1歳を過ぎると、少しずつ言葉への理解が進み始めます。

そのため「今ママって言った?」という初めての単語に親はワクワクドキドキしますよね。


同時に「うちの子、言葉が遅いかもしれない」と心配になることもあるでしょう。


1歳半を過ぎる頃に「マンマ」「ワンワン」といった単語を理解して話せるのは94.7%とほとんどの子どもが話せるようになっています。


今回は発達の目安や段階、1歳半健診でチェックする項目のほか、言葉の遅れが気になる人向けの言葉を促す方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。


筆者の子どもは言葉の遅れがあり心配でしたが個性の範疇でいまではおしゃべりな子に成長しています。

どのように促していったのか、その体験談も交えてお伝えします。


この記事の目次


1歳半前後の言葉の発達段階


1歳半頃の子どもの言葉の発達には個人差がありますが、大まかには以下のような目安・段階を経ることが多いです。


1歳頃の言葉の発達と目安

・指さしが位置を示していることを理解する

・「ママ」「パパ」「ワンワン」など単語が理解でき、使えるようになる

・身近なものの名前が理解できるようになる

・理解できる言葉の数が急速に増える

参考:「0歳~6歳 子どもの発達とレジリエンス保育の本(2018/2/6)」(学研)


1歳の言葉の発達段階

1歳(生後12ヶ月)頃:「ママ」「パパ」などの呼びかけや「バイバイ」「ワンワン」などの単語を理解する。単語を言う子どもは57.6%でまだ喃語の子どもも多い時期。


1歳3ヶ月(生後15ヶ月)頃:単語の発語数が増えてくる。86.1%の子どもが単語を言えるようになる。


1歳半(生後18ヶ月)頃:1歳半を過ぎる頃には94.7%の子どもが単語を話せるようになる。

参考:「平成22年 乳幼児身体発育調査 結果の概要」(厚生労働省)


1歳半から2歳半にかけて語彙が急激に増えます。

単語を50個ほど喋ることができるようになってくると、『モノには名前がある』という理解が進み、2歳で語彙数は200ほどになるのです。


そのため、2歳前後には「なに?(この名前はなに?)」と指差しをしながら名前を知りたくなります。

この語彙急増期には、単語のみのおしゃべりから2語文「ワンワン、いた」「ぎゅにゅう、ない」へと成長していきます。


発達の目安や段階は個人差がある

言葉の発達については、子どもの環境や育て方によっても異なるため、早めに発達が進んでいる子もいれば、少し遅れる子もいます。


のちほど紹介しますが、筆者の上の子は言葉が遅いタイプの個性がある子でした。



1歳半健診で言葉の発達チェック


1歳半健診では言葉の発達チェックがあります。

母子手帳の保護者の記録「1歳6ヶ月頃」の記入ページの項目には以下のように書かれています。


  • ・ママ、ブーブーなど意味のある言葉をいくつか話しますか。
  • ・後ろから名前を呼んだ時、振り向きますか。

健診の受診表の項目にも


  • ・絵本を見せて知っているものを聞くと指で刺しますか。
  • ・名前を呼ぶとその方を振り向きますか。
  • ・あなたの言うことや指示(例:○○を持ってきて、○○をないないして、など)がわかっていますか。
  • ・ママ、パパ、まんま、ブーブーなど意味のある片言を言いますか。

といった言葉を「聞く」「話す」に関する質問があります。

発達の目安や段階からみても、上記のチェック項目を参考にお子さんを観察してみてください。


言葉の発達を促す5つの方法


お子さんを観察した結果、『うちの子、あまりお話できていないかも』『こちらの言っている意味が理解できていないかも』と不安になるママも多いはず。


ここでは1歳ごろのお子さんに言葉の発達を促す5つの方法について解説します。


①絵本の読み聞かせ

②うた遊び

③日常生活でよく出てくる単語を伝える

④音や韻を楽しむ

⑤ゆっくり話す


①絵本の読み聞かせ

絵本を読み聞かせることで、子どもが言葉や物事の意味を理解しやすくなります。

また、絵本の内容に興味を持つことで、子どもが自発的に話をするようになることもあります。


②うた遊び

歌を歌うことで、子どもの発音やリズム感が養われ、言葉の発達につながります。

手遊びを取り入れたり、楽器を使ったりすることで、楽しみながら言葉の発達を促すことができます。


③日常生活でよく出てくる単語を伝える

日常生活の中で、子どもに名前や物の名前を伝えることで、言葉の意味を理解しやすくなります。

例えば、食事の時に食べ物の名前を伝えたり、お風呂に入る時に体の部位の名前を伝えたりすることが効果的です。


④音や韻を楽しむ

子どもが音や韻を楽しむことで、発音やリズム感が養われ、言葉の発達につながります。


同じ音の繰り返し(リンリンリン・トントントンなど)や、韻を踏んだ言葉遊び(カエルがかえる、カエルが増えるなど)をすることで、子どもの興味を引き言葉の発達を促すことができます。


擬音語が大好きな子どもが多いのも音や韻を楽しんでいるととらえると納得ですね。


■韻を楽しむのにおすすめの絵本

「かえるがみえる」(こぐま社)


対象年齢は少し上ですが、1歳半~2歳のお子さんに人気の絵本です!


