生後9ヶ月頃から離乳食は「カミカミ」期へと進んでいきます。
2回食から3回食に増えるこのタイミング。
食事量やタイミング、調理サイズや授乳とのバランスなどおさえておきたい基本情報を紹介します。
カミカミ期と呼ばれるこの時期は、歯ぐきでしっかり噛める食事が大切です。
お子さんがしっかり噛めているかどうかを見極める5つのポイントを解説。
スムーズに進めるコツや、離乳食後期で陥りがちな迷いや悩みにきく解決方法、さらにはこの時期に食べたい手づかみレシピなど、離乳食後期にまつわるあれこれをまとめました。
この時期は、ママも離乳食疲れが出てくるころですので、ベビーフードを使うなど工夫して乗り切っていきましょう♪
この記事の目次
- 【離乳食後期の基本】9~11ヶ月の進め方
- 離乳食後期は噛むことが大切!カミカミ期OKの5つのサイン
- 離乳食後期からOK!な食材
- 離乳食後期をスムーズに進める5つのコツ
- 5つの迷いポイント解消!「時間」「ミルク」「スプーンの使用」「サイズ・かたさ」「おやつ」
- 離乳食後期におすすめの手づかみ食べレシピ
- 離乳食後期は3回食に!成長に合わせて無理なく進めよう
【離乳食後期の基本】9~11ヶ月の進め方
1日の食事回数
朝・昼・夜の3回食
1回の量
1回の全体量
■9ヶ月頃
主食 + 主菜 + 副菜
すべて合わせて
子ども用茶碗1杯弱
↓徐々に増やして
■11ヶ月頃
子ども用茶碗1杯強 へ
1回の食事バランスの目安
■主食
5倍がゆ…90g
食パン(サンドイッチ用)…1枚
うどん…1/3玉
■野菜や果物
30~40g
■たんぱく質
魚・肉…15g
豆腐…45g
全卵…1/2個
乳製品…80g
参考:「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」(厚生労働省)
授乳とのバランス
離乳食:50~70%
授 乳:30~50%
栄養摂取のメインが授乳→離乳食へと切り替わる時期。
授乳に頼りすぎてしまうと、鉄分などの栄養が不足しがちになります。
食材のかたさ・サイズ
今までより水分量がぐっと減る時期です。
歯ぐきでつぶせるかたさが基本。
慣れてきたら少しずつ大きくしていきます。
ごはん…5倍がゆから3倍がゆ・軟飯へ
葉もの…葉先を茹でて3~4㎜にカット
根菜類…バナナのかたさに茹で4~5㎜にカット
とうふ…茹でて、7~8㎜にカット
参考:「HAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション ・2013年10月9日発売)
離乳食後期は噛むことが大切!カミカミ期OKの5つのサイン
離乳食後期の食事は歯ぐきを使って食事をすることが大切。
食材がやわらかすぎる・小さすぎると噛まずに飲み込んでしまうため、よく噛まずに食べる癖がついてしまうことがあります。
よく噛まないと、大食いになったり、のどにものを詰まらせやすくなったりしますので、3回食の頃は「噛む」ことを意識して。
赤ちゃんが歯ぐきで噛める準備が整っているかどうかは下記の5つのサインをチェックしてみてください。
5つのサインチェック
☑安定して座ることができる
ひとりでしっかり座れることで口に力を入れて噛むことができる。
☑食べものに手をのばす
自分で食べたい、と食事に意欲が向いている。
☑バナナ程度のかたさが食べられる
バナナの薄切りを食べさせ、歯ぐきでつぶせる。
☑口が左右に動く
舌を使って食べ物を片方に寄せて食べるしぐさ。
☑奥歯の歯ぐきで咀嚼する
豆腐程度のやわらかい食材のかたまりを、口を動かしながら食べている。
この頃の成長は個人差が大きいですから、焦らず我が子の様子を観察して対応しましょう。
ちなみに、筆者の子どもは上の子はのんびりでしたので、10ヶ月ごろからカミカミ期の固さやサイズに。
