出産が近づいてくると、そわそわしますよね。

どんなふうに感じるのかわからないのでドキドキ不安がいっぱい。

でも、赤ちゃんに会えると思うとワクワク。


不安と期待がないまぜになっているけど、不安が大きい、というママ。

出産の流れや経膣分娩の進め方を知ることで、落ち着いて出産に挑めるようになるかもしれません。


人間、知らないことに対しては不安が増す生き物です。


今回は親しみやすいイラストや漫画を使って、出産の流れを解説。


基本の


おしるし→陣痛→破水→誕生→後産


の進み方や

出産の3つの時期


①第一期(開口期)

②第二期(娩出期)

③第三期(後産期)


の解説や経膣分娩の進み方、そして産後に起こりうるトラブルなどをまとめてご紹介します。


この記事の目次


出産の始まりは突然に!マンガ付きでみるとある妊婦の一例

出産は


おしるし→陣痛→破水→誕生→後産

の順で経過します。

(おしるしがない、破水から始まるなどのケースもあります)


出産の始まり(おしるし→陣痛)を妊娠出産マンガ(全20話・医師監修付き)の連載経験があるイワモトマイコのマンガといっしょにみていきましょう。




誕生日は赤ちゃんが決めている、というのはよく聞く話。


出産予定日にぴったりに生まれてくるのは2.9%ほどです。

データ元:「出産アンケート」実施期間: 2017年8月25日~8月28日 有効回答数137名

 

胎児が少しずつ産道へ進むには、子宮収縮が必要。

ママの身体のなかでは子宮収縮を促すホルモンが分泌され、陣痛を起こします。



陣痛を促すホルモンは別名「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」です。

オキシトシンは、射乳(母乳を出す)でも分泌されるホルモンですね。


おしるしや陣痛を感じ始めたら陣痛アプリで計測しましょう。

 


陣痛を感じたら、出産の始まりです。


いよいよか、と緊張するかもしれません。


初産での出産は十数時間かかるイメージです。


ママはもちろん、赤ちゃんもばてないようにしっかりと深呼吸で酸素を送っておきましょう。


深呼吸をしてリラックスすることは


赤ちゃんに酸素を送る

ママの緊張がほぐれて痛みが軽減する


ことにつながります。


リラックスすることが、お産をスムーズにさせるのです。


上記のマンガイラストは出産の第一期の一例でしたが、

出産には大きく分けて3つの時期があります。


①第一期(開口期)

②第二期(娩出期)

③第三期(後産期)


次項からそれぞれの流れについてみていきましょう。


出産の流れ・第一期(開口期)~ママは「リラックス」~


出産の始まり。


陣痛がおこりはじめ、子宮口が開きだします。


おしるし(血性分泌)がでます。

しかしおしるしがない場合も。


ママびよりのアンケートでは半々でした。


Qおしるしはありましたか?

おしるしありました!52.2%

ありませんでした! 47.8%


データ元:「出産アンケート」実施期間: 2017年8月25日~8月28日 有効回答数137名

 

所要時間

初産婦 10~12時間

経産婦 4~6時間

参考:「ママパパ学級テキスト 健やか親子21親子健康手帳」(JFPA・2016年・第19冊)

陣痛の間隔

★最初の頃
10分おきに陣痛が起こる。規則的。
陣痛(子宮収縮)の時間は20~30秒。
★中盤
5~3分おきに規則的な陣痛。
陣痛の時間は30~60秒。
★後半
2~3分おきに規則的な陣痛。
陣痛の時間は40~60秒。

参考:「ママパパ学級テキスト 健やか親子21親子健康手帳」(JFPA・2016年・第19冊)

ママがすることは「リラックス」

・自分のペースでゆったり深呼吸

・痛みのない時はシムスの体勢(楽な姿勢)でゆったり

・お腹のマッサージ(パパにさすってもらうなどもOK)


