。

また授乳中に寝てしまう赤ちゃんもいます。


基本は対処法のように吐き戻しが詰まらないように向きを変えて寝させるケアをしましょう。


筆者は授乳したまま寝てしまった子どもをそのまま膝の上で授乳クッションにもたれさせて上体を上にあげてしばらく見つめていました。

そうすると勝手にゲップすることもありましたし、急に横にさせていないせいか、そのあと寝ころばせても吐き戻しは少なかったです。


空気を飲む量が少ない子もいる

授乳が上手で空気をあまり飲まない子の場合はそもそもゲップが出にくいことがあります。

ゲップが出ずとも苦しがっている様子がない、吐き戻しもなく、順調に体重も増加しているようなら飲むのが上手な赤ちゃんなのかもしれませんね。


なお哺乳瓶は構造上、空気が入ることでミルクが出てくるため、母乳育児よりも空気を飲みやすいです。


ゲップで出なかった空気はおならに

ゲップが出ないと空気が溜まったままなのでは…?と心配されるかもしれません。

ゲップで出なかった空気はおならとなって出てきますのでご安心ください。


ゲップを出させるのはいつまで?「首がすわるまでが目安」


赤ちゃんにゲップを出させるのは首がしっかり座るまで、がひとつの目安です。


首がすわる時期になると、赤ちゃんも成長し母乳やミルクの飲み方がうまくなっています。

また、成長とともに胃の容量も大きくなるため、ゲップを出させようとサポートしても出てこないことが増えてきます。


身体も少しずつ成長していくので、赤ちゃん自身が自力でゲップできるようになってきます。

お座りするころにはほとんどの赤ちゃんが自力でゲップするようになってきますので、ゲップのサポート期間は産後直後から3~4ヶ月程度です。


ゲップが出なくても機嫌よく、体重が増えてたらOK!


吐き戻し予防のため、授乳後ゲップの出せない赤ちゃんにゲップを促す方法は4つ。


①縦抱き

②太ももの上で座り抱き

③太ももの上で対面抱き

④太ももの上でうつ伏せ


新生児には④のスタイルは不向きなので①~③を試してみてください。


背中をトントンではなく、下から上にさする方法に切り替えてみることでゲップが出やすくなることもあります。


それでもゲップが出ない、授乳中に寝てしまった、といった場合は無理にゲップをさせず、吐き戻したときに気道が詰まらないように横向きや上体を起こした姿勢を保つように寝かしてください。


ゲップが出なくとも、機嫌がよく体重が増えているようなら問題はありません。

ただし、吐き戻しが多く、体重が増えない場合は小児科や助産師外来などで相談することをおすすめします。


成長とともに自力でゲップができるようになりますし、哺乳瓶も自分で持って飲むようにもなります。赤ちゃんの成長はあっという間ですね。