生理が来ない、遅れている…妊娠検査薬や産婦人科で「妊娠している」ことがわかったときから気づけばもう妊娠初期がはじまっています。そして妊娠初期と言えば「つわり」。妊娠初期ははじめてのことだらけで不安なことも多い時期です。どのように過ごしたらいいのでしょうか。


この記事の目次


妊娠初期(~15週)の胎児の様子


まずは妊娠初期の胎児の様子をみていきましょう。


妊娠2ヶ月(妊娠4週~7週)

妊娠5週目胎嚢が確認できるようになってきます。

妊娠6週目を過ぎると胎児の心拍が確認できるようになってくるでしょう。

妊娠7週目には脳や脊髄の神経細胞が8割ほど作られます。


胎児の大きさ/体重:2~4g程度、身長:8~16mm程度


妊娠3ヶ月(妊娠8週~11週)

妊娠8週目になると内臓の基本形はほぼできあがってきます。

妊娠10週頃には顔の形成がだいぶ進み、肺や胃、腸などが機能しはじめます。

妊娠11週頃になると、頭、胴体、足にしっかり区別され3頭身に。


胎児の大きさ/体重:10~12g、身長:43~60mm程度


妊娠4ヶ月(妊娠12週~15週)

妊娠12週目頃になると羊水の中で手足を動かして泳ぐように動き回ります。

妊娠13週目には神経細胞が急激に発達し、この頃から指を吸うようなしぐさもみられるように。

妊娠14週目ぐらいから胎児の心臓の力で血液を全身に送れるようになります。

妊娠15週目の頃になると骨の形成がどんどん進み、手には指紋が形成されます。


胎児の大きさ/体重:40~100g、身長:100~115mm程度


妊娠初期の妊婦健診について


妊娠がわかった時点でお住まいの自治体へ妊娠した旨を伝え母子手帳を発行してもらいます。その際に、妊婦健診の補助金についての案内があります。


多くはチケット制で、必要事項を記入の上、妊婦健診時に産院に提出します。


自治体によって書式や補助券の扱いが異なりますので、詳しくはお住まいの自治体にてご確認ください。


妊婦健診で行うこと

体重測定

体重測定は毎回行われます。
妊娠中は増えすぎも増えなさすぎも要注意です。妊娠初期の頃は食べづわりによる増加や、吐きづわり等による減少があるかもしれません。


血圧測定

血圧測定も毎回行われます。
これは妊娠高血圧症候群の有無を調べるためのものです。


尿検査

尿検査も毎回行われます。
検査内容は「尿糖検査」「尿ケトン体検査」「尿たんぱく検査」の3つ。
妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの恐れがないかをチェックするためのものです。


心拍確認

妊娠6週目以降に心拍の確認をします。


エコー(超音波検査)

胎児の様子を確認する検査です。赤ちゃんの成長度合いや奇形などをチェックします。また同時に胎盤やへその緒の状況も観察します。


妊娠初期の頃はまだお腹のふくらみも小さく、見えにくいためより子宮に近い位置で観察するため、経膣エコーが使われます。


胎盤が完成するころにはお腹の上から行う腹部エコーへ切り替わりますが、状況によっては妊娠中期以降にも経膣エコーをすることがあります。


血液検査

血液検査は、初期、中期、後期と分けて行います。


初期検査は妊婦健診第一回目に行われ、血液型やさまざまな抗体検査を行います。


血液型を調べる理由は、分娩時の多量出血時の輸血に備えてのこと。そのためABO型とRh型の両方を調べます。


抗体検査は、ウィルスや菌によって異なりますがそれぞれの抗体の有無がわかることによって、母子感染のリスクに備えることができます。

 

妊娠初期に気をつけたい「薬」と「流産」


薬の服用は控えないといけない


妊娠すると、薬の影響が気になりますよね。


薬は妊娠時期によっては服用可能ですが、妊娠初期の胎児の器官形成期は服用を避けなくてはなりません。


独断での判断は危険ですので、妊娠がわかった時点で服用中の薬があれば産婦人科で相談してください。妊娠後に薬を飲まなければならないことがあれば、その時も相談するようにしましょう。


妊娠に気づかなかった時に飲んだ薬なども不安なようであれば必ず相談してください。


もちろん、タバコやアルコール類も控えましょう。


流産の多くは妊娠初期に

流産の多くは心拍確認がとれる7週目ごろから9週目までに、起こりやすいと言われています。


この時期の流産は胎児側に原因があることが多いため、ママたちが気に病むことはありません。


【体験談】子宮内出血で流産の危険性!?


