ワンオペ育児が続くと心身ともに異常をきたし、ひどいときには病気になることもあります。


筆者は第一子出産後から第二子が1歳を迎えて数ヶ月経つまでワンオペ育児だったため、体調鵜を崩し、その後1年ほど通院し、回復しました。

また、通院しながら夫と話をすることで、夫の働き方を変え、家事や育児に参入してもらうことができ、過酷なワンオペ育児は終わりました。


ひとりでも多くのママやパパが筆者のように倒れるほどつらくなる前に、ワンオペ育児を乗り切るための方法を5つご紹介します。


「まだひとりで頑張れる…」と思っていたらもうそれはつま先立ちの状態です。

いつまでも赤ちゃんを抱えてつま先立ちでは経ち続けることはできません。


ワンオペ育児がつらい、と感じはじめたら(できれば感じ始める前に)ぜひ実践してください。


この記事の目次


ワンオペ育児とは?


ワンオペ育児とはどちらかの親がひとりで育児(および家事)を行うことが常態であることを指します。


ワンオペはワンオペレーションの略で、ワンオペレーションとは飲食店やコンビニ・介護施設など人手が不足しやすい時間帯に1人のスタッフにすべての仕事をおこなわせること。


2022年には深夜時間帯のすき屋でワンオペしていた女性が仕事場で心筋梗塞を起こして死亡した事件も発生し、ワンオペは過酷でありながら気づかれにくい現状が浮き彫りになりました。


ワンオペ育児はどこからどこまで?


ひとりで育児を行うことを「ワンオペ育児」と言いますが、どこからどこまでがワンオペ育児なのか、というとはっきりした定義はありません。


ただ、一般的には以下のシチュエーションの際にワンオペ育児と呼ばれる傾向にあります。


・子どもが乳幼児

・離婚や死別によるひとり親

・配偶者が単身赴任中

・配偶者が早朝出勤、深夜退社

・配偶者が土日祝不在


上記に加えて、実家や義実家の協力を得ることができず(遠方・老齢・死別など)、育児を主体で行っている人が自分一人で出かけることがままならない状況におかれている人を「ワンオペ育児」と呼ぶことが多いようです。


また配偶者の無理解・非協力的な姿勢によって、夫婦がそろっているにもかかわらず、一方に家事育児の負担がかかる状態についてもワンオペ育児と呼ぶこともあります。


ワンオペ育児を乗り切るための5つの方法


ワンオペ育児を乗り切る方法は5つあります。


①保育や家事を「親」だけでしない

②家事育児へのハードルを下げる

③配偶者と話し合う

④息抜きをする

⑤便利家電・時短ツールの活用


①保育や家事を「親」だけでしない

現代の子育ては「孤独な子育て=孤育て」というくらい、親だけが子どもを見守り育てる風潮になってきていますが、子育ては親だけではできません。


祖父母や、地域の人たち、保育園の先生や、保健師さん、ママ友などさまざまな人に見守られて、親子ともども成長するものなのです。


ワンオペの根本的な原因は「ひとりで育児をすること」「家事育児の負担を夫婦のみで解決しようと頑張りすぎてしまうこと」に問題があるのです。


一方の配偶者が頼れない状くようなのであれば、他の大人を育児に巻き込みましょう。


・祖父母

・保育園

・ベビーシッター

・ファミリーサポート(ファミサポ)

・家事代行


など、人員的支援を受ける方法はいくつかあります。


はじめての育児は、わからないことも多くママの視野が狭くなりがち。

「自分が頑張らないと」「夫と協力しないと」と躍起になってしまいうのですが、頑張りすぎるとママが倒れてしまい、結果的に赤ちゃんを困らせることにも繋がります。


②家事育児へのハードルを下げる


ワンオペ育児で「困りごと」が多い人は、自分の中の「家事」「育児」のハードルが高いケースがあります。

どちらも完ぺきを目指すあまり、自分でワンオペの負荷をより強くかけてしまっている状態。


子どもが小さいうちの家事育児には


「ま、いっか」

「明日できることは明日やる」

「しなくていいことを見つける」


上記のような、ハードルを下げる意識を持つようにしてください。


特に「できない」ことが増えると自己評価が低くなるタイプの方は、焦って空回りをしがちになります。

産後は出来ないことも多いのが当たり前です。

そして、妊娠出産のダメージは想像以上に心身に影響があります。


できない自分を許すことを成長のポイントにできるといいですね。


③配偶者と話し合う

ワンオペ育児のケースは大きく分けて2つあります。

夫婦の認識のズレ・会話不足によるケースと、夫の無理解・協力する姿勢を示さないケースの2つです。


前者の場合は配偶者との会話で、ワンオペ育児の負担が軽減する可能性が高いです。


なぜなら、話さないことにはお互いの状況や気持ちは伝わらず、せっかくの思いやりも相手にとっては不要だった、なんてミスマッチが起こっているからです。


まずはしっかりと話し合うことが大切。


その結果、配偶者が家事育児のために転職することも一つの選択です。

他にも移住による親戚の支援や、外部サービスの利用など、ワンオペの負担を夫婦で軽くする、という同じ方向に向かって努力できるからです。


また、女性の場合はワンオペ育児の状態が解決できずとも、話を聞いて共感してもらえるだけで心理的な負担が軽減されます。


もし、ママが「ワンオペがつらい」と話してきたら、しっかりパパは耳を傾けて、共感し、その状況に追い込んだことを謝罪しつつ、今まで乗り切ってきてくれたことを感謝してください。