出産の流れ・第二期(娩出期)~ママは「いきむ」~


娩出期はいよいよ赤ちゃんが産まれる瞬間です。

分娩室に移動し、陣痛に合わせていきみます。


①子宮口が全開になり破水する
②陣痛に合わせていきむ
 ※助産師さんの指示もあり
③赤ちゃんは少しずつ産道を進むので頭が見え隠れする
④頭が引っ込まずに出てくる
⑤赤ちゃんの誕生

所要時間

初産婦 2~3時間

経産婦 1~1.5時間

参考:「ママパパ学級テキスト 健やか親子21親子健康手帳」(JFPA・2016年・第19冊)

陣痛の間隔

陣痛がない時間が3、2、1分…と狭まっていく。

一方で陣痛(子宮収縮)は60秒ほど続き、強い痛みになる。


赤ちゃんが引っ込まなくなったら短促呼吸で誕生!

参考:「ママパパ学級テキスト 健やか親子21親子健康手帳」(JFPA・2016年・第19冊)


ママがすることは「呼吸」「いきむ」

・陣痛のない間に呼吸を整え、陣痛がき始めたら深呼吸。

・助産師の指示に従い、いきむ。

・赤ちゃんの頭が引っ込まなくなと、短促呼吸に切り替える指示が出る。


★2児のママ(安産)のメモ

とにかく赤ちゃんに酸素を送る!

そしたら赤ちゃんも頑張れるはず、と信じて酸素を取り込むことを意識して呼吸していました。


助産師さんが「短い呼吸~」という掛け声で犬のように「ハッハッハッ」と短い呼吸をするときも力を抜くイメージ。

スルッと出てきてくれると同時に陣痛もなくなります。

人間の身体って不思議…。


出産の流れ・第三期(後産期)~ママは「休む」~


後産期とは赤ちゃん誕生後、胎盤が出てくるまでの時期です。


胎盤は500~600gぐらいの大きさなので、出産よりもラクに出すことができます。


所要時間

初産婦 10~20分

経産婦 10~20分

参考:「ママパパ学級テキスト 健やか親子21親子健康手帳」(JFPA・2016年・第19冊)

陣痛

なし


ママがすることは「休む」「初乳」

出血もありますので、そのまま2時間ほど静かにゆっくりと休みます。

その間に初乳を与えたり、会陰が避けたり切開した人は縫合します。


★2児のママ(安産)のメモ

胎盤は役目を終えるとすぐさま排出される臓器。

このタイミングでしかお目にかかることはありませんので、みてみたい人はあらかじめ相談しておくようにしましょう。


筆者は1人目の時に写真を取り損ね、2人目の時のバースプランに「胎盤の写真を撮りたい」と記入しました。

なお、2人目の胎盤は700gもあり、血色もよく「この胎盤だったらさぞ快適な胎児ライフだったはず」と助産師さんに太鼓判をもらえました。


【経膣分娩の進み方】赤ちゃんイラストアニメーション


陣痛→誕生までの間、赤ちゃんは


①横向きに頭をはめ

②少しずつ回り(回旋)ながら降りていき

③およそ90℃回って誕生します。


①横向きに頭をはめて産道へ


まず、赤ちゃんは横向きに頭をはめます。


何故、横向きに頭をはめるかというと、赤ちゃんの頭の前後が長く、横幅が短い楕円の形状に対し、ママの骨盤は横に長い楕円の形をしているからです。



これは実際に私が妊婦健診の時に産婦人科医から聞いたお話。


なぜ、そんなお話になったのかというと、赤ちゃんが骨盤にうまくはまらなかったから、です。



筆者の体験談

(筆者の骨盤と胎児のレントゲン)


初産のとき、子宮口が開いているのに陣痛が起こりませんでした。

そのため、


「赤ちゃんの頭が大きすぎて、骨盤を通らないのでは?」


と帝王切開をするかどうかを調べるべく、正産期にレントゲンをしました。

※産婦人科医師の判断のもと行われています。

 

上記の画像はその時のもの。

 

胎児の頭の向きが横ではなく、

母親のお腹側、やや斜め前向きに向いているのがわかるでしょうか?