筆者は第二子妊娠初期に子宮内に出血があり、流産の危険性から安静指示が出されました。


上の子がいると、どうしても動いてしまいがちですよね。筆者の場合、上の子もまだ1歳半ほどでしたので、まだまだ抱っこでの移動も多い時期でした。


さらにこの頃、所用で新幹線に乗って実家に帰ったのも妊娠初期の子宮にとっては負担だったようでした。座っての移動だからと甘くみていたことを猛省。


幸い、第二子の生命力のおかげか、安静にしていたためか無事に出産することができ、すくすく元気に育っています。


つわりの種類別!妊娠初期の過ごし方


妊娠初期と言えばまだお腹のふくらみも目立たず、胎動も感じられない時期ですが、多くの方が「つわり」の症状に悩まされる時期です。


実に97%のママたちがつわりを経験しています(ママびより調べ)しかし、そのつわりも千差万別。妊娠初期の過ごし方はこのつわりで変わってくると言っても過言ではないでしょう。



吐きづわり


多くの方が症状としてあらわれるのがこの吐きづわり。吐くまではいかないものの吐き気をずっと感じるのもつらいですよね。


吐きづわりの時の過ごし方は、「口にできるものだけを食べる」「少量をこまめに食べる」「出来るだけ休む」です。


ただし、嘔吐が続き飲食がままならない場合は、脱水症状や重度のつわりの場合がありますので、かならず妊婦健診を受けている産婦人科を受診してください。


眠りづわり

眠気が強いつわりです。眠たい時は出来るだけ寝ましょう。


筆者はひとり目が眠りづわりだったため、平日は19:30ごろから翌朝7:00ごろまで11~12時間睡眠、休日は15時間くらい寝ていました。


とにかく寝て過ごしましょう。起きてる時にストレッチを忘れずに。


においづわり

においで気分が悪くなるタイプの方は、においの元を断ち切るようにしましょう。


ご飯が炊けるにおいがアウト!な場合は、思い切ってご飯を炊くのをあきらめるのも手です。もしくはママが寝ている間にパパに炊いておいてもらうのも◎。


外出先の場合は、マスクやハンカチなどにかんきつ系の香りや、気分が落ち着く香りを振っておくと安心です。


食べづわり

ずっと食べていないと気持ち悪くなってしまう食べづわりは、体重増加も気になるところ。また、食べ物も受け付けるものが限定的になることもあります。栄養面が、と不安になるかもしれませんが、まずはこのつわりを乗り切ることを考えて。


仕事中や移動中は、サッと食べられるかんきつ系のキャンディやチューイングガムなどを携帯していると心強いかもしれません。


栄養面や著しい体重増加が気になる場合は、妊婦健診の際に相談しましょう。


全てのつわり

どのつわり症状でも大切なのは「無理をしない」で過ごすこと。


妊娠すると、妊娠を継続させるために普段なら出し続けないホルモンを出します。胎盤を作ろうとしたり、赤ちゃんも成長しようとしたりします。女性一人の身体の中で、めまぐるしい変化が起きているわけですから、いつも以上に不安になったり、無理がきかなかったりする状態になるのは当然のこと。


特に胎盤ができていない時は、先述の通り流産のリスクも高くなります。多くは母体側に原因がないことが多いのですが、それでももしかしたら…と思ってしまうものでしょう。筆者のように無理していると思っていなくても、子宮には負担がかかっていることもあるかもしれません。


つわりのときはできるだけ無理をせず、大事をとるようにしましょう。


妊娠初期に「無理をしない」過ごし方へ切り替えていく意識が大切


妊娠初期にかかわらず妊娠中~産後しばらくは本当に無理は禁物です。妊娠初期のうちに「無理をしない過ごし方」にシフトチェンジすることが大切ですので、今までは無理してカバーしていたことができない時にどうするか、というのを考えながら過ごすのがいいかもしれませんね。

 

参考:ママびより-妊娠・出産〜産後までママに必要な情報を毎日お届け-

画像:筆者撮影・photoAC