⑤ゆっくり話す

大人は話すことができるので言葉のスピードが速くなります。

そのため子どもにとっては聞き取りにくく、言葉の学びに繋がりにくくなる可能性があります。


大人も知らない外国語を早口で話されると聞き取れません。しかし、指をさして単語だけをゆっくり発音してもらうと理解できるはずです。


ゆっくり、単語を意識して話すことで言葉の発達を促すことに繋がります。

 

発語がのんびりだった筆者の子


筆者の子どもは発語が遅く、言葉の遅れにハラハラした経験があります。

上の子が非常にのんびりで、1歳半健診でも単語がなかなか出てこず不安な思いをしました。


結論から言うと、成長した今は「おかあさん、きいて!」と自分の身に起こったことをよくお話してくれる子になりました。


言葉が遅れた4つの原因

①静かな環境

②ノンバーバルでのコミュニケーションで不快を取り除く

③私が早口すぎる

④本人の気質


筆者の子どもの言葉が遅れた原因は上記の4つ。

第1子でワンオペ育児ということもあり、日中は私以外との交流が少なかったのです。


私自身、テレビが苦手で家の中では静かな空間が大好きなため、子どもが1歳になるまで、言葉に触れることの少ない環境を作ってしまっていました。


また、教育学部卒の筆者はノンバーバルコミュニケーションの重要性を理解しており、子どものサインを読み取る能力に長けています。

そのため、子どもが「言葉」を発さなくとも、不快を取り除きすぎていたり、本人の望むことを先回りして与えていたのも言葉を遅らせることに繋がっていた、と今になって感じています。


元々幼少期から早口な筆者。関西人気質も相まって、かなりの早口です。

これもワンオペ育児の弊害なのですが、人と話す機会が減ってしまったことで、ついつい早口に拍車がかかってしまい、結果子どもが聞き取りにくい会話ばかりをしてしまっていました。


そして、子ども本人の気質です。

第1子がのんびりだったのは言葉だけではありません。

全体的にのんびりな成長で、歩くのも1歳3ヶ月からでした。離乳食の進みもゆるやかで1歳半以降でようやく軟飯の子どもだったのです。


発語の遅れはあっても1歳半の健診ではひっかからなかった

まともに話すことができず、1歳半を過ぎても『これは理解している単語…?』と筆者が不安を覚えるレベルだった第1子。

人によっては「ワンワン、いた」などの2語文を話せるお子さんもいると聞き、不安いっぱいで臨んだ1歳半健診でした。


指さしに合わせて発語はできませんでしたが、「ワンワンはどれかな?」「ウサギはどれかな?」といった問いかけに対して、指さしで反応ができました。

そして名前を呼ぶと振り返る点や、目線が合う様子などから「個性の範疇」とのことで、特に発達の遅れなどは指摘されませんでした。


つまり、発達段階や目安から遅れている項目があっても、他の項目と総合的に成長を判断するのが健診なのです。


健診でそのことを聞いたとき「この子にはこの子のペースがあるんだ」と、ひとり目育児で少し神経質になっていた自分に気づくことができました。


小学校教諭の友人の一言に救われる

とはいえ、言葉を話すことは大切です。

筆者の話す言葉を真似て学習をしてほしくて、ゆっくりと単語を話すも、なかなか繰り返してはくれません。

しかし、その一方でiPadの幼児用のお話アプリや言葉の出る仕掛け絵本などの言葉は繰り返すのです。


何故…、と自分の話し方に問題があるのか、と不安になっていたのですが、2児の母である小学校教諭の友人が素敵な言葉をかけてくれ、気持ちが前向きになりました。


「機械の音声とママの音声(声)を聞き分けていて、ママの声は繰り返す必要のないもの、と認識しているんだね」


と言ってくれたのです。


この発言は目から鱗でした。

つまり、ママの発言は聞き取れる聞き取れないにかかわらず、「マネする」音声ではないと認識していたのです。

そのため、どれだけこちらが繰り返しを促しても繰り返さない。


それを聞いてから、我が家の音声おもちゃが増えたのは、言うまでもありません(笑)

その結果、母親の声以外から単語を学び、お話上手になりました。


今では、バーバルコミュニケーションができるので、繰り返してほしい言葉はきちんと繰り返してくれます。


1歳半で話せなくても総合的にみて問題がないなら個性の範疇!子どもに合わせた促しを


1歳半の言葉の発達の目安は以下の通り。


・指さしが位置を示していることを理解する

・「ママ」「パパ」「ワンワン」など単語が理解でき、使えるようになる

・身近なものの名前が理解できるようになる

・理解できる言葉の数が急速に増える


9割以上のお子さんが、1歳半ごろには「単語」を話すようになるため、まだ喃語の域を出ないと不安になるママもいらっしゃるかもしれません。

しかし、他の成長と総合的にみて問題がないなら個性の範疇です。


焦らず子どもに合った言葉の発達を促す方法を取り入れていきましょう。

今回紹介した方法はこの5つです。


①絵本の読み聞かせ

②うた遊び

③日常生活でよく出てくる単語を伝える

④音や韻を楽しむ

⑤ゆっくり話す


言葉の発達は子ども本人の個性・環境によって大きく左右されます。筆者の第2子は何事も早く、また上の子がいる環境だったため話すのはとても早く、こちらが促すことはありませんでした。


子どもの個性と向き合いながら、少しずつ成長できるといいですね。

なお、総合的にみても発達の遅れで気がかりな点がある場合は、地域の保健師や小児科で相談してみてくださいね。

ママの不安を払しょくすることが、のびやかで健やかな育児に繋がりますよ。