下の子は食欲旺盛で何事も早かったため、8ヶ月ごろにはカミカミ期のかたさやサイズ、11ヶ月にはご飯は軟飯という進め方でした。
個人差が大きいので、情報はあくまで目安ととらえて、お子さんの様子に沿って調理してみてください。
自分で判断できない、という場合は地域の保健師さんや、保育園の先生に相談してみるのも手ですよ。
離乳食後期からOK!な食材
離乳食後期になると3回食になり、使える食材も増えます。
あじ・さば
青背魚はDHAやEPAが豊富。
脳の働きをよくするので積極的に活用したい食材です。
一方で、アレルギーが心配な魚種ですので、始める時は少量ずつひとさじから。
えび・かに
ごく少量からスタート。
えびはすり身、カニは食べやすい大きさにほぐして与えます。
アレルギーの出やすい食材のため、離乳食の間は避けていてもOK。
特に早く与える必要はありませんので、幼児食でのスタートも視野に入れてみて。
豚・牛ひき肉
鶏ひき肉に慣れてから。脂身の少ない赤身を選びます。
細かくたたいて調理するか、茹でてからすりつぶして与えましょう。
鉄分が豊富でレパートリーも多いのでうまく活用したい食材です。
もやし
やわらかくなるまでしっかりと茹でてみじん切りにします。
いろんな料理に使える上に、安価な野菜ですのでお財布にやさしいのもポイント。
キノコ類(△)
キノコ類は食物繊維が多く、消化しにくいため後期も慣れてきた10ヵ月ごろから取り入れてみて。
細かく刻んで、あんかけやスープに入れると食べやすいですよ。
離乳食後期をスムーズに進める5つのコツ
3回食の離乳食をスムーズに進めるためのコツを5つ紹介します。
①お腹を空かせる
3回食なり、食べる量も増えるためなかなか食が進まなくなる時期。
離乳食を食べる時間にお腹がすくように、お散歩したり、身体を使った遊びをしたりするようにしてみて。
お腹がすいていると食も進みやすくなります。
②手づかみで食べる
自分の手でつかみ、口へ運んで食べる手づかみ食べが出来るようになってきます。
手で触れることで触感を体験し、自分の意志で口へ運ぶことが食事への関心につながるので、離乳食でも手づかみしやすい「おやき」のメニューをとりいれてみて。
厚生労働省の指針でも手づかみ食べは積極的にさせたい行動、と明言されているので、子どもの食事への意欲を高めるためにも取り入れていきましょう。
参考:「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」(厚生労働省)
③丼ものを取り入れる
3回食になって大変なのは離乳食の調理や準備。
栄養バランスを考えて、主食、主菜、副菜を別々のお皿に盛って食べさせる。
もちろんそれは素晴らしいことですが、慣れないうちに毎日頑張るとママがダウンしてしまうかも。
産後1年はゆらぎの時期。ママの心と身体もまだまだ回復途中です。
ワンプレートで栄養たくさん!の丼メニューを取り入れることで、赤ちゃんへの栄養は減らさずママのストレスを減らしましょう。
また、レトルトベビーフードも賢く活用しましょう。
④パサパサ食材はとろみをつける
カミカミ期になったとはいえ、パサつきの多い食材は飲み込みにくい時期。
とろみをつけて飲み込みやすいように調理するとスムーズな食事になります。
⑤鉄分を意識して献立を考える
鉄分不足が気になる時期。
栄養も授乳より離乳食から摂取する量が増える時期ですので、鉄分がとれる食材を意識しましょう。
納豆などの大豆製品や卵、緑黄色野菜、赤身の魚・肉、レバーなど
鉄分を強化したベビーフードもありますのでうまく活用してみてください。
5つの迷いポイント解消!「時間」「ミルク」「スプーンの使用」「サイズ・かたさ」「おやつ」
離乳食後期にママが悩みやすい迷いポイントをまとめました。
3回食の時間は親子一緒でOK
3回食になって気になるのが食事の時間帯。
慣れてきたら大人と同じ時間でOK!