 

このまま分娩に突入すると

横向きよりも長く回転に時間がかかるため、

治るまで様子を見ることになりました。


(その後、陣痛促進剤を使用して経膣分娩で出産)



②少しずつ回転しながら降りていく


骨盤を頭が通り抜けると今度はママのお尻側を向くように回転していきます。


陣痛が起こることで少しずつ進みながら、回転し、母体は子宮口が開いていきます。


③90℃回って頭を出す


恥骨の部分を軸に反屈(ぐいっと顔をあげるように)にして、頭を出します。


お顔が出たら、肩を通すために再び横向きになって全身が産まれます。



産後ママの心と身体の変化17つ


2時間安静にして問題がなければ入院する部屋で産後の生活がスタートです。


出産をゴールにしていると、産後の自分の身体の変化に戸惑うかもしれません。


何故なら、出産よりも産後の方が長く、さまざまな変化が怒涛のようにやってくるからです。


一般的な産後の変化と筆者が経験した産後の体験をふまえて産後2ヶ月(産褥期)に起こるor起こりやすい変化を17つ書き出しました。


①悪露が出る(~1ヶ月)
②産後ハイで疲れているのに寝れない
③後陣痛がおこる(子宮が戻るときに感じる痛み)
④母乳が出るようになる
⑤母乳はすぐ安定して出ない。数日~数週間かけて安定していく
⑥会陰縫合が痛い、痒い
⑦痔になる
⑧排尿がしみる
⑨尿漏れが起こる
⑩貧血になる
⑪産後うつになる
⑫寝不足
⑬腱鞘炎
⑭腰痛
⑮頭痛
⑯肩こり
⑰自律神経が乱れる


他にも出産の状況によってさまざまです。

知ることで対策ができる!

産後はこの身体の変化に加え、乳児の育児があります。

さらに家事など、ママや赤ちゃん、パパなど家族の生活のためにすることもあります。


そのため、身体と心の変化が大きい時に「あれもこれも」と家事や育児をしようとするのは絶対NG!

特に産後21日間は、自分の身体の回復と乳児のお世話に専念する時期、と古くから言われています。


あらかじめ産後に起こりうることを想定しておくことで、対策をとることができます。

対策をとっていても、思うように進まないのが産後です。


陣痛の痛みは忘れますが、出産~産後に感じたつらい思いは一生忘れない、という声をよく耳にします。


赤ちゃんが産まれたことは幸せですが、それだけでは生きていけません。

赤ちゃんを育てるためにも、ママの健康は欠かせないのです。


出産前に産後のケアも念頭に置いてくださいね。


出産の経過を知っておくことでリラックスにつながる


出産の経過を知っておくことは、お産への不安や過剰な緊張を防ぐのに役立ちます。


何故なら、人は知らないことに対して恐怖心を抱くからです。

恐怖心から身体が緊張してしまうと、子宮の収縮がうまくいかず、スムーズなお産へ影響が出る恐れがあります。


スムーズに進まないことでより一層、不安が増し悪循環に陥るのは避けたいもの。


あらかじめ経過を知っておくことで、いざ、というときに深呼吸ができるようにしておきましょう。


また出産にまつわる「陣痛は痛い」「苦痛」といったマイナスのイメージだけが先行して、必要以上に不安がってしまう人もいらっしゃるかもしれません。


陣痛はずっと続くわけではありません。

落ち着いてケアできるように、あらかじめ経過を把握しておきましょう。


出産は


おしるし→陣痛→破水→誕生→後産


で進み


①第一期(開口期)

②第二期(娩出期)

③第三期(後産期)


の3つの時期を経ていくこと。


そして、赤ちゃんも誰に教えてもらったわけでもなく、

一生懸命その身体を回しながら産まれてくること。



特に出産はひとつとして同じ出産がありません。


おしるしがある人。

おしるしがない人。

破水からお産が始まる人。

陣痛が強いのに子宮口が開かない人。

子宮口が開いているのに陣痛が起きない人。


本当にさまざまです。

ただ、ママの頑張りと赤ちゃんの頑張りが合わさって出産する、ということは皆さん同じ。


その時が来たら、落ち着いて深呼吸を忘れずに。

いいお産であることを私たちも願っています♪