それだけではワンオペの根本的な解決にはならないものの、ママの心はぐっと軽くなるはずです。


なお、産後2~3年の間は夫婦の中が急速に冷えやすい「産後クライシス」の時期です。

ワンオペ育児にかかわらず、産後の身体の回復は時間がかかるうえ、育児が大変であるということです。

しっかり夫婦で話し合いましょう。


④息抜きをする


ワンオペ育児が大変なのは幼い子どもに24時間付きっ切りで、寝ている時ですら気が抜けない状態、いわゆる過緊張の状態が続くことが挙げられます。


だからこそひとりの時間で息抜きをすることは欠かせません。


カフェに行く、夜更かししてドラマを観る、散髪に行くなど適時自分のための時間を持つことで息抜きしてください。


ママに多い意識ですが、息抜きをすると「こんなに休んでいいのか」と誰かに責められるような気がすることがあります。


しかし、誰も怒りませんし、責めはしません。


息抜きをしなければ誰だって倒れてしまいます。


そして息抜きの仕方や頻度などは個人差があります。


出産にかかる時間が人それぞれ違うのと同じように、息抜きの時間も違うのです。


毎晩寝かしつけの後にドラマを観ることでリフレッシュする人もいれば、子どもを預けてひとりでお出かけすることが息抜きの人もいます。


誰かと比較せず、今の状況でできる自分に必要な息抜きをしてください。


⑤便利家電・時短ツール、サービスの活用

ワンオペの味方は人員的 支援だけではありません。

便利家電や時短ツールも上手く取り入れることでワンオペ育児の負担を減らすことができます。


・乾燥機能付き洗濯機

・食洗機

・ルンバ(ロボット掃除機)

・アレクサ(AI音声認識サービス)

・ミールキット

・冷凍ミール

・お弁当配達

・寝かしつけアプリ


など。

ご自身の状況に応じてうまく取り入れていきましょう。


筆者はワンオペ育児で育児ノイローゼ・不眠症に


筆者もワンオペ育児の経験者。

上の子の出産のタイミングで夫の部署異動があり、第一子産後から第二子が1歳半になるまでの3年半ほどワンオペでした。


ひとり目のワンオペは、子どもが育てやすい性格の子だったこともあり、比較的問題なく育児はできていましたが、第二子出産後は産後一年で転がるように体調が悪化していったのです。


2人目の卒乳が済み、夜もしっかりとまとまって寝てくれる日ばかりになってきた1歳数ヶ月ごろ。

私は夜、寝れなくなっていました。


最初は「疲れが足りない」と思い、ワンオペ育児の身体に鞭打って、土日もひとりで車を走らせて、遠くの公園まで行き、身体を動かしていました。


しかし、全く寝ることができないのです。


寝付きに数時間かかり、ようやくうとうとしたときに子どもの泣き声が聞こえるような気がして起きるも子どもは熟睡中。


そしてもう一度寝ようと試みるもなかなか寝付けず、トイレに起きること数回。


空が白み始めてきたころに眠気がきて、少し寝た、と思ったらもう朝で「眠い」と思いながらも1歳と3歳の支度をして保育園へと行く日々でした。


この頃は、物忘れがひどく、記憶もあまりありません。

育児ノイローゼのような状況になっていたので、病院に行って「不眠症」だとわかったのです。


 

筆者がワンオペ育児から脱した方法


筆者がワンオペ育児から脱した方法は3つ。


①夫と相談して夫の働き方を変えてもらった

②不眠症の治療

③育児ノイローゼのカウンセリング


①夫と相談して夫の働き方を変えてもらった

その頃の夫は朝6時半に家を出て、25時頃に帰宅、週6勤務という過酷な状態でした。

そのため、ほとんど顔を合わさず、また休日も『寝たいだろう』と思い、気を遣ってできるだけ起こさないように子どもを連れてお出かけしに行っていました。


こういったハードワーカーの夫の場合、夫も頑張ってくれている、という気持ちから自分のつらさを話すことができにくくなります。


不眠症にかかった筆者が言うのものおかしい話ですが、病気になってからでは遅いです。

もっと早めに話して働き方を改善してもらっておけば夫も私もここまで苦しまなくてもよかったのかも、と感じています。


不眠症の診断が下りたことで、夫が上長に相談し、部署移動となりました。


今の部署は出張はありますが、それ以外の日は基本定時が多く、土日祝も休みが多いためお風呂を入れてくれたり、お皿洗いをしてくれるようになりましたし、寝かしつけを変わってもらうことで夜にひとりの時間を持てるようにもなりました。


②不眠症の治療

ワンオペ育児で無理をし続けると、身体は悲鳴をあげます。

その結果何らかの病気を発症することがあるでしょう。


筆者の場合は不眠症によってそのほかの様々な症状もありました。

まずは身体の不調を治すことからはじめましょう。


③育児ノイローゼのカウンセリング

ワンオペ育児は孤独です。

特に子どもが幼いときは会話相手もいないため、大人との会話が不足しがち。


ママ友などとお話しするのもいいですが、自分の困りごとを解決したいときはプロへ相談するのがおすすめです。


不眠症の治療の一環で、傾聴カウンセリングと家族カウンセリングを受けたのですが、専門家と話すとこちらの気持ちに寄り添った助言をいただけるので、やはり困りごとの解決にはプロへの相談がぴったりです。


ワンオペ育児を脱しても、家事育児仕事のバランスは難しい!臨機応変な変化が大切


筆者は現在ワンオペ育児から脱しています。

しかし、夫婦の役割分担の難しさや、仕事との両立などワンオペでなくても家事育児仕事のバランスを取るのは難しいな、と実感しています。


子どもの成長に合わせて、ほしい支援も変わってきました。


そのため、その時その時に合わせてこちらも臨機応変にすることが大切です。


子どもが幼いうちの育児は本当に大変です。

無理なく、できる限りワンオペ育児の負担を減らして乗り切っていきましょう。