家族で食事を楽しむ雰囲気ができるといいですね。
夕食は18時ごろを目安に、遅くても19時までにしましょう。
ミルク・フォローアップミルクについて
ミルクはメーカーの規定量を。
フォローアップミルクについては離乳食の食べ具合をしっかり観察してみて。
離乳食をしっかり食べているようであれば、フォローアップミルクは不要です。
スプーンやフォークはあせらずに
早くスプーンを使って食べてほしい、という気持ちもあるかもしれません。
この時期は焦らずまずは手づかみ食べを。
指を使って食べることで、食材をつまんで口に運ぶ練習になります。
その練習がスプーンやフォークで食べる練習に繋がりますよ。
サイズ・かたさはベビーフードを参考に
サイズやかたさを文字で書いても「実際に見たり触れたりしないと想像できない!」と困惑するママも多いはず。
私もひとり目はそうでした。
そんな時に活用したいのがベビーフード。
ベビーフードは時期によってサイズやかたさ味付けに変化してくれているので、実際に大人が食べてみて、その食感やサイズ感を確かめてみるのがわかりやすいですよ。
おやつは不要!気分転換程度に
おやつを補食にするのは授乳が終了する1歳ごろからですので、おやつは不要です。
おやつを与えすぎてしまうとお腹がすかず、離乳食の進みが悪くなるという影響も。
離乳食と授乳で栄養を摂るようにして、おやつは気分転換程度にとどめましょう。
離乳食後期におすすめの手づかみ食べレシピ
離乳食後期におすすめの手づかみレシピをピックアップしてご紹介します。
手づかみクルクルロールパン
■材料
・サンドイッチ用食パン…2枚
・バナナ1/2本
・きな粉大さじ1
■作り方
1.ボウルにバナナをフォークで滑らかになるまで潰します。
2.滑らかに潰し終わったらきな粉を入れて混ぜます。
3.混ぜたらパンに薄く塗っていきます。
多く塗りすぎると巻いたときに具がはみ出てしまうのでなるべく薄く。
4.塗ったら巻いていきます。
巻き終わったら1㎝幅位に切って出来上がり☆
参考:【離乳食後期】手づかみクルクルロールパン(COOKPAD)
↓そのほか離乳食後期におすすめのパンアレンジはこちら
さつまいもとりんごのおやき
■材料
・りんご:1/4程度
・さつまいも:小さいさつまいも1/4本
・薄力粉:大さじ1
■作り方
1.さつまいもを茹でて潰す。
2.りんごをすりおろす。
3.さつまい・りんご・薄力粉を混ぜる。
4.好きな大きさに丸め、フライパンで焼く。
5.両面に焼き目がついたら完成。
↓そのほかりんごを使った離乳食後期におすすめのレシピはこちら
たらバーグ
■材料
・たら 150gくらい
・卵 1個
・絹ごし豆腐(あれば)少々
・小麦粉 大さじ2
・オリーブオイル 少々
■作り方
1.たらの皮をむき、包丁で細かく刻む。骨があれば取り除く。
2.小麦粉と絹ごし豆腐、卵とタラを手で混ぜ合わせる
3.オリーブオイルを温めたフライパンに2を落とし入れて、中火で片面に焼き色がつくまで焼く。
4.焼き色がついたら、弱火にし、ひっくり返して蓋をし、6分焼いたら出来上がり!
↓そのほか白身魚を使った離乳食後期におすすめのレシピはこちら
おやきは冷凍保存が可能
おやきは冷凍保存が可能です。
粗熱をとってから小分けにして冷凍庫で保存してください。
1~2週間を目安に食べきるようにしましょう。
離乳食後期は3回食に!成長に合わせて無理なく進めよう
離乳食後期。1歳目前のこの頃。
・3回食
・1回の食事量は子ども茶碗1杯前後
・栄養の50~70%は離乳食から
・歯ぐきでつぶせるかたさ
・手づかみ食べを積極的に
・鉄分を意識した献立
とおさえるポイントがいくつもあります。
ママの生活のリズムの変化や産後の体調など、まだまだママも揺らぐ時期。
また、子どもの個性もあるため、子どものスピードに合わせて進めていきましょう。
同じお腹から生まれた子ども同士でも進みは全然違いましたよ。
離乳食後期はハイハイやつかまり立ち、伝い歩きなど、目が離せない時期。
人見知りや後追いが始まり、ママの負担も大きい時期です。
ママにも個性があります。
作り置きやベビーフードを活用するなどして離乳食を楽しむ工夫をしてみてくださいね。